紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪 の商品レビュー
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前作に続き、一気読み。今回は3篇の連作短編集。またプロモデラー・土生井が出てくると思ったのに、今回はフィギュア作家の團さんとのペアだった。あと警察の石橋。土生井さん、好きだったので残念。團さんもかなり個性的だったけど。前作よりこなれてるというか、ご都合主義な感じもなくて面白かった。しかし出版業界やらコスプレやら、知らない世界のことが知れて、それもまた面白い。まだ同じシリーズで出るのかな。
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【収録作品】 猫と子供の円舞曲/誰が為の英雄/偽りの刃の断罪/エピローグ 紙鑑定士・渡部がさまざまな事件に挑む連作短編集。前作は渡部の存在が薄かった気がするのだが、今回は前作のバディ(?)土生井は完全に脇役で、新キャラのフィギュア造形家・團が登場。といってもバディではなく、気の良いマニアの情報提供者といった感じで、いい感じ。渡部の事件に対する関わり方も、分を弁えていてよい。 「猫と……」は、身近にありそうな動物虐待事件。小学生が紙探偵所の依頼人というのは無理があるけれど。 「誰が……」は、紙の知識を前面に出したもので、渡部(のような暇なw専門家)にしか解決できなかっただろう。が、家庭の現状が極端なような。 「偽りの……」は、これも渡部らしい気づきがポイントだが、「犯人」の動機が切ない。事情に気づいた被疑者の騎士道精神も切ないが、最終的に誰も寝覚めが悪くならない形に収まりそうなのもよい。
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紙探偵、連作3編。 今回も蘊蓄がたくさんあって面白かったです。 本文とか、表紙の紙の情報が書いてあって、さすがだなと思いました。笑。
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短編集。紙鑑定士という特殊な職についている人が謎を解いていく。紙をみれば〇〇製紙の△△と紙の銘柄がわかってしまう。 さらにマニアックな人たちと出会い各自の知識を生かして謎の解明が進む。 印象に残ったのは「誰か為の英雄」で、色と紙の関係に驚いた。登場人物たちの人柄の良さを感じた。 ...
短編集。紙鑑定士という特殊な職についている人が謎を解いていく。紙をみれば〇〇製紙の△△と紙の銘柄がわかってしまう。 さらにマニアックな人たちと出会い各自の知識を生かして謎の解明が進む。 印象に残ったのは「誰か為の英雄」で、色と紙の関係に驚いた。登場人物たちの人柄の良さを感じた。
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紙鑑定士の渡部のところに来た3つの事件。一つ目の「猫の子供の円舞曲」が好きかな。あんまりプロモデラーの土生井さんは出てこず、フィギュア造形の團さんがメイン。でもこの登場人物たちの「オタク」的な説明好き。
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試験が終わり、久しぶりの読書再開。 前作はプラモデル造形家の土生井の活躍が目立っていた印象ですが、今回は新たにフィギュア作家の團からの知識をもとに謎を解決していました。 3作とも子供と関わりがあり、フィギュアやアメコミ、コスプレといった一定の人にはとても熱い舞台でした。どれも...
試験が終わり、久しぶりの読書再開。 前作はプラモデル造形家の土生井の活躍が目立っていた印象ですが、今回は新たにフィギュア作家の團からの知識をもとに謎を解決していました。 3作とも子供と関わりがあり、フィギュアやアメコミ、コスプレといった一定の人にはとても熱い舞台でした。どれも詳しくないですが、團の熱量のある説明になんとなく引き込まれます。 相変わらず渡部の紙にまつわる蘊蓄は情報量多かったです。
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一作目の長編より、今回の短編集の方が好き。 かなり面白くなってたように思う。 前作のパートナーだった土生井の出番は少なめで、新キャラの團が全作を通して登場。 ただ、バディものといった感じでもなく、渡部メインの探偵小説といった印象。 これといったトリックがあるわけでもないけれど...
一作目の長編より、今回の短編集の方が好き。 かなり面白くなってたように思う。 前作のパートナーだった土生井の出番は少なめで、新キャラの團が全作を通して登場。 ただ、バディものといった感じでもなく、渡部メインの探偵小説といった印象。 これといったトリックがあるわけでもないけれど、読み物として面白かった。 数あるうんちくが、資料からのコピペではなくちゃんと生きた情報として描写されているので読んでいて楽しい。 ストーリーに全く関係ないうんちくシーンなのに、そういう部分がちゃんと楽しいお話ってのはとても良いものだと思う。 そしてとてもやさしい物語。悪人が出てこない、これマジ。 ざっと思い返しても、一人しか思い浮かばないよ。 個人的に面白かったシーン。 FILE:03に『SF戦国の逆襲』というスター・ウォーズのパロディ作品が出てくるのだけど、その前にFILE:02でナカグロ(・)の説明で『スター・ウォーズ』の名前が挙げられているのよね。 て事は、スター・ウォーズが存在する世界であんなにも露骨なパロディ作品であるSF戦国の逆襲がかつて流行していた事になって、いいのかそれは……という何とも言えない思いが(笑 色々な名称・作品名等が、ズバリそのまま書かれていたり、ちょっとモジって書かれていたりで、その基準は何なんだろう。 元ネタ探しも楽しいからいいんだけどね。 「江川卓也のギャーコツ仮面」とか、元ネタが通じる人どれくらいいるんだろうか……
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今回は3編。話の中に、この本で使われている紙と同じ紙の話題が出てきた時が一番ワクワクする。フィギュア、アメコミ、コスプレとサブカル盛り盛りで今作も面白かった。
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いつの間にか続編が。相変わらず、マニアックな話題満載で、新たなマニアックな登場人物も出てきて、このまま地味に続いてくれたら嬉しいなと思ってます。 2022/4/30読了
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紙のみならず、さまざまなジャンルに関する蘊蓄が楽しめる連作ミステリ。フィギュア、アメコミ、コスプレと、どれもぜんっぜん詳しくない分野だったのですが。充分に面白く楽しめました。何でも極めた世界って凄いよね。 やはり「偽りの刃の断罪」がミステリ的に一番派手で面白かったかな。殺人事件の...
紙のみならず、さまざまなジャンルに関する蘊蓄が楽しめる連作ミステリ。フィギュア、アメコミ、コスプレと、どれもぜんっぜん詳しくない分野だったのですが。充分に面白く楽しめました。何でも極めた世界って凄いよね。 やはり「偽りの刃の断罪」がミステリ的に一番派手で面白かったかな。殺人事件の謎、消えた凶器、そして動機。とてもきれいに収まった物語だと感じました。なるほど、意図したわけではなかったにしろ、こういう形の解決もありだったのかも(まあ最終的にはすべて正されるようですが)。 前作で登場した土生井の出番が少なかったけれど、それに替わるように登場したフィギュア作家・團のキャラクターも素敵でした。さて、続編があったらこの二人に加えてまた新キャラが登場したりして、と期待してしまいます。
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