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営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー

4.1

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/05/20

第1作目からパワーアップしていて読んでいる最中なのに続きが読みたくて堪らない。一話終わっても休む間もなく次を読みたくなる…でも読み終えてしまうのももったいない。ずっと読んでいたい。 端正で丁寧な文体はそのままに、より深く、より豊かな世界を見せてくれる小野不由美さんすごい… 怖...

第1作目からパワーアップしていて読んでいる最中なのに続きが読みたくて堪らない。一話終わっても休む間もなく次を読みたくなる…でも読み終えてしまうのももったいない。ずっと読んでいたい。 端正で丁寧な文体はそのままに、より深く、より豊かな世界を見せてくれる小野不由美さんすごい… 怖いのとは少し違う。 “人の手を経てきた”家や物の積み重なった歴史なのか情なのか哀しさなのか。 さすが宮部みゆきさんがおすすめする作品だなぁ。 そしてこの文体はすごい。情景が浮かぶ。いつも想像ができなくて読み飛ばしたりなんとなくで読み進めていたけれど、こんなわかりやすく描けるなんて。 小野不由美さん、ほかを読んだことがなく、すごくもったいないことをしてるのでは…? 読まなくては。

Posted byブクログ

2024/05/20

隣家の女を盗み見してる間に魅せられ「芙蓉忌」 行きはよいよい、帰りはこわい「関守」 亡くなった猫が夜な夜な現れる「まつとし聞かば」 古家を弄るのが大好き女子の間違い「魂やどりて」 腐った水の臭いがし、鏡に子供の足が映り、次第近づいて来る「水の声」 屋根裏部屋に潜り込むとアレがいた...

隣家の女を盗み見してる間に魅せられ「芙蓉忌」 行きはよいよい、帰りはこわい「関守」 亡くなった猫が夜な夜な現れる「まつとし聞かば」 古家を弄るのが大好き女子の間違い「魂やどりて」 腐った水の臭いがし、鏡に子供の足が映り、次第近づいて来る「水の声」 屋根裏部屋に潜り込むとアレがいた「まさくに」 今回も六遍の怪異譚。営繕屋の尾端さんが出てくれば何とかなるんだけど‥‥。段々と家屋内の話ばかりではなくなっているから、厄介。どう営繕するのが最適解なのか、読者たるわたしにはわからない。 文庫本公式HPによれば、舞台はどうやら福沢諭吉旧宅があり、著者の故郷でもある大分県中津市中津藩城下町辺りである。HPは場所まで特定していて、湧く湧くと行ってみたくなる。 遠くに見える隣家の窓の隙間に妖しい何かを覗くことぐらいは、誰しも覚えあるのではないか。 薄暮時の小径は異世界への扉であるという。宜なる哉。 小動物は時々怖い。わたしの家の屋根裏で鼠にしてはあまりにも重い音がした事もあるし、押入の奥では訝し気な音が屡々する。 素人のリフォームは顔を蹙め眉を顰めるものもあるだろう。 彼等は祟ろうというよりか、言伝の為に出て来ることの方が多いのかもしれない。 狼狽え気圧され蟀谷痛み顔が強張り口噤み痼りが残り、二進も三進もいかず尾端を呼んで板を捲り検めれば、可怪しなものたちは宥められ怪異は納り、人は生き存える。 今回も楽しかった。

Posted byブクログ

2024/05/07

1冊目読み終わって 2冊目も完読 短編集だから ちょっとずつ読めていい ちゃんと ゾワっと怖い 面白いのが 霊媒師とか除霊とかって 話しじゃなくて 営繕屋が解決する所 空間把握能力が 極めて低い私は 間取りを想像するのが下手くそで 時間がかかるけど なんとか 3冊目も...

1冊目読み終わって 2冊目も完読 短編集だから ちょっとずつ読めていい ちゃんと ゾワっと怖い 面白いのが 霊媒師とか除霊とかって 話しじゃなくて 営繕屋が解決する所 空間把握能力が 極めて低い私は 間取りを想像するのが下手くそで 時間がかかるけど なんとか 3冊目も読み終えたい

Posted byブクログ

2024/04/28

かなり以前に読んだんだけど、この間「参」を読んだので、「弐」を読み返してみた。  感情を荒立てるでもなく、特別なお祓いをするでもなく、ただ淡々と建具や設えを直すことで困りごとも解決していく尾端。帯にコミカライズされた尾端さんの絵がついていたけど、イメージはカバー絵の方が近いかな。...

かなり以前に読んだんだけど、この間「参」を読んだので、「弐」を読み返してみた。  感情を荒立てるでもなく、特別なお祓いをするでもなく、ただ淡々と建具や設えを直すことで困りごとも解決していく尾端。帯にコミカライズされた尾端さんの絵がついていたけど、イメージはカバー絵の方が近いかな。  話の中でも、怪異を消すのでなく、怪異と折り合いをつけていく話が好きです。1巻目の1話目や、今回の「待つとしきかば」のように。 「芙蓉忌」両親と弟が死んで、無人になった実家に主人公は帰ってくる。その古い家の二階の部屋の壁の隙間から見える女に魅入られてしまう話。なかなかに怖い幽霊話。 「関守」通りゃんせの童謡に合わせた、子供の頃の怖い体験。役小角(えんのおづぬ)初めて聞きました。終わり方がよかった。 「待つとしきかば」死んでしまった猫のことを息子に言えないでいると、息子のもとに死んだ猫とは思えない何かがやって来る。途中ほんとに怖いんだけど、これも終わり方がね、素敵なの。 「魂やどりて」古い家を気に入るように作り変える中で、知らず知らず思いのこもった物をぞんざいにあつかってしまい、怪異に取り憑かれる。津軽こぎんも初めて聞いた。ただ、綺麗なだけじゃなくて、歴史的な厚みがあるのね。 「水の声」子どもの頃の同級生の溺死に責任を感じている彼氏が、たびたびその子の幽霊を見る。この幽霊描写が怖いんです。そして、その話を聞いた尾端さんが出してきた答えが、あ、そうきたかと。 「まさくに」古い田舎の屋敷の怖い話。天井裏に出てくる幽霊がかなり恐ろしい。その上だんだん恐ろしさが増してくる。小学生の樹に合わせて、一緒にドキドキビクビクしました。この話に出てくるおばあちゃんがなかなかに素適。こんな人になりたいな。

Posted byブクログ

2024/02/18

引き続き読んでいる営繕かるかやシリーズ 怖いけどちゃんと怪異の理由が明らかになる小野不由美ホラーはミステリーの読み口に近い 営繕かるやかがシリーズであることが嬉しい また営繕屋尾端の活躍が見られる。活躍といえるほど華麗なものではないけれど どの話も起きている事象としての怪異はしっ...

引き続き読んでいる営繕かるかやシリーズ 怖いけどちゃんと怪異の理由が明らかになる小野不由美ホラーはミステリーの読み口に近い 営繕かるやかがシリーズであることが嬉しい また営繕屋尾端の活躍が見られる。活躍といえるほど華麗なものではないけれど どの話も起きている事象としての怪異はしっかりと怖い、そして読み終えるとほっとして少しだけ昇る希望がこちらの心を照らしてくれる ホラーなのに読んでよかったと思えるのは、確実にすごい。名作だ 人間はどうあっても家という箱のなかで日々を積み重ねていくしかないし、その積み重ねを愛おしく思える

Posted byブクログ

2024/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関守の話は珍しく結果怖くなくて優しいお話だった。 まつとし聞かばは折角少しは明るい話題になるのかと思ったなんの罪もない子猫がころされたことや 飼主が入院して動物たちがたくさん死んでしまった話がとても辛かった。 父親が小春の死を隠していたことを、息子に謝ってくれて良かった。辛いけれどお別れが言えない方がもっと辛い。 魂やどりての育、のっけから抽斗を踏み台に使おうとするのに驚いた。 DIYができるなら踏み台だって作れば良いのに。 箪笥の抽斗を使うのも、それ以外の部分はいらないと言うのも酷いと思う。 布を壁に貼るのは良いが、着物を切ってマットにしたり箸置きを埋めたり、本来それに使う為に生まれた道具を 違う使い方をするのも、カミシモの区別がついておらず 着物や箸置き、抽斗を下に敷くのもぞわぞわする。 最初から綺麗な建物と、業者に頼んで自分好みに綺麗にしてもらう建物は全然意味も違う。 真穂さんはとても優しい。病気の人を見舞って、 家に招いてくれるなんて。 病死でも事故物件ではあるが、確かに死んだ場所が家でないなら事故物件ではなく告知義務も無い。 光子にも山崎にも、尋ねるのではなく端から喧嘩越しで、それは「あんた自身のせいだ」と言いたくなる気持ちも分かってしまう。 物への愛情が全然無い人だなと思う。 こぎん刺しだと気が付かなくても、着物を着なくても 額装するとかタペストリーにするとかならまだ分かる。 真穂が光子から和裁を習っているというのがちゃんと伏線になっていて素晴らしい。 育のことを良く思っていなかったのに、光子さんもとても優しい。 真穂と光子がしていることが手入れであり、育がしているのはそれとは違うことであるというのがしっくりきた。 水の声はミスリードが面白かった。 幻覚の距離が縮まったのは物理的な距離が縮まったから、というのはぞっとした。 お話としては悲しいものなのだが、最後の会話にあった通り助けられた訳ではないが見つけられて良かった。 まさくには、こうしたお化けの類の話では度々思うが できたら怖い姿で出てこないで欲しい。 せめて血が流れていなければと思うのだが 不遇な亡くなられ方をしたように思うのに 親切な方なのはありがたく、ご先祖様がそんな人だというのは 確かに樹くんも嬉しく思えるだろう。

Posted byブクログ

2024/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

子供の死体を見ても動じない尾端さんは流石だ…。まさくにさんの話が好きだけど、小学生に教えるには姿がグロすぎるのではないか?とも思う。 ホロっと来たのは「まつとしきかば」。猫返しのおまじない、航くんが知っていたらやっただろうなと思う。

Posted byブクログ

2024/01/22

'24年1月22日、Amazon audibleで、聴き終えました。「かるかや」シリーズ、二作目。 基本的には、一作目と同じ、「ホッコリ」ホラーで、僕的にはとても好き。「まさくに」が、一番好きです。「魂やどりて」も、凄く良かった!幽霊(?)にも、色々種類があるんだなぁ...

'24年1月22日、Amazon audibleで、聴き終えました。「かるかや」シリーズ、二作目。 基本的には、一作目と同じ、「ホッコリ」ホラーで、僕的にはとても好き。「まさくに」が、一番好きです。「魂やどりて」も、凄く良かった!幽霊(?)にも、色々種類があるんだなぁ、と…ちょっとジーンときました。 三作目まであるらしく…是非読みたいです!

Posted byブクログ

2023/12/29

「1巻より2巻のが怖い」とブクログの皆さんのレビューで読んだので、怖がりな私はかなり覚悟して、人がたくさんいる場所、明るい時間に読んだ。 尾端さんが出てきて、必ず解決するとわかっていても、こんな場面に出くわすのは怖すぎて無理だなぁ・・・。 これが物語でよかったと心底思うし、「これ...

「1巻より2巻のが怖い」とブクログの皆さんのレビューで読んだので、怖がりな私はかなり覚悟して、人がたくさんいる場所、明るい時間に読んだ。 尾端さんが出てきて、必ず解決するとわかっていても、こんな場面に出くわすのは怖すぎて無理だなぁ・・・。 これが物語でよかったと心底思うし、「これは物語だ」と自分に言い聞かせないと怖くて読めません。 でもちゃんと最後に「落ち着く」のが、本当にほっとして、怖がりな私でも中断せずに、不思議と読み進めたくなる物語。

Posted byブクログ

2023/12/10

「営繕かるかや怪異譚」シリーズ第二弾。 1話目からゾゾっと。 1作目より怖かったな〜。 前作は家そのものに関わる怪異だったけど、今作では人にも関係する怪異だった。 今回も祓うのではなく、折り合いをつけるお話。 ただ尾端さんの出番が短かくて残念。 特に印象に残ったのは、「芙蓉...

「営繕かるかや怪異譚」シリーズ第二弾。 1話目からゾゾっと。 1作目より怖かったな〜。 前作は家そのものに関わる怪異だったけど、今作では人にも関係する怪異だった。 今回も祓うのではなく、折り合いをつけるお話。 ただ尾端さんの出番が短かくて残念。 特に印象に残ったのは、「芙蓉記」「まつとし聞かば」。 芙蓉記は1番怖かった。 まつとし聞かばは最後あたたかい気持ちになった。 他の話も前作よりインパクトあって、より好きでした! その参も早く読も〜!

Posted byブクログ