夜に星を放つ の商品レビュー
星にまつわる短編集。最後の「星の隨に」が一番好きかな。 窪美澄さんらしいどこかぽっかり寂しさを抱えている人たちが、寂しさの埋め方を見つけていくお話。けど今まで読んだ中で一番世知辛さが少なくて読みやすい。
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星座の絡む5篇(1篇は微妙かも)を収録した短篇集。 年齢も性別もばらばらな主人公に共通しているのは“喪失感”だ。必ずしも“死”によって隔てられたわけではなく、会おうと思えば会える関係もある。それでも喪失感は消えない。いや、むしろ強くなる。彼らはその気持ちをどうしたのかが描かれてい...
星座の絡む5篇(1篇は微妙かも)を収録した短篇集。 年齢も性別もばらばらな主人公に共通しているのは“喪失感”だ。必ずしも“死”によって隔てられたわけではなく、会おうと思えば会える関係もある。それでも喪失感は消えない。いや、むしろ強くなる。彼らはその気持ちをどうしたのかが描かれていく。 どれもしみじみとよかったが、「銀紙色のアンタレス」と「湿りの海」が好きだな。 第167回直木賞受賞作。
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5編どれもいい! 短編集。 直木賞候補作。 窪美澄さんの本は「ふがいない」から全部読んでいるが、親子の話が多く、感動してグッとくる。 読みやすくて好き。 星に癒される。 大切な人と離れてしまい心が辛い。 見上げると、星の煌めきがあり、大切な何かを思い出し、祈りたくなる。そんな5編...
5編どれもいい! 短編集。 直木賞候補作。 窪美澄さんの本は「ふがいない」から全部読んでいるが、親子の話が多く、感動してグッとくる。 読みやすくて好き。 星に癒される。 大切な人と離れてしまい心が辛い。 見上げると、星の煌めきがあり、大切な何かを思い出し、祈りたくなる。そんな5編。 ラストの継母はひどいのに、想くんは、なんという天使なのだろうか。泣ける。 ②の主人公は高校生。 ③の主人公は中学生。 ⑤の主人公は小学生。 なので、同じ年頃の生徒も共感できると思う。 学校図書館に置きたいと思った。
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本著者が初読であったため、どういう作風なのか分からない状態で読み進めました。最初は上手く作品に入っていけない感はあったのですが、読み進めるごとに作品に引き込まれていきました。 各短編とも大きく動きのあるような作品ではなかったうえ、決して明るい話ばかりではありませんでしたが、感情...
本著者が初読であったため、どういう作風なのか分からない状態で読み進めました。最初は上手く作品に入っていけない感はあったのですが、読み進めるごとに作品に引き込まれていきました。 各短編とも大きく動きのあるような作品ではなかったうえ、決して明るい話ばかりではありませんでしたが、感情の機微や情景がすごく繊細で読み終えた後にはどこか前向きになれるような気持ちにさせてくれる不思議な魅力がありました。
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星々にたとえた5つの短編集。 短編集なので隙間時間に気軽に読めるかなと手に取ったのですが、、ほとんどの作品で涙こぼしながら読みました。ひとつひとつ丁寧に読みたくなるおはなしたち。 「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随に」 どこかのアン...
星々にたとえた5つの短編集。 短編集なので隙間時間に気軽に読めるかなと手に取ったのですが、、ほとんどの作品で涙こぼしながら読みました。ひとつひとつ丁寧に読みたくなるおはなしたち。 「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随に」 どこかのアンソロジーで読んだことがあったのかな、「銀紙色のアンタレス」これは何回読んでも思春期の甘酸っぱい感じがとても良くて好き。 ですが、個人的に響いたのが婚活に苦しんだ身としては「真夜中のアボカド」これが最初だったから一気に持ってかれたな〜。 死んだお母さんが幽霊といういじめられてる子のお話の「真珠星スピカ」もよかった。 窪さんが描く少年少女がとても好き。
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星をモチーフに取り入れた短編集。 5つのお話全て離婚や死別などで大切な人を失った人たちが描かれていて、そのやるせなさや、離別を受け入れようともがく姿が丁寧に描かれており引き込まれました。 物語中でもコロナ禍の現代という設定のお話もあり、コロナ禍での出会いの難しさや、カフェを経営す...
星をモチーフに取り入れた短編集。 5つのお話全て離婚や死別などで大切な人を失った人たちが描かれていて、そのやるせなさや、離別を受け入れようともがく姿が丁寧に描かれており引き込まれました。 物語中でもコロナ禍の現代という設定のお話もあり、コロナ禍での出会いの難しさや、カフェを経営する父親の焦燥感など、とてもリアリティがあります。 短編集ながらとても読み応えのある、窪美澄さんらしい作品でした。
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この本を読んで、私は恵まれた人間だと思った。 両親ともに健在、兄弟とも気軽に会える距離にいる、婚約者とも仲良く同棲中、老衰で亡くなった身内の人間はいれど、それは自然の成り行きとして受け止められるものだった。 決して、悲しみに暮れて人生お先真っ暗、という別れではなかった。 唯一、友...
この本を読んで、私は恵まれた人間だと思った。 両親ともに健在、兄弟とも気軽に会える距離にいる、婚約者とも仲良く同棲中、老衰で亡くなった身内の人間はいれど、それは自然の成り行きとして受け止められるものだった。 決して、悲しみに暮れて人生お先真っ暗、という別れではなかった。 唯一、友達が極端に少ないのは事実として言える。長く続かない。続けようという意思がない。昔から、友達にしても、バイトや正社員の仕事にしても、何かにずっと長く属していることができない。苦手だ。 でも、そんなことは人生の一部であると割り切れる、自分は前向きに生きていける、と思える作品だった。
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【人の心の揺らぎが輝きを放つ】かけがえのない人間関係を失って傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを真摯に問いかける短編集。
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