汝、星のごとく の商品レビュー
とっても苦しい物語でした 捨てることと捨てないことは同じことで 大切なものをずっと捨てずにいるためには他のことは捨ててもいいと覚悟を決めること 守るために手放さなければならいものがあること でも本当にそう? 自分を貫くことはとても簡単でとても苦しいこと そんな気持ちになった...
とっても苦しい物語でした 捨てることと捨てないことは同じことで 大切なものをずっと捨てずにいるためには他のことは捨ててもいいと覚悟を決めること 守るために手放さなければならいものがあること でも本当にそう? 自分を貫くことはとても簡単でとても苦しいこと そんな気持ちになった物語どすえ(インチキ京都弁で台無し)
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※このレビューにはネタバレを含みます
本にどれほど入り込み、いろんな時間をその本にあてがいたいと思えるか、というのは、素晴らしい本の一つの要素だと思う。 最近だと、川上未映子さんの夏物語に続き、こちらがその類だった。 いろんな問題が有象無象していて題材として欲張りだし、切り取ればどれもありそうな感じでもあるのに、どのエピソードもバランスよく、地に足がついていて、違和感なく入り込めた。 不倫、親の呪縛を抱える子供、噂や世間の声の蝕み方、それらに対して年齢とともに向き合い方が変わったり変わらなかったり、そういう気持ちの流れ方。マイノリティな考え方や、世間から意志を投げられうる人たちが一生懸命、自分達を生きている様子。 また、プロローグとエピローグの使い方がとてもうまい。こちらの固定観念とかを試された感覚。 わたしが一番心にぐぐっときたのが、 櫂と一緒に漫画を描いてきた尚人くんの顛末。 世間に生かされ殺されそして希望を抱きながら幸せなきもちで逝ってしまうところ 現実にこんな人たちはごまんといるのだろう、と。 あとは、この物語を通して一貫している、瞳子さん、北原先生、結ちゃんの佇まい。 _φ(・_・ 親としてはいろいろあっても櫂が許してるならそれでいいんだよ。勝手に他人が決めつけてどうこう言う権利なんかない 自分がかわいそうと思わなければ、誰にそう思われてもいいじゃないですか わたしは何度櫂にさよならを告げるんだろうとおかしくなった。何度もさよならを心に決めて言い聞かせなければいけないほど、わたしは今でも櫂が好きなのだ、と思い知る。わたしにとって愛は優しい形をしていない。どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。 愛と呪いと祈りは似ている p.269 誰が何と言おうと、ぼくたちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことはおかしいですか、身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう。
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うわぁ~~~~~ 何とも凄い本に出合ってしまった!!! なんだろう、この読後感。 ただただ、圧倒される。 読了後に「あぁ、良い本だった」と思うことはあるけれど、そんな感想では済ますことができない。 でも、今のこの感情をうまく言葉にできないもどかしさ… 凪良ゆうさんは2020年...
うわぁ~~~~~ 何とも凄い本に出合ってしまった!!! なんだろう、この読後感。 ただただ、圧倒される。 読了後に「あぁ、良い本だった」と思うことはあるけれど、そんな感想では済ますことができない。 でも、今のこの感情をうまく言葉にできないもどかしさ… 凪良ゆうさんは2020年に『流浪の月』で本屋大賞を受賞されているが、私は未読。 昨年、『神様のビオトープ』を読んだのだが、そのときは、”何とも不思議な世界だなぁ”と。 凪良ゆうさんの世界をちょっと垣間見ただけで終わっていた。 『汝、星のごとく』を読もうと思ったのはブクログとインスタがきっかけ。 最近はブクログとインスタを参考に本を選ぶことも多いのだが、ブクログの『汝、星のごとく』の評価の高さはビックリするものだった。 ブクログではレビュアーが☆5段階で評価しているが 『汝、星のごとく』の評価は 4.60 私の記憶の中では【 4.61 】なんて高い評価を見たことがない。 例えば(※私が既読の本に限って) 『お探し物は図書室まで』青山美智子著 4.35 『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ著 4.25 『かがみの孤城』辻村深月著 4.4 『みをつくし料理帖(八朔の月)』髙田郁著 4.32 『楽園のカンヴァス』原田マハ著 4.22 『容疑者Xの献身』東野圭吾著 4.24 上の6冊、私の個人的評価は☆5で、どれも本当に好きな本。 それらよりもはるかに高い評価。 インスタのでの評価にはさらにビックリした。 そこには「今年一番の本」「おすすめN0.1」など大絶賛の言葉が並んでいた。 これはもう読むしかない! 普段、私はあらすじやネタバレは読まないようにしてる。 読むのは、本の帯、文庫の裏表紙、出版社の本紹介など。 『汝、星のごとく』の帯に書かれていたのは その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、 愛に呪われ、 それでも私たちは生きていく。 凪良ゆうさんの公式Twitterにはこんなふうに書かれていた。 「前作からほぼ2年、ずっとこの物語に向き合ってきました。 自分はなにを選んで生きていくのか。 恋愛を通して紡いでゆく人生の物語になったきがします。 年齢や性別にかかわらず、どこか、なにか、読んでくださった方の心に触れる物語になっていれば嬉しいです」 10月5日現在、今年読んだ本はこの本で48冊目。 今年はまだ3か月ありますが… 『汝、星のごとく』は、今年読んだ本の中で”ベスト1” (もしかしたら、変わるかもしれないけど…) そして、『汝、星のごとく』は 本屋大賞や直木賞などにノミネートされるのでは…? と、思ったり。 本の装丁もとても”きれい”… 本当に読んで良かった!
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久々にしっかりと読書しましたが引き込まれて夢中で読みました… 凪良ゆうさんの作品は流浪の月、滅びの前のシャングリラと読了、3冊目です。 現代社会でよく話題になる問題をたくさん詰め込みつつ、登場人物ひとりひとりの感情やキャラクターを丁寧に描かれていて、とても臨場感がある作品でし...
久々にしっかりと読書しましたが引き込まれて夢中で読みました… 凪良ゆうさんの作品は流浪の月、滅びの前のシャングリラと読了、3冊目です。 現代社会でよく話題になる問題をたくさん詰め込みつつ、登場人物ひとりひとりの感情やキャラクターを丁寧に描かれていて、とても臨場感がある作品でした。親族や狭い社会に縛られて自分を押し込める主人公にはもどかしい気持ちにもなりましたが、なんだか現代を生きる人間のリアルさを感じました。
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久しぶりに本読みたいなぁと電子本サイト見ていると、期間限定で冒頭部分が閲覧できるとのこと。有名な作家で名前は存じているが、まだ読んだことがない作家。まぁ、試しにさらりと…安易な気持ちでダウンロードし読み始めた。 すらすらと読みすすめることができ、あっと言う間に無料ダウンロード分...
久しぶりに本読みたいなぁと電子本サイト見ていると、期間限定で冒頭部分が閲覧できるとのこと。有名な作家で名前は存じているが、まだ読んだことがない作家。まぁ、試しにさらりと…安易な気持ちでダウンロードし読み始めた。 すらすらと読みすすめることができ、あっと言う間に無料ダウンロード分は終わり。気になる。暁美と櫂どうなるの?!2人の幸せを願いながら、迷わず即購入し読み進めた。 あっと言う間に読み終え、いままだ余韻が続いています。苦しくて遠回りしてしまうけど、それも必要な時間だったはず。思い出しても涙が溢れます。 自分の心に正直に居たい。 私のような読書初心者でも、読むと頭の中に絵が描け人物が息づく文章を書く凪良ゆうさんの素晴らしいさをこの本で知りました。 たくさんの方に読んで知っていただきたいです。 この本に出逢えてよかった。
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例えば大切に想う人がいる人へ 島で育った高校生の暁海と櫂。2人はそれぞれ親を支え、苦しみながらも生きていました。 そんな2人は次第に惹かれ合いました。 しかし卒業をきっかけに2人はすれ違い始めるのです。 この小説は、父親に浮気され心に病を抱えた母と暮らす暁海と、男に尽くし...
例えば大切に想う人がいる人へ 島で育った高校生の暁海と櫂。2人はそれぞれ親を支え、苦しみながらも生きていました。 そんな2人は次第に惹かれ合いました。 しかし卒業をきっかけに2人はすれ違い始めるのです。 この小説は、父親に浮気され心に病を抱えた母と暮らす暁海と、男に尽くしすぎ振り回される母と暮らす櫂が主人公です。 そんな2人は次第に惹かれ合い、愛し合うのでした。 2人のことは島中で話題となり、卒業後は東京で暮らすと思われていました。 その頃、櫂は相棒の尚人と描いた漫画が日の目を見始め、ついには連載の枠を勝ち取りました。 まさしく順風満帆な2人でした。 しかし暁海は母親を1人で島に残すことができず、2人の東京での生活は叶わぬ夢となってしまいました。 遠距離でも恋人関係を続ける2人。 連載した漫画がヒット作となり、多忙な生活の中でお金を稼いだ櫂。 地元の小さな会社で、男女差別や賃金に苦しみながら生活する暁海。 次第に2人は心の距離すらも離れていくのでした。 そんな2人に待ち受ける運命とは…。 同著『流浪の月』と並ぶ、いや超えるかもしれない傑作です。 凪良先生の強いメッセージ性を感じる作品でした。 「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?」 決して自由な人生ではなかった2人の長い年月を共にしながら、私自身も大切な人を想いながら読み進めていました。 恋とか愛とか、そういうものは依存関係ではなく、1人で生きる延長戦であるもの。 何度も何度も、そのメッセージに向き合い、心揺さぶられました。 オススメできる作品です!
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父親に捨てられた井上暁海と男運のない母と暮らす青埜櫂が島で出会い、惹かれ合いながら櫂は島を出て、暁海は島に残る。口さがない島の人たちの噂の中に生きている二人の虚像と、意図しない結果として紡ぎ出された彼ら二人のあまりにも切ない真実。評判の高い本屋大賞受賞作よりも、個人的には心に沁み...
父親に捨てられた井上暁海と男運のない母と暮らす青埜櫂が島で出会い、惹かれ合いながら櫂は島を出て、暁海は島に残る。口さがない島の人たちの噂の中に生きている二人の虚像と、意図しない結果として紡ぎ出された彼ら二人のあまりにも切ない真実。評判の高い本屋大賞受賞作よりも、個人的には心に沁みました。
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凪良ゆうさんの作品2つ目。今作も学ばされること沢山あって、またお気に入りになった。 生まれた時に置かれた状況、持たされたものはもうずっと変わらなくて、それをどうにかできるのは自分しかいない。誰かに依存したってそれがずっと続く保証はどこにもない。自分の人生には自分で責任をもつ、持た...
凪良ゆうさんの作品2つ目。今作も学ばされること沢山あって、またお気に入りになった。 生まれた時に置かれた状況、持たされたものはもうずっと変わらなくて、それをどうにかできるのは自分しかいない。誰かに依存したってそれがずっと続く保証はどこにもない。自分の人生には自分で責任をもつ、持たされたものを背負うのも捨てるのも選ぶのは自分次第、っていう風なこと。 男女の差っていうのもありありと見えて、やっぱりいつになっても「女は男を支える役割」みたいな考えが大半なの、嫌悪感でしかない。こんな考え方の人と一緒にいるくらいなら結婚とかしたくないな…。 大事な人を大事にして、自分の選択に責任もって自信をもって行動していけるようになりたい。1人で生きていけるくらいの経済力をもちたい。そして、誰かと自立しあって一緒に生きていく選択を「あえて」したい。 プロローグとエピローグ、一作通して知るとこんなにも印象違うのかってびっくり。大事な人におすすめしたい、そんな本でした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー p.75 「わたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う。」 p.209 永遠に辿り着けない場所を目指して疾走するものが恋ならば、ゆったりと知らないうちに決定的な場所へ流れ着くものが愛のような気もする。 p.265 「結ちゃんは、ひとりで生きていくつもりなの?」 「ううん。ひとりでも生きていけるようになりたいだけで、ひとりはいや」 p.292 「自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれば闘える、どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生が違ってきます」
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凪らさんの作品はいつもどことなく寂しくて悲しいお話が多いのに、なぜか生きる希望というか小さな灯火があって、暗い話なんて読むの嫌う私が凪らさんの本だけは気に入っている。新シリーズが出るたびに進化してる。24時間本が気になって読みたい衝動に駆られた本は久々。親のもとに生まれて人生が決まった少年少女たち。でも、そんな問題のある親でもやっぱり愛されたいという子供の気持ちが詰まってる。最初の出だしは何言ってるかわからなかったけど最後に謎が解けた。
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1回目 あまりに良かった。 他人の目を振り払って自分の道を行く様、自立していることと1人で生きることは別だってこと、人と才能が乖離してもなお才能への信頼がその人自身を支えること、親への愛と憎は裏表であること。全ての表現に厚みがあった。 個人的に、北原先生と暁海の関係性が理想的だった。恋とか愛は尊いが、恋とか愛一旦置いといて互助会夫婦の関係を築いてみたい。 あと、プロローグとエピローグの見方が、真実を知る前後でまるで違う。いかに事実を表面的に捉えているか気付かされる。 僕の生き方の指針になるような宝物の一冊。 2回目2023/12/02
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