1,800円以上の注文で送料無料

両手にトカレフ の商品レビュー

4.1

224件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英国在住のライターでコラムニスト プレイディみかこ作品 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は自分の息子が異国で生活していく中で感じる 英国の格差・人種差別などなど 若い感性を持つ息子とともに学んでいった。 今回は貧しいスラム街の団地に住む14歳のミアを通して、ドラッグやアルコール・男におぼれて壊れていく母や福祉の名を借りて貧しい子どもたちを蝕む悪意のある大人など 「親ガチャ」と言うだけではあきらめきれないミアの生活が綴られていく。 悲惨な毎日の中でもミアが心を寄り添えるのが「金子文子」の本 「極貧の中で子ども時代を過ごし、祖母が手を差し伸べたと思いきや朝鮮に連れていき、またみじめで理不尽な生活が繰り返される」文子の自伝はミアが一番身近に感じられ、シンクロしていく。 時代や国は違っても 人の根本的な差別や力関係は変わらない。 それでも 生きていくための一筋の光は ミアにとっては何であろうか。 読んでいると辛くなることばかりだけれど、本を通してでも 知ることは大切だと思う。

Posted byブクログ

2023/01/28

大人は子どもを保護しようとするが、その手段や置かれる環境は必ずしも子どもが望むものにならないこともある。今回は、大人と友人の支援が適切でここではない世界に踏み出せる予感がして安心しました。映画金子文子と朴烈は観ていましたが、子ども時代の金子文子の様子はこの本のなかでミアの伴走者の...

大人は子どもを保護しようとするが、その手段や置かれる環境は必ずしも子どもが望むものにならないこともある。今回は、大人と友人の支援が適切でここではない世界に踏み出せる予感がして安心しました。映画金子文子と朴烈は観ていましたが、子ども時代の金子文子の様子はこの本のなかでミアの伴走者の姿として知りました。

Posted byブクログ

2023/01/27

読みやすい物語の構成と、惹き込まれる内容がとても面白かった!著者の言葉の使い方、表現がシンプルな上にらしさがあって、上手いなーと思う。テンポがあってリズミカルで、社会問題を扱ってる内容なのに変な深刻さを感じさせず、読者に考えさせる。ミアがフミコの本を読むことに感じていた気持ちは私...

読みやすい物語の構成と、惹き込まれる内容がとても面白かった!著者の言葉の使い方、表現がシンプルな上にらしさがあって、上手いなーと思う。テンポがあってリズミカルで、社会問題を扱ってる内容なのに変な深刻さを感じさせず、読者に考えさせる。ミアがフミコの本を読むことに感じていた気持ちは私にもあって共感した。読書って本の中にそんな誰かを探してる面がある。金子文子について知らなくて、読み進めるうちにもしかして実在した人物なのかなと気付く。もっと知りたくなった。子どもにも薦めたい一冊。

Posted byブクログ

2023/01/25

現代英国で貧困に苦しむミアは、百年前の日本人女性金子文子の回顧録を自分にリンクさせて読み始める。 現在と過去の変わらぬ厳しい貧困に打ちのめされるが、そこにも決して希望がないわけではなかった。

Posted byブクログ

2023/01/24

イギリスに住む14歳のミアが、1世紀前の日本の少女(実在の人物カネコフミコ)の自伝を読むことで、ふたりの少女のはなしが交互に描かれる。 ミアはフミコに自分を重ね共感し、フミコのいう『別の世界』を今ここから切り開いていこうとする。 アルコール薬物中毒の母親による育児放棄、食にも困り...

イギリスに住む14歳のミアが、1世紀前の日本の少女(実在の人物カネコフミコ)の自伝を読むことで、ふたりの少女のはなしが交互に描かれる。 ミアはフミコに自分を重ね共感し、フミコのいう『別の世界』を今ここから切り開いていこうとする。 アルコール薬物中毒の母親による育児放棄、食にも困り、弟チャーリーの世話をする生活だが、同級生ウィルやイーヴィ、イーヴィの母親ゾーイ、ソーシャルワーカーのレイチェルなど気にかけてくれる人がいる。 そして本との出逢い。ゾーイはミアに本を読むことを教えた。「たくさん本を読んで、こことは違う世界に行きなさい」の言葉と共に。 本が救いを与える、本好きには嬉しい。

Posted byブクログ

2023/01/22

とても良かった、、、 生まれた時代も国も違う、二人の女の子の話は、絶対重ならない平行の世界のはずなのに、どちらの話かわからなくなるような気すらする。 絶望して、でも世界の全てがNOじゃない、世界は変えられる、かもしれない。 分からないことを知りたいと願うウィルが素敵。

Posted byブクログ

2023/01/21

本は時間も場所も越えて、共感や新しい視点をくれることがある。本じゃなくても手段は何でもいいから、子どもたちに広い世界を知ってもらいたい。生き延びてほしい。まじで「何かをしなくてはいけないのは大人たちのほう」だよ。

Posted byブクログ

2023/01/20

今にも少女の声なき叫びを聞いているようで苦しい。 貧困とヤングケアラーにどこまで気づいて、手を差し伸べられるのだろうか…。 誰かに何かに縋りたい、頼りたいのにできない。 14歳のミアが、夢中になって読むのが「カネコフミコ」の自伝だとは…。 読み終わった後に改めて装画の少女...

今にも少女の声なき叫びを聞いているようで苦しい。 貧困とヤングケアラーにどこまで気づいて、手を差し伸べられるのだろうか…。 誰かに何かに縋りたい、頼りたいのにできない。 14歳のミアが、夢中になって読むのが「カネコフミコ」の自伝だとは…。 読み終わった後に改めて装画の少女たちを見て、力強さを感じたのは私だけではないと思う。

Posted byブクログ

2023/01/18

相対的貧困とヤングケアラーの話。イギリスも日本も貧困の構造は似ているのだなと。子供達がひどい環境に置かれる状況は読んでて辛いが、現実を知る必要があると思う。

Posted byブクログ

2023/01/15

明治から大正にかけて実在した女性、金子文子と実在はしないけどきっと同じような境遇の子があるであろう、イギリスの恵まれない家庭で生きる14歳のミアの物語がリンクしながら交互に語られている本書。 それぞれのお話が絶妙にリンクしながら続くので一気に読んでしまった。 100年前のフミ...

明治から大正にかけて実在した女性、金子文子と実在はしないけどきっと同じような境遇の子があるであろう、イギリスの恵まれない家庭で生きる14歳のミアの物語がリンクしながら交互に語られている本書。 それぞれのお話が絶妙にリンクしながら続くので一気に読んでしまった。 100年前のフミコの生い立ちは読むに耐え難い壮絶さ。そして今を生きるミアの環境から、「ヤングケアラー」や、「貧困」、レスパイトケアという慈善団体にも酷い人がいること、そういった「子どもであるという牢獄」に胸がいたんだ。 ケイ・テンペストというノンバイナリーをカムアウトしたアーティストのことも初めて知った。 それでもなぜかラストには希望をもてた。 金子文子のことについてもっと知りたくなった。

Posted byブクログ