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夜に星を放つ の商品レビュー

3.6

498件のお客様レビュー

  1. 5つ

    75

  2. 4つ

    177

  3. 3つ

    190

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  5. 1つ

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2024/07/31

大きな起伏があるわけではないが、ポツポツと胸に迫るものがあり心が浄化されるようだった。人と人の繋がりや愛情について考えさせられた。

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2024/07/29

図書館の本㊵ 亡くなった双子の妹を思いながら、マッチングアプリでできた恋人と過ごす姉。父の再婚相手とぎくしゃくしながら過ごす小学生、学校ではいじめられているけれど、自宅では母の幽霊と穏やかに過ごす娘、など 少し切なく、ハッピーエンドにはなりきれない、けれど時間は進んでいくし未来...

図書館の本㊵ 亡くなった双子の妹を思いながら、マッチングアプリでできた恋人と過ごす姉。父の再婚相手とぎくしゃくしながら過ごす小学生、学校ではいじめられているけれど、自宅では母の幽霊と穏やかに過ごす娘、など 少し切なく、ハッピーエンドにはなりきれない、けれど時間は進んでいくし未来に希望を持って生きていくしかない、そんな気がする本。 誰かとの思い出や、物思いにふけっているときに星座に関する記憶が付随している。 生きづらい世の中に星座がさりげなく見守ってくれているような気がする。

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2024/07/26

大切な人との別れ。 人との繋がり。 思ったようにいかない人間関係。 重い気持ちや、泣きたくなるような気分にさせられた。 でもどこかで少し希望が見えるのが救い。 もう少し頑張ってみようと。 そんな時は夜空を見上げてみよう。

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2024/07/25

2022年(第167回)、直木賞受賞作 悲しいことや辛いことがあると、夜空を見上げることが多いように思う。星に願いを込めたり、誰かのことを思ったり。そんな人たちと、この短編集で出会えた。 『真夜中のアボカド』 コロナの自粛期間の頃を思い出した。普段ならやらないことをやってみた...

2022年(第167回)、直木賞受賞作 悲しいことや辛いことがあると、夜空を見上げることが多いように思う。星に願いを込めたり、誰かのことを思ったり。そんな人たちと、この短編集で出会えた。 『真夜中のアボカド』 コロナの自粛期間の頃を思い出した。普段ならやらないことをやってみたりした時期だった。弱った気持ちを立て直して欲しい人を励ます気持ちが、痛いほど伝わってきた。私も冬の夜空で双子座のカストルとポルックスを見てみたいと思った。 『銀紙色のアンタレス』 夏休みに泳ぐためにきたばあちゃんの家での出来事。海が大好きな高校生の真がとても純粋だった。星を語り合ったたえさんのことと幼なじみの朝日のことは、夏の夜空を見上げる度に思い出すのだろう。 『真珠星スピカ』 亡くなったお母さんがそばにいると感じられていたから、いじめにあっても頑張っていたのだろう。みちるがとても健気だった。担任の尚ちゃん、保健室の三輪先生という味方もいたし、なによりもお母さんが娘を思う気持ちで守ってくれたことに安堵した。大切な人を亡くして2ヶ月たったくらいの時は、まだまだ気持ちの整理ができない時期。そんなときに父子で物干し台で見た流れ星のことと、ほんの少し泣いたことは、いつか2人で思い出話になるだろう。お母さんのいない生活に少しずつ慣れたとしても、忘れることはないから大丈夫だよ、と言ってあげたくなった。 他、『湿りの海』『ほしの随(まにま)に』

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2024/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

婚活アプリで知り合った人と恋愛が始まりそうな予感と裏切り、亡くなった双子の妹のこと、妹の恋人だった人との前に進むための別れ。 田舎のおばあちゃんの家で過ごした夏。 海で泳いだ日々、幼馴染からの告白、赤ちゃんと帰省していた人の抱いた思い。 交通事故で亡くなったお母さんが幽霊となって、いじめられている娘を守ってくれる日々。 妻は幼い娘を連れてアメリカに渡ってしまい、喪失感の日々の中、隣に引っ越してきた母子に抱いた親近感と別れ。 新しいお母さんと生まれたばかりの弟。 慣れない育児に疲れをにじませる新しいお母さんに相手にされない日々。 出ていったお母さんにもっと会いたい気持ちと、みんなことが大好きな気持ち。 最初の真夜中のアボカドの、悲しみを共有している同士の、新たな門出のための別れとか、切なかった。 でもどれもなんだか随分とドラマチックだなあと思ってしまったのも事実。面白かったが。

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2024/07/16

星にまつわる短編集。 心の揺らぎがどの話も切ない。 「銀紙色のアンタレス」、「真珠星スピカ」、「星の隨に」がお気に入り。

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2024/07/15

人と関わるのはめんどくさい。でもまた人と関わりたい。そんな短編集。『アンタレス』の話は夏が好きになりそうだった。

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2024/07/18

なぜに日本の作家から遠ざかっていたか後悔した。 星がタイトルになってる短編が5つあります。真夜中のアボガド、銀河色のアンタレス、真珠スピカ、湿りの海、星のまにまに。どれもうまくいかない人生をうまく描いていて、どうしようもないけど、生きていこうって言う気になるような話だと思いまし...

なぜに日本の作家から遠ざかっていたか後悔した。 星がタイトルになってる短編が5つあります。真夜中のアボガド、銀河色のアンタレス、真珠スピカ、湿りの海、星のまにまに。どれもうまくいかない人生をうまく描いていて、どうしようもないけど、生きていこうって言う気になるような話だと思いました。星のまにまにに出てきた咲子さんと言うおばあさん。私も会ってみたいなぁ。

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2024/07/06

夜空や星座をモチーフにした連作短編。窪美澄 さんってこういう短編が本当に上手い。 『真夜中のアボカド』の綾は、亡くなった双子の妹の分まで婚活に頑張ろうとするが、うまくいかない。離れて暮らす母親の、誰かの分まで頑張って生きるなんて考えなくていい、という言葉には泣かされる。 『星...

夜空や星座をモチーフにした連作短編。窪美澄 さんってこういう短編が本当に上手い。 『真夜中のアボカド』の綾は、亡くなった双子の妹の分まで婚活に頑張ろうとするが、うまくいかない。離れて暮らす母親の、誰かの分まで頑張って生きるなんて考えなくていい、という言葉には泣かされる。 『星の随に』も印象に残った。想は、両親が離婚して父親とその再婚相手、産まれたばかりの弟と暮らしている。実の母親にもっと会いたい気持ちを抑えて、空気を読み、周りに気を遣いながら生きている。虐待になるんじゃないかとハラハラするような場面もある。コロナによる経済的な困窮、ワンオペ育児など大人の事情や余裕のなさも全部子どもはわかっている。ラストでは彼の素直さ、真っすぐさに涙腺がやられた。 5編とも、離婚とか死別とか虐待とか、背景が現代的で、自分の隣に住んでいてもおかしくない身近な人たちの物語であるが、主人公たちは思い描いたような定型的な幸せを得られず、どうして自分ばかり、と悩んだり落ち込んだりする。 でも、彼らは決して投げやりになったり、周りのせいにしたりせず、自分の人生を引き受けて少しずつでも前に進もうとしている。結末は決して甘くないのだが、その潔さによって、読み終わってすがすがしい気持ちになった。

Posted byブクログ

2024/07/06

ずっと気になっていた直木賞受賞作。コロナ禍を舞台にした作品も一部あって、その時期ならではの葛藤の共感もできた。5作品に共通しているのは、「大切な人を失った主人公がどう生きるか」。ほっこり温かい、けれど切ない穏やかな作品。

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