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両手にトカレフ の商品レビュー

4.1

214件のお客様レビュー

  1. 5つ

    69

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2023/08/19

最後まで読んでノンフィクションの形では書けなかったという意味がよくわかった。それと同時にこうした貧困は、当事者にとっては日常なんだけど、学校とか他の人と接する中で自分の生きている世界がどうも「ふつう」とはちがうらしいと気づいたとき、本人の中でも葛藤があるんだろうな。 主人公のミア...

最後まで読んでノンフィクションの形では書けなかったという意味がよくわかった。それと同時にこうした貧困は、当事者にとっては日常なんだけど、学校とか他の人と接する中で自分の生きている世界がどうも「ふつう」とはちがうらしいと気づいたとき、本人の中でも葛藤があるんだろうな。 主人公のミアは境遇を考えればとても大人びているし、語彙力もあるから読んでいてすごく共感しやすかった。 現実なら、似たような境遇で、自分の生きづらさや社会への憤りを表現する言葉や術を持たずにただその日を生きることで精一杯な人も山程いるんだろう。

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2023/08/13

主人公達の強さを希望に読み進める事ができましたが、ほんとうに辛かったです… こどもに光が当たります様に…

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2023/08/13

ここまでの状況ではないけれど、世間的には貧困地域と呼ばれる地域で育った自分としては頷きたくなる言葉が山のようにあった。 人生にはそれぞれ苦しく悲しい経験をすることはもちろんあるが、そもそものスタートラインが平均を下回っている人たちの気持ちを、平均以上の生活をしてきた人にはきっとわ...

ここまでの状況ではないけれど、世間的には貧困地域と呼ばれる地域で育った自分としては頷きたくなる言葉が山のようにあった。 人生にはそれぞれ苦しく悲しい経験をすることはもちろんあるが、そもそものスタートラインが平均を下回っている人たちの気持ちを、平均以上の生活をしてきた人にはきっとわからないだろうと思っていたあの頃の自分と重なって苦しかった。 特に、ゾーイの「二人とも、早く自分で本が読めるようになりなさい。 たくさん本を読んで大学に行けば、私のような仕事をせずにすむし、こんな団地に住まなくてもすむ。 一生懸命勉強して、こ ことは違う世界に住む人になりなさい」という言葉とほぼ同じ言葉を母親からかけられたことがある私にはとても重く響いた。

Posted byブクログ

2023/08/09

ブレンディみかこさんの作品。 ぼくはイエローで〜を読んで、こんな世界もあるんだと衝撃を受けるとともに、そこでしっかり自分を持てた息子さんの凄さを感じた。 これはそういった世界を小説の切り口で描いている。 小説の中の小説とリンクしているところが面白い。

Posted byブクログ

2023/08/07

国も違う時代も違うふたつの話が交差する。どちらも辛い生活を送る子ども。生まれた環境を変えることはできずらひたすら耐えるしかない運命。いつかは好転するだろうと淡い期待を持ち、何度も裏切られて、希望をもつことすら諦めてしまう。 『両手にトカレフ』カッコいい、ラップが自分の生きる世界を...

国も違う時代も違うふたつの話が交差する。どちらも辛い生活を送る子ども。生まれた環境を変えることはできずらひたすら耐えるしかない運命。いつかは好転するだろうと淡い期待を持ち、何度も裏切られて、希望をもつことすら諦めてしまう。 『両手にトカレフ』カッコいい、ラップが自分の生きる世界を自分で変えるなんて。

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2023/08/01

エッセイには書けなかったこの話はノンフィクションか、フィクションか。どうしてもミアに会いたいと思うと同時に、ミアの周りを生きた人達にも思いを馳せる。ミアだけでなく、この人達も主人公だったな、と。人の生はこんなにも大きい

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2023/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

精神疾患の母を持つ子どもここまで達観しているのか気になった。 ブレイディみかこさんの本はエッセイの方が好きかもしれない。

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2023/07/26

主人公のミアが金子文子の本を読むように、この本の続きが気になってしかたなかった。 ブレイディみかこさんの本は読んでみたかったけど、エッセイやノンフィクションは読むのが苦手なので、この小説で初めてちゃんと読んだ。他の本も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2023/07/21

こういう本の感想を書くときに「悲しかった」や「理不尽だと思った」は率直にはそう感じたけど、そう書くと自分が生温くて、しかも不平等や貧困といった社会に広がる問題を他人事のように捉える薄っぺらい人だと思う。 ヤングケアラーも、貧困も、根深くて他者の介入が難しいということ、「リアル」な...

こういう本の感想を書くときに「悲しかった」や「理不尽だと思った」は率直にはそう感じたけど、そう書くと自分が生温くて、しかも不平等や貧困といった社会に広がる問題を他人事のように捉える薄っぺらい人だと思う。 ヤングケアラーも、貧困も、根深くて他者の介入が難しいということ、「リアル」な思いをレポート用紙に書きつけたのがリリックとなったことに、今あるラップや歌って、その人の思いや背景を語っているんだととても生きているように感じたなぁ。 そうした生の人の声をちゃんと聞いて、拾っていける人になろうと、私にできることをしたいと思った。

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2023/07/16

依存症の問題を抱える母と小さな弟と3人で暮らすミア。ミア自身もまだ子供なのに、弟を守ること•弟と離れ離れにさせられないことを第一に優先して、食事の世話や送り迎えをして、大人に対しては硬く殻を閉ざすミアが痛ましい。たまたま出会った、実在した日本人である金子文子の著書の内容と並行して...

依存症の問題を抱える母と小さな弟と3人で暮らすミア。ミア自身もまだ子供なのに、弟を守ること•弟と離れ離れにさせられないことを第一に優先して、食事の世話や送り迎えをして、大人に対しては硬く殻を閉ざすミアが痛ましい。たまたま出会った、実在した日本人である金子文子の著書の内容と並行してミアの日常が語られるのが面白かった。日本にも世界にもミアたちのように貧困のスパイラルを抜け出せない子供はたくさんいるんだろうな。1人でも、目を向けてくれる大人がいることが子供たちの救いになると思う。日本にも"カウリーズカフェ"のような場所があるといいな。 これは「ぼくイエ」シリーズの番外編という感じ。やはり文章が読みやすくてあっという間に読めました。

Posted byブクログ