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花屋さんが言うことには の商品レビュー

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138件のお客様レビュー

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2023/09/13

町の小さなお花屋さんを舞台にした、生きることと働くことの物語。ブラック企業をセクハラやパワハラを苦に退職した紀久子は、退職をしぶる上司からの説得に辟易しているところからスタートする。助けてくれた李多の経営する花屋で働き始め、研究員の芳賀さん、ベテラン店員の光代さんとともに働き始め...

町の小さなお花屋さんを舞台にした、生きることと働くことの物語。ブラック企業をセクハラやパワハラを苦に退職した紀久子は、退職をしぶる上司からの説得に辟易しているところからスタートする。助けてくれた李多の経営する花屋で働き始め、研究員の芳賀さん、ベテラン店員の光代さんとともに働き始める。いろんなお客さんと接したり、注文を受けながら、自分の人生や才能、やりたかったことなどとしっかり向き合っていく。蘭くんの可愛さにキュンキュンしつつ、紀久子さんの人生はどうなるのだろう…とドキドキしながらあっという間に読了。恋の展開もあり、楽しく読めた。あったかいお話の数々に感動しっぱなしでした。お花屋さんで働くということの厳しさも花への愛情も伝わり、章ごとに花言葉と結びつけられた色々な展開が用意されていて、良い作品でした。 p.23 「なんだ、多肉植物が欲しかったのね。だったら早く言ってちょうだいよぉ。家、数はそんなにないけど、粒ぞろいなのよ。見てみてぇ」見る見るぅとついていってしまいそうな自分を抑える。 p.29 「だからこそもっと派手なほうがいいと思うんです。女性にとって大事なのは、年齢より女性であることなので」 p.36 こうした水替えと手入れは、定休日を除く毎日、行われていた。水を変えないと花桶の中にばい菌が増加し、水が腐る。それを吸った花の導管にばい菌が住み着き、切り花を枯れる原因になるそうだ。光代さんから聞いた話である。 p.43 少年が今視線を向けているひまわりは「ゴッホのひまわり」だ。ゴッホはもちろん、画家のフィンセント・ファン・ゴッホである。ただし「ゴッホのひまわり」を見て、ゴッホがひまわりを描いたのかといえばそうではない。逆なのだ。ゴッホの描いたひまわりに似せて、種苗メーカーが新たに品種改良したひまわりだと言う。同じメーカーでは「モネのひまわり」、「ゴーギャンのひまわり」、「マティスのひまわり」といった画家の描いたひまわりをモチーフにした貧食作っているんだと光代さんに教わった。それぞれのひまわりのカードには、名前と値段、そして彼らの描いたひまわりの絵を貼り付けてある。李多に頼まれ、紀久子が自宅のパソコンで検索して見つけだし、プリンターでプリントアウトしたものだ。絵と実物の花を見比べると、そっくりなのがよくわかる。 p.64 蓋を開くと、大概の切り花は導管に空気が入ったせいで、ぐったりしている。これを取り出し、まずは下のほうの葉をとっていく。葉は水につかると腐ってバクテリアが発生し、その水を吸うと花がダメになってしまうからだ。下葉を取るのは紀久子の担当だ。二台並んだ右のシンクで行い、隣に李多に渡す。彼女は同じ切り花ごとに子本ずつまとめ、花の頭を揃えて、新聞紙を撒き、テープで止める。左のシンクには水が張ってあり、その中に束にした切り花の茎を浸したまま、ハサミで5センチほど斜めに切る。こうすれば導管に水の流れができて、花が生き返るのだ。水切りと呼ばれる。この作業が済んだ切り花は、種類ごとに花を家に入れられていく。 p.126 「花びらの下の葉っぱだよ。いちごやトマトにヘタがついてるでしょう。あれもガク。普通だったら花びらより、小さいんだ。でも、クリスマスローズは、花びらよりも、大きくて色までついてるの。額は葉っぱだから、いつまでも、しぼんだら、散ったりしないで、長い間、咲いてるように見えるんだ。紫陽花もそうだよ。真ん中にある、小さな壺みたいなところが、本当の花で、花びらに見えるところがガクなんだ」 p.186 「花がたくさんの花束は、いろんな色の花だとまとまりがなくなっちゃうから、同じ色のを使ったほうがいいもんね」

Posted byブクログ

2023/07/27
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※このレビューにはネタバレを含みます

とても素敵な小説でした。 『スズラン』のお話が1番好きで、特に李多の母とキクコちゃんの会話が胸に響きました。人との繋がりの中で、ご縁が繋がり、発展していく。 「みんなが私を必要としてくれて、私もみんなが必要なんだって、気づくことができました。」 人との繋がりの温かさは当たり前にあるようでも、目も心も開いていないと見えないもの。キクコちゃんの言葉を、私も大事にしたいです。

Posted byブクログ

2023/07/23

読みやすく、あたたかな気持ちにさせてもらえる物語だった。 ブラック企業勤めで辞めようと思っていたところで、偶然にも花屋の李多に出会い、今まで気づいていなかった輪が広がっていく様子がほっこりして良かった。身近なところにも発見や大切にすると良いものが散らばっていると実感出来た。ずっ...

読みやすく、あたたかな気持ちにさせてもらえる物語だった。 ブラック企業勤めで辞めようと思っていたところで、偶然にも花屋の李多に出会い、今まで気づいていなかった輪が広がっていく様子がほっこりして良かった。身近なところにも発見や大切にすると良いものが散らばっていると実感出来た。ずっとなりたかったグラフィックデザイナーの道も切り開きつつ、バイトの身でありながら仕事を真面目にこなす様子が、現実を生きる上で大切にしたいと改めて考える機会となった。 花言葉にちなんだ物語の進み方で、知識も増えながら読み進められて素敵でした。私は好きな本でした。

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2023/07/02

相変わらずの優しくてあったかい山本幸久。 出てくる人々は相変わらずあったかくて可愛くて、幸せな世界。 あったかいコミュニティを作っていく物語って、読んでて幸せになります。 花屋のメンバーはもとより、地元の友達の瑞穂や、蘭くん、千尋ちゃん、馬渕先生、もちろん伊福部くん。それぞれ...

相変わらずの優しくてあったかい山本幸久。 出てくる人々は相変わらずあったかくて可愛くて、幸せな世界。 あったかいコミュニティを作っていく物語って、読んでて幸せになります。 花屋のメンバーはもとより、地元の友達の瑞穂や、蘭くん、千尋ちゃん、馬渕先生、もちろん伊福部くん。それぞれがそれぞれに心持ちが良くて、温かい人々。 みどりちゃんも好き。 ちょっと恋愛も絡むが、そのちょっとさも良い。 蘭くんの芳賀くんへの言葉、瑞穂と紀久子の高校時代を表す文章が印象に残った。 “汗と涙もなければ、色恋沙汰も皆無だった、しょぼくてイケてない青春だったけど、それでも私たちは輝いていた”

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2023/06/20

嬉しい時も悲しい時も どんなときも 日常がすこしぱっと鮮やかになって 癒される お花にはそんなパワーがある。 わたしの憧れの職業 お花屋さんでの 人間模様が 柔らかに描かれていて とっても読みやすくてあたたかい本でした。 やっぱり お花が だいすきだなあ。

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2023/06/19

ブラック企業で働いていたグラフィグデザイナー志望の主人公が花屋でアルバイトをしながら、人の縁を紡いでいく物語。 花言葉って素敵ですよね。英語とかもあるんだなと初めて知りました。知らない花もあって、それを写真か絵が付いてたらいいのになってちょっと思いました。

Posted byブクログ

2023/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023/6/10 ワクワクする!ワクワクした! 人生捨てたもんじゃないよな。 こういうのを摂取して私は生きています。どうもありがとう。 他の話と繋がってたりするからな。 戸部ボクシングジム、おなじみの流珈琲は名前だけ。 デザイン事務所の話もあったけどそれとは違う? 記憶力皆無な私がこうも頑張って考えるのは、どの本を読んでも「彼らにまた会いたい」と思って本を閉じるから。 今回もこの本に出てきたみんなにまた会いたい。 この人の本読むと明日からも頑張ろうと思えて大変健康にもよいな。

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2023/06/06

お花に興味がない人も、一度はお花屋さんに立ち寄ってみたくなるような本。 花屋さんで働いていた時の事を思い出して、こんなお仕事あったなーと懐かしくなった。 世の中にはいい人ばかりじゃないし 自分の気持ちを素直に表現できる人もいれば 不器用な人もいる。 何がきっかけで人生が変わ...

お花に興味がない人も、一度はお花屋さんに立ち寄ってみたくなるような本。 花屋さんで働いていた時の事を思い出して、こんなお仕事あったなーと懐かしくなった。 世の中にはいい人ばかりじゃないし 自分の気持ちを素直に表現できる人もいれば 不器用な人もいる。 何がきっかけで人生が変わるかはわからない。

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2023/05/25

花言葉 花にまつわる俳句や短歌 フレーズ 知っていたら もっと花を愛でることができるよね。 それぞれの章で ほわっとしたり涙が出たり、、 スズランの章が好きかな。

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2023/05/22

花は全く詳しくないけれども、読み終わったあとには花屋さんを覗いてみたいなと思いました。 花言葉にちなんだそれぞれのお話しはどれも温かく、出会えて良かったと思える一冊でした。

Posted byブクログ