すべて忘れてしまうから の商品レビュー
まるで自分についても、そういえばこんなことあったな、あの時こんなことがあったっけ、そんなことを思い出すよう。 忘れてていたことをふと思い出すような。
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感想 大切な落とし物をひとつずつ拾っていく。生活を送る中で見落としてしまっていることが言葉にされて輝いている。日々の感動を残しておくことの尊さ。
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各話、見開き2ページだけなので、ちょっとした時間で読みやすくてよかった。このわずかな文量で読者を惹き込む構成を立てられるのってすごいなあ。 燃え殻さんの文章は、弱さを許容できるような気にさせてくれて、何でもない日常を大切にしようって気付かせてくれる。ゆっくり心に沁みてく感じがよ...
各話、見開き2ページだけなので、ちょっとした時間で読みやすくてよかった。このわずかな文量で読者を惹き込む構成を立てられるのってすごいなあ。 燃え殻さんの文章は、弱さを許容できるような気にさせてくれて、何でもない日常を大切にしようって気付かせてくれる。ゆっくり心に沁みてく感じがよいんだあ。 ↓特に好きだったお話たち。繰り返し読みたいなあ。 セックスしなくても幸せだった夜 そもそも、エモってなんだ 写真の中のあの人は、どんな声をしていたのだろう 偉そうにするなよ、疲れるから 何も持たずにすべてを置いて僕たちは死ぬ 俺は似合ってるか?ここに アラーキーより今を残す人 あの記憶は誰のものなのだろう 男と女は、世界でふたりぼっちだったんじゃないだろうか 「本当は日々のほとんどはグラデーションの中にある気がする。」「まだ名前のついてない感情と出来事に囲まれて、僕たちは生きている。」 「やばい」「えもい」で会話が成り立ってしまいそうな現世で言葉の意味を大事にしていきたいなあと思う一方で、まさに燃え殻さんの書く世界からはまだ言葉になっていない「エモさ」があるような気がするんだ。 「各々が無心になれる何かをずっと続けられることが、勝った負けたなんてチンケなことを考えなくてもいい状態を作ってくれるんじゃないのかなと、資本主義の成功者たちが歌うきらびやかな映像を見ながら、ぼんやりと考えていた。」働かない天才の万年ごたつ
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なぜペンネームが『燃え殻』なのでしょうか…? 本書は、「人生はままならないから、デビュー小説で希望を書いた」(私は未読…)という著者のエッセイ集です。 自分を卑下し、自虐感溢れる印象は、内容からも筆名からも伝わってきます。ただ、文章からは重苦しさは感じられず、スラスラ読み...
なぜペンネームが『燃え殻』なのでしょうか…? 本書は、「人生はままならないから、デビュー小説で希望を書いた」(私は未読…)という著者のエッセイ集です。 自分を卑下し、自虐感溢れる印象は、内容からも筆名からも伝わってきます。ただ、文章からは重苦しさは感じられず、スラスラ読み進められます。 書き残さなかったら、なかったことになるかもしれない出来事や人の営みがあって、それらを残すのもいいのかも、と考えられたのでしょうか…。 かつてのことや最近のことを取り留めなく書くことで、大半が苦難であっても、後で振り返った時に「抗って生きてたな、その時は輝いていたな」と思えるのかと、我が身に照らしてぼんやり考えました。
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これも装幀やタイトル、各章の手書きのタイトルがハードルを上げに上げていて「さあエモいと思いなさい」感が演出されすぎているので、純粋に本文だけを読めたら楽しめただろうになあと思ってしまった。 各章のタイトルが良すぎて、出オチ感が強いのかな…
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心を救ってくれる本はこういうものなのだと実感した。各編ごと大きく心が動くことはないが、それが心地よい。事態が進展しなくても、上手くいかなくても、今日なんとなく生きていることやなんとなく会った人との出来事が糧になったり、ならなかったりするんだろうなあ。
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映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」が結構良かったので、その原作者の本だと知り、買って読んでみた。 「口当たりのいい食べ物」があるのなら、これは差し詰め「ココロ当たりのいい読み物」か。要は、読み手の気分や気持ちを決して乱したり汚したりはせず、さりとてそれほどの感動や記憶に残...
映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」が結構良かったので、その原作者の本だと知り、買って読んでみた。 「口当たりのいい食べ物」があるのなら、これは差し詰め「ココロ当たりのいい読み物」か。要は、読み手の気分や気持ちを決して乱したり汚したりはせず、さりとてそれほどの感動や記憶に残るような印象を得ることなく読み終えてしまう。まさしく題名の通り「読みながら忘れてしまう」ような、形や重さの無い内容のエッセイ。 なるほど、あるある、と共感する部分も決して少なくはないのだが、他人に強く薦めたくなるほどの価値を感じるでもない。 ある意味、まさしく現代のメディアであるツイッターやSNSを通じてこそ読まれるコンテンツなのかな、と。
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