掬えば手には の商品レビュー
人の気持ちを察し、寄り添おうとする。そうすることで交流が生まれ、心が豊かになっていく。 自身の平凡さに悩みながら、人の心中を掬い取ることでその人を苦境から救おうとする優しき青年の成長を描くハートウォーミングストーリー。 ◇ 梨木匠。中堅レベルの大学に通...
人の気持ちを察し、寄り添おうとする。そうすることで交流が生まれ、心が豊かになっていく。 自身の平凡さに悩みながら、人の心中を掬い取ることでその人を苦境から救おうとする優しき青年の成長を描くハートウォーミングストーリー。 ◇ 梨木匠。中堅レベルの大学に通う1回生だ。 匠には人より秀でたものがない。それが勉強であれ、スポーツであれ、趣味の領域であれ、何につけても(どんなに頑張っても)平均的な成績や結果しかとれない。そんな取り柄のなさに匠は忸怩たる思いでいる。 けれど唯一、優れた能力かもと匠が拠り所にしているのは人の心中を的確に察することができる能力だった。 それに気づいた中学時代から匠は、その力を駆使し苦境にたつ人の気持ちに寄り沿った行動を取ることで、その人から感謝もされ親しくなることもできた。 ところが大学生になり、バイト先で出会った常盤さんという女性にだけは匠の能力が通用しない。 戸惑いつつも、手探りで常盤さんに寄り添おうとする匠だったが……。 * * * * * 「救う」ではなく「掬う」。まず、このワードセレクトに感心しました。 確かに匠は、相手の置かれた状況や様子からその気持ちを「掬い」とって、相手を窮地から救い出すことができる人のようです。そして掬われた相手は新しい一歩を進められています。これは匠にとって最大の長所と言えるでしょう。 でもこれは、そんな「お助けマン」を描いただけの作品ではありませんでした。 読んでいておもしろかったのは、他人をよく観察しその心情を推察できる匠が、他人からは逆に内面を読み取られているということです。あのオムライス屋オーナー・大竹にさえ見透かされていました。つまりまだまだ未熟な若者なのです。 このアンバランスなキャラ設定こそリアリティがあり、さすが瀬尾さんだと思いました。 終盤の「この世ならざるもの」の声を匠が聴きとって、冬香をはじめ自身の成長にまで結びつけるというオカルトファンタジーのくだりについては、少しやりすぎかなと思うけれど、匠の成長物語であることを考えれば、これもアリかと笑ってしまいました。 それから、初回限定付録のスピンオフ短編『アフターデイ』がとてもおもしろかった。 2回生になった匠は、その言動から察するにどこか吹っ切れたようで、将来に向けて進み始めているようです。 その成長した姿がオムライス屋のオーナーの視点でコミカルに描かれていて、よいデザートでした。この読後感のよさ、やはり瀬尾さんだなあとうれしくなりました。
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日常的に、人の気持ちを察したり、意図的によもうとすることはあります。また、その後、寄り添ってあげるべきか、そっとしておくべきかを悩むこともあります。 主人公のように、相手の心をよんだ後、行動に移せるかが肝心だとは頭ではわかっていても、なかなかできない自分がいます。 2022,9...
日常的に、人の気持ちを察したり、意図的によもうとすることはあります。また、その後、寄り添ってあげるべきか、そっとしておくべきかを悩むこともあります。 主人公のように、相手の心をよんだ後、行動に移せるかが肝心だとは頭ではわかっていても、なかなかできない自分がいます。 2022,9/13-19
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こんなふうに人が困っていること、悩んでいることに気付いて掬ってあげられる能力があれば、いろいろなことが上手く行くような気がします。でも自分の場合逆効果になりそう。
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どんな人にも(例え平凡だと思っている人にも)、 優れている所はある、けど、それを自覚するのは 難しいし簡単にできることじゃない。 でもそれを優れていると認めてくれる人が側にいることはとっても素敵だし、そういう人が側にいる事がその人の強さだとも思う。 自分の強み(個性)が誰か...
どんな人にも(例え平凡だと思っている人にも)、 優れている所はある、けど、それを自覚するのは 難しいし簡単にできることじゃない。 でもそれを優れていると認めてくれる人が側にいることはとっても素敵だし、そういう人が側にいる事がその人の強さだとも思う。 自分の強み(個性)が誰かに何かを与えられる人になりたいな。
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「そしてバトンは渡された」に続き、やさしい話。主人公は梨木青年。あらゆることが平均点なのが悩み。人の心が読めるかも?というちょっと特殊な能力。 僕なんか平々凡々というけど、読んでるわたしからするとフツーすぎてフツーじゃない、ちょっとファンタジーな印象。 ただ、人の心を読めるかもの...
「そしてバトンは渡された」に続き、やさしい話。主人公は梨木青年。あらゆることが平均点なのが悩み。人の心が読めるかも?というちょっと特殊な能力。 僕なんか平々凡々というけど、読んでるわたしからするとフツーすぎてフツーじゃない、ちょっとファンタジーな印象。 ただ、人の心を読めるかもの能力が本当なのか嘘なのか、そんなことはどうでもよくって、彼の人に対する真摯な態度には心温められました。大竹店長、河野さんはじめ登場人物も最高。
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とても口が悪い大竹さんが最初はとても嫌だったけど、梨木くんとのやり取りや、アフターデイを見てだんだんかわいく思えてきた。不器用な人だなーと 笑 私は、苦手な人にあまり近づかないようにするタイプだけど、梨木くんのコミュニケーション能力の高さが読んでて気持ちよかった!苦手な人でも、も...
とても口が悪い大竹さんが最初はとても嫌だったけど、梨木くんとのやり取りや、アフターデイを見てだんだんかわいく思えてきた。不器用な人だなーと 笑 私は、苦手な人にあまり近づかないようにするタイプだけど、梨木くんのコミュニケーション能力の高さが読んでて気持ちよかった!苦手な人でも、もう少し関わることで良さが見えてくるのだなと
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誰かと比較する癖があり自己肯定感が低い主人公が自分と重なってみえた。バイト先の店長や同級生に自分が心を開き、また相手を理解しようとすることで少しずつ前向きになっていく明るい終わり方が良かったと思う。
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瀬尾さんの作品はどれもほっこりして、今回の作品も感動できる作品だった。 バイト先の店長も物言いは乱暴だけど、かわいらしいところもあったり。 わたしも主人公と同様、これといって自慢できることが何もなく、平凡であることが悩みだと思っていた時があったので主人公に共感できる部分があった...
瀬尾さんの作品はどれもほっこりして、今回の作品も感動できる作品だった。 バイト先の店長も物言いは乱暴だけど、かわいらしいところもあったり。 わたしも主人公と同様、これといって自慢できることが何もなく、平凡であることが悩みだと思っていた時があったので主人公に共感できる部分があった。
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瀬尾まいこさん、好きなんで この本も買ってから読みたいけど すぐ読むのもったいないなーって 思って待ったくらい、 すごく楽しみにしていたんですけど、 期待値が高すぎたのかな… 出てくる人がみんないい人 過ぎて(店長でさえ)、話の流れでも 誰にも感情移入することもなく、 読み終わっ...
瀬尾まいこさん、好きなんで この本も買ってから読みたいけど すぐ読むのもったいないなーって 思って待ったくらい、 すごく楽しみにしていたんですけど、 期待値が高すぎたのかな… 出てくる人がみんないい人 過ぎて(店長でさえ)、話の流れでも 誰にも感情移入することもなく、 読み終わっちゃいました。 途中から秋音の正体はもしかしたらと 思い始めて、やっぱりその通りで… あの設定も個人的にはあまり よくなかったです。すいません。
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最初からガッツリ掴まれて引き込まれた。 あっという間に読んでしまった。 でも、「声」のあたりからは微妙な空気になったかな。 大竹さんは大人として、人としてどうかと思う。でもだんだんかわいくなってホッとした。 ファンタジーかと思いきや、あ、やっぱりそうなんだっていう。とにかくいっき...
最初からガッツリ掴まれて引き込まれた。 あっという間に読んでしまった。 でも、「声」のあたりからは微妙な空気になったかな。 大竹さんは大人として、人としてどうかと思う。でもだんだんかわいくなってホッとした。 ファンタジーかと思いきや、あ、やっぱりそうなんだっていう。とにかくいっきに読んだな。
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