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営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー

4.1

74件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

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2022/07/07

あー怖かった! でもすっきりした。 良いお話が多くて、面白かった。 どうぐ屋さんに出禁された育の話では、どちらかというと訴えに現れた人のほうに同情してしまった。 知らないことは言い訳にならない。ものの思い、ものに込めた人の思いを忘れないようにしたい。 最後の2編はまあ怖い怖い!...

あー怖かった! でもすっきりした。 良いお話が多くて、面白かった。 どうぐ屋さんに出禁された育の話では、どちらかというと訴えに現れた人のほうに同情してしまった。 知らないことは言い訳にならない。ものの思い、ものに込めた人の思いを忘れないようにしたい。 最後の2編はまあ怖い怖い! 洗面所の鏡とか、押入れからの天井裏など、身近に感じる異界の入り口。何かあるかなー、なかったら良いなー、と誰もが思うような場所で、やっぱり居たー!やっぱり見えたー! そこで読みやめたら怖いままなので、急いで最後までページをめくってしまった。 営繕かるかやシリーズは、日常にあるちょっと不思議で怖い話。この怖さがちょうど良くて好き。

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2022/07/05

シリーズ第2弾。 怪異を祓うわけではなく、思いや背景を汲み取り、建物に少し手を加えることで怪異との折り合いをつける、共生という解決方法。 そこがこのシリーズのすきなところです。 ホラーですが、温もりと切なさを感じられる作品。 が、怖い場面はしっかり怖い。 前作よりも怖さが増してい...

シリーズ第2弾。 怪異を祓うわけではなく、思いや背景を汲み取り、建物に少し手を加えることで怪異との折り合いをつける、共生という解決方法。 そこがこのシリーズのすきなところです。 ホラーですが、温もりと切なさを感じられる作品。 が、怖い場面はしっかり怖い。 前作よりも怖さが増している気がしました。 夜寝る前に読んだのを後悔しました… その分、尾端さんが登場した時の「もう大丈夫だ」という安心感がすごい。 続編が出ることを期待したいです。

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2022/07/02

前作よりも怖かったなと感じました。小野不由美先生のホラーは静かで地味なのですが底からジワッとくる様がクセになります。コミカライズされるのですって?

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2022/06/30

怖かった〜ものすごく怖いんだけど、営繕屋の尾端さんが登場するとホッとする。 今回は登場するのが遅くて、もっと早く助けてくれればいいのにとヒヤヒヤしながら読み進めた。 怖いけれど、面白かった。 小野不由美の本は、十二国記が大好きだけど、このシリーズは二番目に好き。

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2022/06/28

全6話の短編で構成された小野不由美さんの怪談話第2幕。 「芙蓉忌」:人間の欲求とは例え自身の身に危険が迫っても抗うのは難しい。欲望VS理性、理性の負け。 「関守」:子供時代の恐怖体験を解明しようとする度胸と恐怖の原因に守られていたのが衝撃的。 「まつとし聞かば」:死を受け入れる。...

全6話の短編で構成された小野不由美さんの怪談話第2幕。 「芙蓉忌」:人間の欲求とは例え自身の身に危険が迫っても抗うのは難しい。欲望VS理性、理性の負け。 「関守」:子供時代の恐怖体験を解明しようとする度胸と恐怖の原因に守られていたのが衝撃的。 「まつとし聞かば」:死を受け入れる。生きる者も逝く者もそれが成立しないと動けなけなくなる。 「魂やどりて」:付喪神、大事にしてれば神様に、そうでなければ物の怪にを地で行ってる。 「水の声」:伝え方は大事。伝え方次第では相手を誤解させてしまい、目的達成が難しくなる。 「まさくに」:伝え方は大事パート2。伝え方次第で相手はトラウマ案件になってしまう。 緊張と弛緩、その緩急がとてつもなく上手く書かれている。どの話もそろりそろりと背後に不吉な予感が漂い、じわりじわりと恐怖に読者を引き込んでいく。どうなるのかとビクビクしていると、ほわんと笑顔で尾端が顔を出す。安心・安全、信頼と実積の尾端の安定感が半端ない。

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2022/06/27

芙蓉忌/関守/まつとし聞かば/ 魂やどりて/水の声/まさくに 壁の向こうに、背戸に立つのは、小春の想いは、 創りてが込めたものは、伝えたかったことは、 住む者への伝言か きちんと受け取れる人がいるのはよかった

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2022/06/24

夏はやっぱり怖い話! 最後の終わり方がどの短編も余韻を残して終わります。その後が気になるけどちょうどいい塩梅。 怖い話苦手な私でも読めたよ。 営繕屋さんがいるからね。安心、安心。

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2022/06/23

6編の短編からなる,営繕かるかや怪異譚 の2巻目. 小野主上は「十二国記」なんていう異世界ファンタジーの金字塔を打ち立てているのでファンタジー作家という印象があるのだけれども,やっぱり怪異系の作者なんだなー(十二国記も妖魔なんかが出てくる怪異系の話ではあるし,「魔性の子」とか「図...

6編の短編からなる,営繕かるかや怪異譚 の2巻目. 小野主上は「十二国記」なんていう異世界ファンタジーの金字塔を打ち立てているのでファンタジー作家という印象があるのだけれども,やっぱり怪異系の作者なんだなー(十二国記も妖魔なんかが出てくる怪異系の話ではあるし,「魔性の子」とか「図南の翼」のおおーいなんかは怪異ホラー). 「芙蓉忌」部屋にある隙間からだけ覗けてしまう隣家の女の話.手紙は怖いな. 「関守」「通りゃんせ」についての佐代さんの解釈がユニーク.登場する男性陣と佐代さんの関係がナゾで,本当はよく似た別の世界なんじゃ・・・. 「まつとし聞かば」あまり待ち続け過ぎると良くないものを招いてしまうのか.しかしまあ,俊弘父さん,情けなさ過ぎ.行動がちっとも航君のためになっていない. 「魂やどりて」使い回すにしても程度があるよねという,付喪神に類するお話. 「水の声」ふっとしたおりに嗅いでしまう腐った水の臭いと,近づいてくる死人の影.弘也くん,よく正気を保っていたもんだ(私なら絶対ムリ). 「まさくに」いいなー,屋根裏の秘密基地.けど,そこに何か居るとなると・・・.正邦さん,相手は子供なんだから,もう少し分かりやすくしないと.

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2022/06/19

小野不由美らしい、情感溢れるホラー作品。 ホラーなんだけど単純に怖いのではなく、ミステリの要素も古典の雰囲気も備えていて何とも美しいマーブル模様を描いている。 読後の胸をざわつかせるざらりとした不穏な余韻と、怪異と折り合いを付けられたことに対する安堵の匙加減が流石。 怪異の部分...

小野不由美らしい、情感溢れるホラー作品。 ホラーなんだけど単純に怖いのではなく、ミステリの要素も古典の雰囲気も備えていて何とも美しいマーブル模様を描いている。 読後の胸をざわつかせるざらりとした不穏な余韻と、怪異と折り合いを付けられたことに対する安堵の匙加減が流石。 怪異の部分を読んでいる時は本当に背筋がぞわぞわするし、夜に読んでいたので窓の方を見るのも怖くて、良い歳して…と自分に苦笑いしてしまった。 そういう怖さの非日常の部分が、尾端が登場して怪異を紐解いてくれた途端に反転する。 あんなに何を怖がっていたんだろう、と思えるほどに呆気なく「正体見たり枯れ尾花」な気分になる。 怖さの残り香のような余韻がクセになる。 きっと他の小野不由美作品と同じように何度も読み返すし、一生手元に残す一冊になると思う。

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2022/06/18

 前作に引き続き、ゾッとしつつも安心感のある短篇が揃っていた。  特に後ろニ篇の怪異の描写がずば抜けて怖かった。 その描写は「芙蓉忌」、「関守」の怪異が霞むほどだ。  明らかに生者に悪意がある怪異を営繕屋の尾端はどう対処するのか。 流石に今回はどうにもできないのではないのか、早く...

 前作に引き続き、ゾッとしつつも安心感のある短篇が揃っていた。  特に後ろニ篇の怪異の描写がずば抜けて怖かった。 その描写は「芙蓉忌」、「関守」の怪異が霞むほどだ。  明らかに生者に悪意がある怪異を営繕屋の尾端はどう対処するのか。 流石に今回はどうにもできないのではないのか、早く登場してくれ、とハラハラした。 しかし、尾端が出てくると途端に安心感が広がる。 恐ろしい怪談が温かい物語に変わる。  その見事な解決の切り口がやみつきになる。

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