汝、星のごとく の商品レビュー
凪良さんの描く世界に引き込まれた。 共にヤングケアラーの2人が惹かれ合うわけだが、特有の境遇であるが故、互いのことが分かっているようで、分かり合えてなくて読んでて切なくなる。 自分勝手な親を背負う責務があるので、なるようにしかならない、流れに身を任せる型にハマってしまう部分がある...
凪良さんの描く世界に引き込まれた。 共にヤングケアラーの2人が惹かれ合うわけだが、特有の境遇であるが故、互いのことが分かっているようで、分かり合えてなくて読んでて切なくなる。 自分勝手な親を背負う責務があるので、なるようにしかならない、流れに身を任せる型にハマってしまう部分があることを認識しつつ、逃げる選択肢があるけど、ないと自己暗示し宿命なのだと受け入れられるのだろうか。 言動と感情が不一致の場面が多々見られ、なんで素直に口にできないのかと、もどかしい気持ちになったが、自分が同じ境遇なら…と考えると理解できた。 互いに素が出せない人生だった気がして、苦しい思いになるが、仕事と愛のバランス、互いの干渉度合いを考えるベストシナリオだった気もする…最後の最後になってようやく素直さが垣間見えて、ホッとした。 色々と考えさせられるし、先が気になり読む手が止まらなかった。ここにきて今年イチの小説かな。
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あまりにも身勝手な親に自分の両親を重ねてしんどくなりつつも読了。もう少しお互いが素直になれれば結末は違っていたのかもしれないが、タイミングやその時の心情でやはり同じ結末を辿る運命なのかもとも思った。人生の追体験をできる素晴らしい本でした。
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小さいコミュニティから抜け出して島のことを忘れかけても、島の大事な人は忘れられなくて。 一方で島から抜け出せず、自分の幸せを見失っていくけど、こちらもやっぱり大事な人は忘れられなくて。 あまりに我儘でも、自分の幸せを本当につかもうとする本気の強さを見せられたら、人間誰しもどれだけ...
小さいコミュニティから抜け出して島のことを忘れかけても、島の大事な人は忘れられなくて。 一方で島から抜け出せず、自分の幸せを見失っていくけど、こちらもやっぱり大事な人は忘れられなくて。 あまりに我儘でも、自分の幸せを本当につかもうとする本気の強さを見せられたら、人間誰しもどれだけ弱ってもなんとか這いで生きていけるって勇気をもらえた気がする。
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激しく切ないのにほっとしてしまう。 感想を文章にするのが難しい。 一昔前なら家庭を持つ、家庭に入ることが善しとされていた。 生きるためにそうした方が幸せになれると。 でも時代は変わってきた。 ひと昔前の家族、という形ではなく、人と人とのつながり、思いが重要になってきたということな...
激しく切ないのにほっとしてしまう。 感想を文章にするのが難しい。 一昔前なら家庭を持つ、家庭に入ることが善しとされていた。 生きるためにそうした方が幸せになれると。 でも時代は変わってきた。 ひと昔前の家族、という形ではなく、人と人とのつながり、思いが重要になってきたということなのかな。 どんな形であれ、人と人が助け合って生きていければそれがベスト。 それは他人に良い悪いの判断をされるのではなく、自分で判断することが大事。 つい忘れがちだけど大切なことに気づかせてくれる。 やっぱ本好きだなぁ。
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久しぶりに小説を読んで泣いた。 読了後の喪失感で体に力が入らず、思考力も働かず、ただ泣いた。プロローグで抱いていた感情が結末で一気に覆された。悲しいと思う反面、これでよかったんだとも思った。
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櫂と暁海の心揺さぶる愛の物語。 2人の17歳から35歳までの人生の軌跡と成長を描く。 明星は一際輝きながら、陽が照ればその姿は朧げに頼りなげに消失し、宵の明星は夕星という名を携えて確固たる光を帯びて再び夜空に光り輝く。
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とにかく切ない。櫂が浮気をする辺りからどんどん読むのがしんどくなってきた。しんどいのに面白くてページを捲る手が止まらない。櫂と暁美それぞれの視点が交互に書かれているから、想い合っているのにすれ違う様子がはっきりわかって辛い。 LGBT、マスコミ、ヤングケアラー、閉鎖的な島ならではの問題。恋愛以外の要素も多く、ただの恋愛小説じゃない。 ラストシーンは悲しいのにとても美しく、読了後の余韻がすごかった。 エピローグはプロローグをなぞって書かれていて、この仕掛けがすごい!あらすじも知らずに読み始めたから、プロローグを読んでいる時は不倫の話なのかな?と思っていて…エピローグで答え合わせをしているような感覚になった。
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最初はよくある青春小説かと思ったが、いつの間にか引き込まれ、2章からはぐいぐい読まされた。若さの衝動、といえば平凡だけれど、自分が生きてる実感が溢れ出るような恋愛を、一生に何回できるだろうか。あまりに好きすぎて、別れた後に相手の名前をエゴサできない感情を、私も知っている。相手の近...
最初はよくある青春小説かと思ったが、いつの間にか引き込まれ、2章からはぐいぐい読まされた。若さの衝動、といえば平凡だけれど、自分が生きてる実感が溢れ出るような恋愛を、一生に何回できるだろうか。あまりに好きすぎて、別れた後に相手の名前をエゴサできない感情を、私も知っている。相手の近況を知るより、あの時の激しい感情のもつれにまた飲まれそうになる自分が怖いのだ。そんな記憶を揺さぶられた作品だった。続編もぜひ読みたい。
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心にくるセリフが多々あって色々考えさせられた。全てが運命に繋がる大事な出来事で、自分の選んだ道を正解にするしかないと改めて思った。
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言葉選びがあまりにも美しい。2人のすれ違いも、もどかしい。素直にならないと。どうして人間はその時に気づけなくて、後から後悔するんだろう。これを何回繰り返すのかな。尽くしても愛されるとは限らないか、そうだよね。貴方がどれだけ大好きでも人の気持ちは変えられない。「好き」って気持ちは、条件で生まれるものではない。貴方は貴方のままでいい。それを誰か近くでわかってくれる人がいればそれでいいの。表紙もずるいよ、刺繍じゃん
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