夜に星を放つ の商品レビュー
寄り添うように星が瞬く
何かしらの寂しさや憂い、悲しみや苦しさを抱えて生きている主人公たちに寄り添うように星が瞬く5編の短編小説集である。悠久のかなたからほのかに届く星影は、夜の暗闇でこそ人の心に明りを灯し、温くしてくれる。重いテーマの物語もあるが、著者のさりげない筆致が優しい。
fugyogyo
静かな別れの短編集。 幽霊の母親と暮らす女子中学生の話と、両親が離婚した小学生男子の話が印象に残った。 大人はよく、子どもだからわからないわよって言う時があるけど、私はそんなことないと思う。 子どもの中には、それなりに分かっていて、ただはじめての経験にどう対処していいのか分か...
静かな別れの短編集。 幽霊の母親と暮らす女子中学生の話と、両親が離婚した小学生男子の話が印象に残った。 大人はよく、子どもだからわからないわよって言う時があるけど、私はそんなことないと思う。 子どもの中には、それなりに分かっていて、ただはじめての経験にどう対処していいのか分からない、だけだと思う。 そんな事を昔考えたなぁと思い返したストーリーだった。 どんな別れでもやっぱりツラい、切ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「銀紙色のアンタレス」が好きだった。真が海が大好きな様子、私もその場にいるかのような詳細が伝わってくる感覚、蝉の声や波音までもが五感から伝わってきた。 ばあちゃんが作る砂糖入りの麦茶を飲んでみたい。 「真珠星スピカ」は、「ほどなく、お別れです」を読んだ後だからかスッと入ってきた。 そういうことも起きるかもね、というくらいで。 窪美澄さんの小説は料理がとても美味しそうに感じる。今までの付箋は、どれも食に関することだ。
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星座をタイトルにする短編集。寂しい心を持つ主人公の周りで淡々と話は進み、特に何か大きな出来事が起きるわけでもなく。読みやすい話しだったが、私には何も響かなかった、
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星をテーマにした短編集。 どの主人公も切なさや苦しい状況を抱えていて、誰かと近付いたり離れたり、ふとした時に人生がきらっと光る。 果てしない宇宙に瞬く星の一つ一つを愛おしむような物語。
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コロナ禍の自粛期間、不安で不思議な時間の中での 人と人の関わりを描いた作品 いつ終わるともしれない自粛期間は、いまとなっては奇妙でしかないけど、当時は世界はどうなっちゃうんだろうと不安だった 出かけたいのに出かけられない 会いたい人に会えない 楽しみたくても楽しめない コロナ...
コロナ禍の自粛期間、不安で不思議な時間の中での 人と人の関わりを描いた作品 いつ終わるともしれない自粛期間は、いまとなっては奇妙でしかないけど、当時は世界はどうなっちゃうんだろうと不安だった 出かけたいのに出かけられない 会いたい人に会えない 楽しみたくても楽しめない コロナ前コロナ後では、なにかが変わった気がするけど、星は現在も変わらずに同じ場所で輝いている 亡くなった母親の霊が見守ってくれる「真珠星スピカ」がいちばん好き 全体的に文章のテンポがいい
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直木賞受賞作なのに、薄い本です。 五篇の短編集なのかな。読みやすいのですが、短いのに、心にずしっとくる物がありました。 表紙の絵が可愛いからか、図書館に2023年2月ぐらいにリクエストして、1195人待ち…2024年10月にやっと来ました。 ◾️真夜中のアボカド 読んでい...
直木賞受賞作なのに、薄い本です。 五篇の短編集なのかな。読みやすいのですが、短いのに、心にずしっとくる物がありました。 表紙の絵が可愛いからか、図書館に2023年2月ぐらいにリクエストして、1195人待ち…2024年10月にやっと来ました。 ◾️真夜中のアボカド 読んでいて辛くなりました。 双子の妹が数年前に亡くなり、その後、コロナ禍。 妹の分も生きて、結婚して子ども産んで、親孝行しようと…。マッチングアプリで、婚活。 出会って良い感じの人は、仕事が忙しいと連絡出来なくなる。実は、別居中の妻帯者で、子どもが産まれて、元の鞘に収まり、去っていく。 妹の彼氏と、月命日などに会って、食事をしていたが、コロナになり、久しぶりに会う。彼氏に、妹を忘れなよと言いつつ…少し甘えたくもなり…。 マッチングアプリで、付き合ってって、どうなの?騙されないの? と、思ってしまうのは、昭和なおばちゃんなので、しょうがないです。 ちなみに、私も、アボカドは育てています。 ◾️銀紙色のアンタレス 高校生男子の初恋物語かな。 凄く良かったです。 情景描写が、わかる〜と思いました。 ジェットコースターのいちばん高い所で、いままさに落ちようとしているあの瞬間… 股間がすぅ、とする。 ◾️真珠星スピカ 母が亡くなって2か月、父と暮らす女子中学生みちる。でも、母は、幽霊として家に現れていた。 女の子は、中学校に転校して来て、イジメにあっていた。ここは、小学生の頃住んでいたが、その後、父の転勤で、色々転居して、また引越して来た。隣は、当時大学生だった尚ちゃん、今は、担任先生になった。尚ちゃんは、女子から人気があり、それと距離が近いので、イジメられた。今は、保健室登校。 学校では、コックリさんが流行っていた。 みちるは、帰りの会のみ教室に行くようになると、更に、イジメの首謀者からイジメられた。とうとう、屋上に呼びだされ、3人に連れていかれ、コックリさんをする事に。 コックリさんを始めると、お母さんの霊が、反応して、いじめるとゆるさない…と。みちるには見えなかったが、他の3人には、物凄い形相のお母さんが見えたらしく、首謀者の子はお漏らしをして逃げて行った。 それ以来、イジメは亡くなったが、お母さんの幽霊も見えなくなった。 そして、ほんわかハッピーエンドに。 ◾️湿りの海 切ない物語。 妻が恋人を作り、娘と出てアリゾナに行ってしまった。残された沢渡は、淡々と日々を暮らしていた。 後輩に、合コンに誘われ出かけ、1人の女の子と別の店に飲みに行き、酔っ払って誘うが、断られる。 マンションの隣に、シングルマザーが引越して来た。日曜日、公園へ出掛けると、その親子に会い、子どもの相手をする。それから、何度か日曜日に会い、海までドライブへも行く。 このままハッピーエンドかな?と思わせて…。 ◾️星の隨に 両親が離婚し、母が出て行き、父と新しい母と赤ちゃんと暮らす小学生の想。 本当の母の希望で、中学受験をする為に、塾にも通っていた。義理母が、塾にお弁当を持たせてくれる。 本当の母とは3か月に一度会う。 父はカフェを経営し、コロナで経営は難しそうだ。 義理母は、赤ちゃんの育児に疲れていた。ある時から、想が学校から帰っても、ロックバーをしたままドアを開けてくれなくなった。5時になると、開けてくれた。 仕方なく、時間を潰していると、一階に住むお婆さんが、家に入れてくれおやつを食べさせてくれた。おばさんは、戦争の絵を描いていた。 こういうステップファミリーは、増えていくのかなと、切なくなりました。 物語としては、ハッピーエンドですが。
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どれも短くさらっと読めた。 状況は違うがそれぞれ別れや悲しみを抱えた人たちが少しずつ前に進もうとしている。
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5篇の短編集。 「真夜中のアボカド」 亡くなった双子の妹の彼氏との関わりが面白い 「銀紙色のアンタレス」 夏の海が大好きな高校生男子が、海辺で見染めた 哀しげな若い母親に惹かれて幼馴染の可愛い女の 子につれない仕打ちをしてしまう 「真珠星スピカ」 母親を事故で亡くした...
5篇の短編集。 「真夜中のアボカド」 亡くなった双子の妹の彼氏との関わりが面白い 「銀紙色のアンタレス」 夏の海が大好きな高校生男子が、海辺で見染めた 哀しげな若い母親に惹かれて幼馴染の可愛い女の 子につれない仕打ちをしてしまう 「真珠星スピカ」 母親を事故で亡くした女子中学生。守護霊と化し た母親に見守られいじめからも救われる 「湿りの海」 離婚して妻と娘が出て行った部屋の隣りに越して 来た小さな娘連れシングルマザーとの短い出会い 「星の隨に」 親が離婚した4年生男子。父親に引き取られ新し い母親の産んだ弟ら皆と上手くやりたいけど本当 は実の母親ともっと過ごしたい 深い感動、とかは無くとも、いずれも何かが心に残る話。
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夜空を見上げて星を探したくなるような星座をモチーフにした短編集。コロナ禍の先行きが見えない中でのお話やそれぞれが自分の信じてた道を歩いていたら混じり合ったりすれ違ったりする瞬間が描かれてる。家族や他人を思う気持ちの暖かさに涙がこぼれてくる。どこか不器用だったりいわゆる幸せで全てが...
夜空を見上げて星を探したくなるような星座をモチーフにした短編集。コロナ禍の先行きが見えない中でのお話やそれぞれが自分の信じてた道を歩いていたら混じり合ったりすれ違ったりする瞬間が描かれてる。家族や他人を思う気持ちの暖かさに涙がこぼれてくる。どこか不器用だったりいわゆる幸せで全てがうまくいっているという人ではないのが親近感が湧いてくる。 真珠星スピカの少し不思議だけど暖かみがあるお話が特に印象的。
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