両手にトカレフ の商品レビュー
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やめられなくて、寝る時間を削って一気読み。 最後、少しずつ良くなりそうな結末にホッとして涙が出た。 金子文子さんの時代だけでなく、豊かと言われる先進国に、信じられない、目を背けたい貧困と苦しみがある。今もどこかで起きているのかもしれないと思うと胸が苦しい。 文字を読み書きできることの強さを改めて感じる。日本の、教育を受けられる権利は大きい。 ここから繋がる世界が、みんながお腹いっぱい食べて、自由に表現し、毎日楽しめる世界になりますように。
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ミアにフミコ。ヤングケアラー?両手にトカレフ握り締めて、必死で自分の家族を守ろうとする姿。テンポのいい短い文章に引き込まれ、一気に読破。「“仕方ない”と諦めず、別の世界があると信じられれば、それは可能になる。すべての本ではないが、いくつかの本はその助けになる」「ここじゃない世界は...
ミアにフミコ。ヤングケアラー?両手にトカレフ握り締めて、必死で自分の家族を守ろうとする姿。テンポのいい短い文章に引き込まれ、一気に読破。「“仕方ない”と諦めず、別の世界があると信じられれば、それは可能になる。すべての本ではないが、いくつかの本はその助けになる」「ここじゃない世界はいまここにあり、ここから広がっている。別の世界は存在する」「見ないふりをせずに、言い訳をせずに、何かをしなくてはいけないのは大人たちのほうだから」世界を変える為に、自分の世界変える。金子文子さんのことも知りたくなった。
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しかたがない、と思うことより、別の世界はあると信じることを私も選びたい。 しかたがない、と諦めず、オルタナティブはあると信じられれば、それは可能になる。 私は、私の世界を変えられるかな。
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イギリスの貧困をテーマにした小説、日英両方の視点をもつブレイディみかこさんだから描ける話だろうか。小さな苦しみが積み重なり、最後、母親のトラブルを機に街をさまよう間の息苦しさ、逃げ場のない感じが読んてて辛かったけど、当事者はこの状況に何年も何十年も晒されるわけで、「諦め」てしまうひとの気持ちをとても第三者が非難することなんてできない。 ウィル自身はメインのストーリーにはほぼ絡んでこないけど、なんだかんだミアの心の支えとなるラインとなってて、こういうサードプレイスのありかたも大事なんだろうなと思ったのだった。
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本を読むことで現実から離れられる。 14歳ミアの生活は毎日過酷。しかも本の中の世界でも少女が恵まれない環境にいる。住んでいる国も時代も違うのに親近感がわき本の世界に没頭していくミア。 自分の家にお金がなくてできないことを友達に知られたくなくてつく嘘がリアル。周りの友達も大切に思っ...
本を読むことで現実から離れられる。 14歳ミアの生活は毎日過酷。しかも本の中の世界でも少女が恵まれない環境にいる。住んでいる国も時代も違うのに親近感がわき本の世界に没頭していくミア。 自分の家にお金がなくてできないことを友達に知られたくなくてつく嘘がリアル。周りの友達も大切に思ってくれる人は見て見ぬふりをする優しさ。 福祉が介入することでかえってうまくいかない生活。いろいろ思うところはあるがちょっと希望がみえる終わり方でよかった。
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少女が世界と戦う物語。 今ある現実を理解し、うまく生きてきた少女。少しずつバランスが崩れてしまう。 自分と共感できる部分もあり、できない部分もあり、物語は進んでいく。今日を生きるのに精一杯なところでは、読んでいて逞しく感じた。力を与えられる人になりたいと思う。
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切なくて、悲しくて涙が出た。 子どもの貧困は切実だ。 欧米ほどではないかもしれないが、日本にもいる。 家で1人ぼっちで親の帰りを待つ子や、 お腹が空いても何も食べる物がない子。 日本で普通に生活していると、そういう子ども達と遭遇する機会はそうないが、でも間違いなく存在している。 ...
切なくて、悲しくて涙が出た。 子どもの貧困は切実だ。 欧米ほどではないかもしれないが、日本にもいる。 家で1人ぼっちで親の帰りを待つ子や、 お腹が空いても何も食べる物がない子。 日本で普通に生活していると、そういう子ども達と遭遇する機会はそうないが、でも間違いなく存在している。 だからって自分に何ができるのか。
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こんなに幼い子供が、幼い弟の面倒をみるいわゆる「ヤングケアラー」。少ない食べ物を弟に与えて自分は我慢したり、友達と遊びたい年頃なのに遊びも部活も我慢。お酒と男に溺れだらしのない母親の世話をしながら、家族以外の大人たちの顔色を伺いながら生きている。こんな不幸としか言えない子供にも、...
こんなに幼い子供が、幼い弟の面倒をみるいわゆる「ヤングケアラー」。少ない食べ物を弟に与えて自分は我慢したり、友達と遊びたい年頃なのに遊びも部活も我慢。お酒と男に溺れだらしのない母親の世話をしながら、家族以外の大人たちの顔色を伺いながら生きている。こんな不幸としか言えない子供にも、唯一本を読んでいる間だけは辛いことを忘れられた。しかし手に取った本の主人公も自分と同じような境遇にいることを知る。 本の主人公のフミコはその救いようのない世界から逃れるため、川に身を投げようとするが、その直前、自分を取り巻く世界の自然の美しさに心を奪われる。そして世界はたくさんあり、自分の知らない人、知らないもの、知らない世界が他にもまだあることを知る。まだまだ知らない世界を見たいと言う一心で、死ぬのを思いとどまる。 両手にトカレフの主人公ミアも、自分の住む世界から逃げようとしたが上手くいかず、保護される。 ただ幼い頃から何かと気にかけてくれていたゾーイが、一緒に暮らしてくれることになった。 死にたいくらい辛い時でも、生きてさえいれば何か希望が見えてくる、生きてさえいれば。
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ブレイディみかこさんのエッセイや新書の内容を色々詰め込んだフィクションだった。色々な大人と子どもがいるけど、コミュニティと自己表現ってやっぱり大事だなーと感じる。 個人的にはエッセイのほうが好き。
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14歳のミアの視点とミアが読む金子文子の自伝の2つを軸に展開される物語。 貧困、ヤングケアラーなどの社会問題がミアの視点でかなりリアルに描かれてた。 こういう子供の声をちゃんと掬い上げられる社会であって欲しい。
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