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両手にトカレフ の商品レビュー

4.1

222件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    97

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2024/01/07

読んでて苦しい気持ちにもなる。 けどこういう世界だということを思えてよかった。 「リアル」って言葉についてのやりとりが、ぐさっとくる。

Posted byブクログ

2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミアは強い。大人や周りの人間達に対しては諦めていたかもしれないけど、大切な人を守るために必死で、生きることを諦めなかった。 憐れむとか嘲笑するとかの悪気なく無意識に出てしまう感情をよく捉えている作品だった。 それぞれの置かれている環境下でやりたくてもできない、理由も言えないもどかしさ、ただ裏切られたと感じるミアの心境読んでいて苦しかった。 救いのある終わり方でよかった。

Posted byブクログ

2024/01/04

文字数もそこまでなく、読みやすかったです。 「ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、世界はまだここで続いている。でも、それは前とは違っている。たぶん世界はここから、私たちがいるこの場所から変わって、こことは違う世界になるのかもしれないね」という文が印象的でした。 ここじ...

文字数もそこまでなく、読みやすかったです。 「ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、世界はまだここで続いている。でも、それは前とは違っている。たぶん世界はここから、私たちがいるこの場所から変わって、こことは違う世界になるのかもしれないね」という文が印象的でした。 ここじゃないどこかに行きたいとか、今いる状況から逃げたいと思っても、自分の足元から世界はずっと続いていて、物理的にどこかに身を置いても自分がいる世界からは完全に離れられないんですよね。 だからこそ、「ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、世界はまだここで続いている。」という文にハッとさせられました。 だけど、私たちはいつでも違う世界に行けるんです。 ここが難しい所だし、矛盾しているように聞こえるかもしれないけれど、いつだって違う世界に行ける扉が開いているんです。環境を大々的に変えることは難しいけれど、自分の足元からのここからの世界は広がる。 このことを自分の言葉で上手く伝えられるようになりたいなと思いました。 視野の数だけ世界はある。 このことを知るだけで人はお金をかけなくても色んなところにいけるんだよと思いました。 むしろ、この方法を見つけられない人が世の中多すぎるんだろうなと勝手に思いました。

Posted byブクログ

2023/12/10

・この本を読む直前に配信で「行き止まりの世界に生まれて」を観てたせいもあるかもだけど、ちょっとくらってしまった。どちらも素晴らしい作品。国も世代も諸々違うけれども、これは俺だ、と思える作品。 ・主人公の彼女が接近する事になる音楽がラップというのも正しい気がした。ブレイディみかこさ...

・この本を読む直前に配信で「行き止まりの世界に生まれて」を観てたせいもあるかもだけど、ちょっとくらってしまった。どちらも素晴らしい作品。国も世代も諸々違うけれども、これは俺だ、と思える作品。 ・主人公の彼女が接近する事になる音楽がラップというのも正しい気がした。ブレイディみかこさんはロックにかぶれてイギリスへ行った…みたいな話を聞いた(事がある様な気がする)けど、やっぱり「今」を切り取るなら残念ながらロックは選ばれない気がする。

Posted byブクログ

2023/12/09

いつもリアルなのに、その重さや苦しさを感じることを、ページをめくることを、止めさせてくれない。これはただ内容に対する興味もあるけれど、文章が軽やかで読みやすいことが一番の理由だと思う。それはわたしが深刻に実際のことと捉えられていないからなのかな。でも、ミカコさんの本はいつも新鮮な...

いつもリアルなのに、その重さや苦しさを感じることを、ページをめくることを、止めさせてくれない。これはただ内容に対する興味もあるけれど、文章が軽やかで読みやすいことが一番の理由だと思う。それはわたしが深刻に実際のことと捉えられていないからなのかな。でも、ミカコさんの本はいつも新鮮な考えを教えてくれる。

Posted byブクログ

2023/12/07

[こんな人におすすめ] *学校の図書室で何を購入すべきか迷っている先生や司書の方々 先生へのおすすめポイントは以下の3点です。 ①ブレイディみかこさんのエッセイ本と同様に、教科書やスマホでは見つけにくい情報を学ぶことができる。 ②エッセイ本より読みやすいので学生さんが社会問題を知...

[こんな人におすすめ] *学校の図書室で何を購入すべきか迷っている先生や司書の方々 先生へのおすすめポイントは以下の3点です。 ①ブレイディみかこさんのエッセイ本と同様に、教科書やスマホでは見つけにくい情報を学ぶことができる。 ②エッセイ本より読みやすいので学生さんが社会問題を知るきっかけの一冊になるかもしれない。 ③生きる時代や国が違う10代の登場人物に共感してしまう面白さを学生さんにリアルタイムで味わってほしい。 自分が学生の時、教室の学級文庫の本棚にこの本が入ってたら、10年後、20年後に学校に感謝したと思います。

Posted byブクログ

2024/07/23

私はこの風景を知って いると思いました。 どこかで見聞きしたの ではありません。 自分の体験としてです。 子どもだった私はその 手に握らされた切符で、 決められた路線の列車 から列車に乗継ぐこと しか知らず、 そこで色々な目に遭い すっかり臆病に。 今まさに苦しんでい...

私はこの風景を知って いると思いました。 どこかで見聞きしたの ではありません。 自分の体験としてです。 子どもだった私はその 手に握らされた切符で、 決められた路線の列車 から列車に乗継ぐこと しか知らず、 そこで色々な目に遭い すっかり臆病に。 今まさに苦しんでいる 子どもたちに伝えたい。 その列車を今すぐには 降りられないけれど、 次の駅では広い世界に 無数にある別の路線に 乗り換えればいいと。 誰かに与えられた人生 から自分自身の人生に 踏み出してほしい。 本書がさまざまな言語 に翻訳されて世界中に 広まることを望みます。

Posted byブクログ

2023/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

薬物や飲酒の依存症により親が機能していない子供たちに目を向けた物語。 現代のロンドンと明治大正時期の日本を交互に描くことで、主人公ミアが自分の現状を見つめなおしていく構成。 親の介護や兄弟の世話をしなければならず、自分の時間が持てないヤングケアラーの問題は日本でもたびたび話題に上がる。 特に、近所づきあいというものが廃れてしまった現代では気づくことも難しい表面化していない家庭も多くあるだろう。 「助けて」と子供が声をあげられる世の中にしなければと思った。

Posted byブクログ

2023/10/17

ぼくイエを読んだからミアがどういうところにいるのか、何を考えているのかを考えると苦しくなった。ウィルが言っていたような「聞いた側も無傷ではいられない」というような感じ。 大人を頼れない、信用できないと世界も心も閉ざされてしまうというの、よくわかる。子どもの頃に頼れる相手がいるかど...

ぼくイエを読んだからミアがどういうところにいるのか、何を考えているのかを考えると苦しくなった。ウィルが言っていたような「聞いた側も無傷ではいられない」というような感じ。 大人を頼れない、信用できないと世界も心も閉ざされてしまうというの、よくわかる。子どもの頃に頼れる相手がいるかどうかってかなり重要だと思うし、他の道を示してくれる大人がいたら…と少しだけ自分の子どもの頃と重なった。 恥ずかしながら金子文子のことは知らなかった。女性のアナキストは伊藤野枝なら知っていたけど、共通して若くして亡くなっているんだね。 ミアの物語と並行して文子の物語も進んでいったけど、あそこから刑務所に収容されるまでは少女時代以上に波瀾万丈だったのだろうな。 ミアを取り巻く人たちもそれぞれの事情やミアへの思いがあったのだろうけど、ゾーイの心配もイーヴィの気持ちも(人によっては賛美あるだろうけど)ちょっとわかる。 仲の良かった友達がいきなり荒れたら(しかも自分の母親が噛んでることを知らないだろうし)距離置きたくなるよね。今の素敵な友達といるのが楽しいし自分もやや貧困家庭とは言え、そこから出ていけるであろう未来が待っているんだから、ちょっと貶むように、もしくは哀れむように見えてしまう傲慢さが芽生えてしまってもあの年頃なら仕方ないのかな。(仕方ないか?) 終わりの方がかなり駆け込みだったように感じて、続きは!?という感じで終わってしまった。 なんでミアがいきなり具合悪そうになったのかという原因が後半明かされたけど、あの後ミアはそれをソーシャル・ワーカー達に言えたんだろうか。 トラウマになってるしすぐには言えないかもしれないけど、またあの男を視界に入れてしまったらまたぶり返してしまうんじゃないだろうか。 ただ、その時は今度は助けてくれる人がいると信じられるようになっているだろうから、ゾーイかレイチェルに伝えてほしいな。 恋愛で救われることもあるというのは承知の上で、こういう本に恋愛要素いらねェ〜と思ってたので、ミアとウィルがそこまでならなくてよかった…ウィルは惹かれてるんだろうけど。 彼のいいところは育ちの良さから来る無知を自覚した時、自分を恥じて理解しようと歩み寄るところだ。貧困の中にいる人からすれば「どうせ理解されない」「腫れ物扱いされたくない」「放っておいてほしい」ということだろうし、その気持ちはとてもわかるのだが、拒絶したままだとずっと世界が閉ざされているんだよね。だから理解したい、わからないから教えて欲しい、と考えられるウィルとはきっと友達になれるんじゃないかな…同情や哀れみを越えたら少しずつでも近づけるんじゃないかと思う。 ブレイディみかこさん、また小説書いてほしいな。

Posted byブクログ

2023/10/16

イギリスの貧困家庭で生まれ育った中学生の女の子、ミアのお話。 彼女の日常、そして作中で彼女が読んでいるカネコフミコの自伝はどちらも、貧困、依存症、虐待、ネグレクト、いじめ等、ヘビーで理不尽な事象に満ちていて、読んでいてとても心が痛みました。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっ...

イギリスの貧困家庭で生まれ育った中学生の女の子、ミアのお話。 彼女の日常、そして作中で彼女が読んでいるカネコフミコの自伝はどちらも、貧困、依存症、虐待、ネグレクト、いじめ等、ヘビーで理不尽な事象に満ちていて、読んでいてとても心が痛みました。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこなかった、ノンフィクションの形では書けなかった女の子。 彼女の今後の人生に、たくさんの幸福が訪れますように。 最終章、「ここだけが世界とは限らない」は、貧困に限らず、辛い現実を生きている全ての人に勇気と希望を与えてくれるメッセージだと思います。 新しい世界への扉は、いつだって目の前で開いている。 私自身はミアやフミコと生まれ育った環境はまったく違うけれど、仕事や人間関係、ギューっと視野が狭くなってしんどくなってしまう現実に、立ち向かっていく勇気をもらいました。

Posted byブクログ