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掬えば手には の商品レビュー

3.9

420件のお客様レビュー

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2022/07/13

「人の心を読む」「人の気持ちを察する」ことが、本書のテーマのようです。  何気ない大学生活の日常、バイト先での人との関わりのお話で、随分軽い印象でサラリと読み進められるのですが、実は問いを突きつけられている気がします。  人の心を読む能力が欲しいかと問われたら、どう答えるでしょ...

「人の心を読む」「人の気持ちを察する」ことが、本書のテーマのようです。  何気ない大学生活の日常、バイト先での人との関わりのお話で、随分軽い印象でサラリと読み進められるのですが、実は問いを突きつけられている気がします。  人の心を読む能力が欲しいかと問われたら、どう答えるでしょうか? 状況にもよりますが、相手の真意が不明で、現況をどうにか改善したいとなれば、この能力はかなりの威力を発揮するでしょう。しかし、この能力が人間関係を返ってギクシャクさせることもある気がします。  人の心は複雑で、自分でも持て余すこともあるのに、全てお見通しなどということになったら、嫌ですね。「知らぬが仏」「嘘も方便」もありですから…。  ただ、相手の気持ちを察することに長けた人が集団の中に一人いると、その集団は上手く回ると思います。良い出汁みたいに自らは主張せず、周囲の持ち味を引き立たせるような…。  人や物事を、憶測や噂など他からの情報だけで判断するのはやはり危険で、自分の物差しを持って、一歩踏み込んでみないと、気付けないことも多いのではないでしょうか?    ありふれた日常の中にある温かな物語でした。バイト先店長目線に変わる『アフターデイ』も楽しく読みました。  表紙タイトル『掬えば手には』の下に、小さく英語で if you reach for it,you can scoop it up. とあり、直訳だと「あなたがそれを掴もうと手を伸ばしたら、掬うことができる」くらいでしょうか。本書タイトルは、この英文の著者による意訳とも考えましたが、深読みし過ぎでしょうか?   手を伸ばして!→ 掬えるよ!→ 掬ったらきっと手には〜があるよ というメッセージと勝手に受けとめました。「〜」は読んでのお楽しみです。  瀬尾まいこさん特有の、慈愛溢れほっこりする物語でした。

Posted byブクログ

2022/07/13
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心温まるストーリー。 主人公には人の気持ちを読む能力がある…と思ってたが実はなく、単に平均的な大学生だった。 嫌味なバイト先店長の元にやってきた女子短大生は、陰鬱で壁があった。その女子短大生から声が聞こえて心で会話できた。 堕胎した子供だったが、そのことを告げて心が若干開きかけて終わった。 まぁそんな話。泣きはしなかった。

Posted byブクログ

2022/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公がどう変わっていくのかが気になって一気読みした。 掬えば手には。 幾度となく掬ってきた。 掬えど掬えど自分には何も残らない。 だけど人との出会いを繰り返して 掬えば手には、希望が包まれていた。 普通って何だろう。 世の中の普通。 でも普通な人など一人もいない。 この世の中に自分はたった一人しかいなくて 自分の代わりになる人はいない。 すごいと思われる力や、能力がなくとも その人はすでに普通ではなく、いつだって特別な存在なのだ。 主人公匠は、人との出会いを繰り返していくたび そのことに気がついたのではないだろうか。 普通、平凡と思っていた自分は 実は誰かにとっては特別な存在だった。 そう思えたことで掬えば手には 生きていく温かい光が宿ったのだろう。

Posted byブクログ

2022/07/12

登場人物がみんな温かくて優しい。人の心が読める能力は、人の心が読めた後に人の心に寄り添えるからこそ活かされる。みんな優しさでつながってる。こんな素敵な空間に私も身を置きたい。いや、自分がそんな温かい場所を作れるように働きかけたい。

Posted byブクログ

2022/07/11

大好きな瀬尾まい子さんの新刊。 発売日を楽しみにしていた。 少し不思議な要素もあるけれど全体的に優しい物語。 初回限定「アフターデイ」まででひとつの物語だと感じた。 救えば、掬えば。 素敵なタイトル。

Posted byブクログ

2022/07/09

強いメッセージ性が込められている作品というよりも、読んでて心の内側がほのかに温まるような、ピュアな作品でした。 この作品では、登場人物が悩みを吐露するシーンが多く描かれているのですが、その悩みを聞くどの登場人物も悩みに寄り添おうとしているところが素敵だなと感じました。 話も込み入...

強いメッセージ性が込められている作品というよりも、読んでて心の内側がほのかに温まるような、ピュアな作品でした。 この作品では、登場人物が悩みを吐露するシーンが多く描かれているのですが、その悩みを聞くどの登場人物も悩みに寄り添おうとしているところが素敵だなと感じました。 話も込み入ってる訳ではないので、手軽にホッと一息つきたい時におすすめの一冊です。

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2022/07/08

買った日に読み終わってしまいました。 なんだか心が温かくなる瀬尾まいこさんのお話が大好きだなって改めて思いました。

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2022/07/07

Amazonの紹介より 大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない...

Amazonの紹介より 大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。 瀬尾さんの作品は、どの作品も優しく、気持ちを温かくさせてくれるので、いつも癒されています。 今回の作品も、優しいだけでなく、ほっこりとした気持ちにもなりました。 最初の段階では、嫌な態度をとる店長、どこか影のある常盤さん、そして空気が読める梨木の3人の関係が、水と油のようで、この先大丈夫かな?と思ったのですが、噛めば噛むほど味が出るかのように段々と打ち解けていく描写は読んでいて、ほっこりとした気持ちになりました。 なぜ店長は、バイトには厳しい態度をとるのか? なぜ常盤さんは、心を開いてくれないのか? 後半になって、その詳細が書かれているのですが、どの理由も切ないなと思ってしまいました。 特に店長は、最初は嫌な存在だと思っていたのですが、段々と事情がわかっていくうちに愛らしくも感じてきました。 常盤さんの方は、段々と冷→温へと心情が変化していく描写は読んでいるこちらまでもほっこりしました。 2人の存在もそうですが、何といっても主人公がとっても良いヤツすぎます。 人の心が読めるという特殊な能力があると紹介されていますが、要は「空気が読める」男です。 困難な状況でも、相手を察知して、穏便に済ませようと梨木が活躍するのですが、単純に凄すぎです。その能力欲しいくらい、羨ましいと思いました。 後半では、ファンタジーな部分も加わるのですが、うまい具合に作品に溶け込んでいて、グッとくるものがありました。 常盤さんには幸せになっていただきたいです。 そんなこんなで3人の関係が段々と打ち解けていく描写が際立っていて、心を優しくさせてくれました。 ちなみに初回限定では、小説のその後のストーリーを店長視点で語られています。序盤では想像できなかったお茶目な部分を垣間見ることができ、必見です。

Posted byブクログ

2022/07/06
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「特別」であることの呪い。 ナンバーワンよりオンリーワン、というのは、競争に疲れた世界からの一つの救いではあったのだろう、確かに。 けれど、その「オンリー」さはある意味「特別」であることここが至上だという価値観を私たちに植え付けても来た。ナンバーワンにもオンリーワンにもなれない自分はどう生きればいいのか。 他人の心が読める特殊能力を持っている大学生匠。彼の心のささえはその特別な力。 他人の心が読めるがゆえに、その求めるところを先回りして叶えてあげる。その特別さを自分の芯として生きている匠の気持ち、わかる。自分にしかできないこと、自分の力で回してあげている他人の思惑。その満足感。 けど、その匠には本当は見えていなかった大切なこと。 匠の同級生たちや、バイト先の店長やバイト仲間の常盤さんとのあれこれが本当に本当に心地いい。 これぞ瀬尾まいこ!という感じ。 瀬尾まいこの小説は優しさでできている。でもその優しさの中には悲しみのタネもちゃんとある。 誰かと誰かの心の距離。体温が伝わるちょうどいい距離を瀬尾まいこ小説は教えてくれる。

Posted byブクログ

2022/06/10
  • ネタバレ

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感動した。感動した。感動の嵐が襲って来ました。梨木くん常盤さん河野さん皆んな大好き!大竹さんいい味出してる。大竹さんの作るオムライス食べたい。心を閉ざしてしまった人に掬いの手を差し伸べる梨木くんが素晴らしい。感動の一文を見つけました。「河野さんのTシャツ見たらどこへでも行けそうな気がする」中学三年生のぼくは河野さんを教室までしか進ませられなかった。でも今の河野さんは、ぼくをもっと遠くまで歩かせてくれる。 何度も繰り返し読んでもらいたい素晴らしい作品あなたも読んで感動して下さい。涙して下さい。震えて下さい。

Posted byブクログ