1,800円以上の注文で送料無料

終活中毒 の商品レビュー

3.8

112件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    46

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022/07/28リクエスト 1 どの話も、おもしろかった。 一番は 最後の終活。 浩未(ヒロミ)という名前の息子を持つ父親。独居老人を狙う詐欺師を自分の息子だと勘違いして、優しくしてくれることに、嬉しくなる… でも、何か大切な話をしていた最中に車に突っ込まれ即死した妻とのあの時間がうろ覚えで、何だったのか思い出せない。 結果的に、ヒロミと名乗った男は息子ではなかった。 息子は大学で上京して妻と一緒に買い物したり化粧を覚えたりして女性になっていた… その息子(今は女性)の浩未を認められず妻と口論になっていた… 詐欺師に騙されたとわかり、妻のことも息子のこともわかろうとしなかった自分は、天涯孤独になってしまった。 その中で、息子が帰ってきて、今まで認めることができなくてゴメン、となる。 SDGsな終活 病院で働く理由は、資産家で余命のある女性を狙い、遺産をかすめとるため。ピッタリの相手を見つけ死を待っていたのに相手はお金があるばかりに、未承認薬にまで手を出し、元気になってしまう?取り分がなくなると思い殺そうと思ったところ、相手は一歩上で、彼の狙いをわかっていて殺され庭に埋められる… 小説家の終活 かつてはベストセラー作家だったが、一緒に旅行にでかけた先で同じトリックを思いつき、同業の相手に先を越され、相手は人気作家街道まっしぐら、自分は鳴かず飛ばず… その作家の形見分けに呼ばれ、他の人はお金になりそうなものを選ぶ中、過去のベストセラー作家は古いワープロを選ぶ。 その中には、彼女にプレゼントのため書かれた作品がまるまる入っていた。それは故人となった人気作家からのお詫びの形見だった。それを彼女は自分の作品として出すか迷い、結局出すことを断念する。そして実力に見合う本を出版することでスランプから抜ける。 お笑いの死神 売れない芸人の夫は、同じく売れない芸人の妻と結婚し、妊娠した妻は芸を諦める。それをずっと気にしていた夫。そんな中、夫に癌が見つかる。ガーン、とは言えず、椅子から崩れ落ちるほどだった。最期に人生をかけてお笑いグランプリの優勝を狙う。だんだん病が進行し途中からは歩けなくなり舞台袖まで車椅子で移動するほどだった。でも舞台に立つとしゃんとする。彼が死神だと思いこんでいた男は、生き別れの父親だった。 話自体がとても面白く引き込まれるので、もっと細部を丁寧に書いた長編で読みたいと思うものもあった。 同じ作者から婚活中毒というものも出ているらしいので、そちらも読みたい。

Posted byブクログ

2022/06/27

終活とは自分自身の死を見据えた一連の活動を指す言葉。遺言、エンディングノート、身辺整理この物語を読むとこの言葉がしみじみと感じてしまいます。読めば読むほど余命が怖くなります。どのお話も最初はすんなり読めますが結末は意外な展開に心うばわれます。

Posted byブクログ