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営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー

4.1

74件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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2022/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いや~、怖かった。ビジュアル的に、夜、一人で思い出しては「怖っっ」となりそうなお話もあって、「おぉ怖、おぉ怖」と思いながら読んだのだけれど、不思議と嫌な気がしないというか、読んで良かったな、楽しめたな、という読了感を味わえたのは、やはり小野不由美さんの作品だからか。 収録作品は前作と同じく6つ。 うまく表現できないけれど、なんとなく前作とは違う気がした。 前作は、起承転結が割とはっきりした6作品が収められていたけれど、今回は様々な毛色の怪異譚だったような・・・ とくに「芙蓉忌」は他と全く違うと私は思った。怪異に魅せられてしまって、自ら近づこうとして・・・ネタバレになるけれど、ラストも、ずっと手紙が届き続けるなんて、もう一生囚われの身やないかい!と。 「関守」もまた一味違った。幼い頃の怖い記憶が、実は守られていたんだ、という気づきに変わる。古い町にはありそうな話で、この話の「怪異」自体には、「ほほぅ」と思いながら読めたのだけれど、なんとなく登場人物にしっくりこなかった・・・何か私が読み落としている・・・?そんな気がしてしょうがない。 「まつとし聞かば」は、ちょっと自分の中で咀嚼して理解できるほどに至らなくて、少し「?」という感想が残ってしまった。 後半3つは、怪異が何かを伝えようとしている、それを営繕かるかやの尾端が見抜くという共通の展開があり、それまで怖い怖いと思いながら読んでいたところに、尾端が登場して、一気に「は~、これで解決する」とこちらの緊張感が解ける感覚を味わった。尾端さん、頼りになりすぎます。 ところで、これら短編、全て同じ町を舞台にしているのだろうか。そして、作者の出身である大分県中津市がこの町のモデルって本当だろうか。中津市、もし、観光に行ったらずっとビクビクしそうな、私・・・。 この「営繕かるかや」シリーズ。怖がりの私でもそんなに嫌いじゃなかった・・・!

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2022/09/25

今年の夏、本作の著者である小野不由美さんの「屍鬼」を読破、大きく自分の中で何かが変わる、今までミステリー、歴史など自分の好みが確立していたと思っていたが(ホラー)というカテゴリー、自分が感じてた以上にハマった、恐怖の先にあるもの?様々な書籍を読んでみたくなった。 営繕かるかや怪...

今年の夏、本作の著者である小野不由美さんの「屍鬼」を読破、大きく自分の中で何かが変わる、今までミステリー、歴史など自分の好みが確立していたと思っていたが(ホラー)というカテゴリー、自分が感じてた以上にハマった、恐怖の先にあるもの?様々な書籍を読んでみたくなった。 営繕かるかや怪異譚、前作も大変楽しませてもらった「ビフォーアフター」の視点。著書「その弐」は更にその上をいく内容、前作に比べて恐怖は上がっているが、何処となく懐かしさ儚さ寂しさ、哀愁漂うストーリーそしてそれぞれ読後のホッコリ感は絶妙、早く「その参」も読んでみたい!また著者の作品も読み深めてみたいと思う作品であった。

Posted byブクログ

2022/09/22

家や土地にまつわる怪異に、営繕屋尾端が問題を見つけ折り合いをつけてくれるシリーズ二巻 じわじわ怖いけれど、現実の怪異もこんな感じで共存していくしかないんだよね、と改めて思うし、解決の仕方も面白い 怪異を祓ったり、説得したり、不思議な力で無くしたりしない 彼はただ、営繕するだけ...

家や土地にまつわる怪異に、営繕屋尾端が問題を見つけ折り合いをつけてくれるシリーズ二巻 じわじわ怖いけれど、現実の怪異もこんな感じで共存していくしかないんだよね、と改めて思うし、解決の仕方も面白い 怪異を祓ったり、説得したり、不思議な力で無くしたりしない 彼はただ、営繕するだけ その解決方法の真摯で鮮やかな様が、心を安らかにしてくれます

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2022/09/11

怖かったよぉ〜、ちびりそうなぐらい ヒリヒリと、息が詰まりるような切迫感 ここまで迫り来られるとは思わんかったです ほんと、はやくぅおばなやんでて来いって 何度思ったことか!! でも、出てくるとスーッと光が差すような あの心地よさに包まれて物語は完結 あっけないほどの爽やかさに救...

怖かったよぉ〜、ちびりそうなぐらい ヒリヒリと、息が詰まりるような切迫感 ここまで迫り来られるとは思わんかったです ほんと、はやくぅおばなやんでて来いって 何度思ったことか!! でも、出てくるとスーッと光が差すような あの心地よさに包まれて物語は完結 あっけないほどの爽やかさに救われました。 まさに、読むお化け屋敷 出られて良かったぁーです(≧∇≦)

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2022/09/08

その壱に比べてより深いホラー要素が盛り込まれている気がする。壱では怖いけど家に対する愛着や歴史を読み解くことができたけれど、その弐では怨念やらおぞましい何かが憑いていることが増えてゾワゾワした。怖さの質感まで伝わる文章は流石だなぁ。

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2022/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回も引き続き、工務店の尾端が建物を修繕することにより怪異とともに生活できるようにしていくお話。ただ、尾端には霊能力があるわけではないので祓ったりすることができない。だからこそ、共存、という道を選べるのではあろうけども。 ただ、今回の短編集の最初の「芙蓉忌」は共存していると言えるのだろうか。主人公は女性の姿が見えなくなり死に誘われることはなくなったが、依然として「会いに来てほしい」というメッセージは受け取ってしまう。これでは、彼の気は回復しないのではないか、とも思った。 また、過去の何かによって縛られていた自分自身に気づく話も面白かった

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2022/09/05

話の好みとしてはファーストタッチの壱のほうが好きではあるけど、ホラーということを考えると弐のほうが不気味さが際立ってた。 より生々しい息遣いを感じられる内容でどの短編も文句なし。

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2022/08/28

小さな綻びや過ちが、怪異を呼び起こして苦しめる。。。 ”家”にまつわる怪異を、”修繕”しておさめる。 ので、ド派手なシーンはありませんが、 うーん、と一考させられる感じ。

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2022/08/28

家にまつわる前作の方が好みだけど、その弐の方が怖かった!特に「水の声」、歯医者さんの待ち時間に読んでいたんだけど、怖かった〜夜1人で読んでなくてよかったー。 「芙蓉忌」は美しくて、まさに怪談って感じ。「魂やどりて」を読んだら、リサイクル買うの躊躇っちゃうなぁ

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2022/08/26

個人的には壱よりどの話も怖かった印象。 古い家や、道具にまつわる怪異はどれも恐ろしいけれど、尾端が出てくると、その怪異がほどけたように感じるところが面白い。 単純に怖さ•恨みつらみだけで終わらせるのではなく、怪異にも理由があるのがわかることで、生きている人間にも怪異にもリアル...

個人的には壱よりどの話も怖かった印象。 古い家や、道具にまつわる怪異はどれも恐ろしいけれど、尾端が出てくると、その怪異がほどけたように感じるところが面白い。 単純に怖さ•恨みつらみだけで終わらせるのではなく、怪異にも理由があるのがわかることで、生きている人間にも怪異にもリアルな温度感伴う作品だった。

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