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香君(下) の商品レビュー

4.5

232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    126

  2. 4つ

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2022/07/13

害虫被害と言う馴染み深い題材、政治に絡む駆け引きやゴタゴタもそんなにないので、分かり易いし読みやすい。

Posted byブクログ

2022/07/13

読み終わって少し時間が経ったけど、いまだに2022年No.1 上橋ワールドと言われるけれど、少しも大げさではないほど精緻に作り込まれた世界の中で、登場人物が躍動する

Posted byブクログ

2022/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

香君の下巻。    特に印象的だったのは、香君とは神聖視され崇拝される一方で、実は政の傀儡とはっきりと示されたこ。それでも旅する香君として生きていくアイシャはこの物語の誰よりも希望だった。  上橋ファンのみなさんはきっと、オリエとマシュウが一緒に生きていくことを選択した結末には嬉しくてスタンディングオベーションだったと思う。贅沢だけど私はこの2人の馴れ初めを外伝で読みたいと思ったり。

Posted byブクログ

2022/07/08

まず、とてもおもしろかった。 獣の奏者、精霊の守り人、鹿の王などの世界観が大好きだった私にはたまらなかった。 万象を香りで感じる少女。 虫や植物、声なき者の声を拾い上げる彼女だからこそ、植物、虫、動物、人間…全てのものとの共存をより強く望んだのかなと思った。 「人と、人...

まず、とてもおもしろかった。 獣の奏者、精霊の守り人、鹿の王などの世界観が大好きだった私にはたまらなかった。 万象を香りで感じる少女。 虫や植物、声なき者の声を拾い上げる彼女だからこそ、植物、虫、動物、人間…全てのものとの共存をより強く望んだのかなと思った。 「人と、人の異なるものとの境目を行く細い道は、やがて、ひとつに溶け合って消えなければならない…」 人間にとって「害」だから排除しようではなく、生き物の世界を考えた時に、その「害」がなくては生きていけない植物や虫たちがいるはず。 広い目で世界を見渡し、全ての生き物ご共存できる世界を、「人の英智をもって」見出していかねばならないのだろう。 彼女が物語のあとの世界で、孤独に縛られずにのびのびと彼女らしく生きているといいな。

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2022/07/07

あぁ、ほんとに自分の貧しい語彙力が呪わしい。 ページをめくった途端、虚構であるはずの世界をいとも簡単に「ホンモノ」にする圧倒的な筆力。いつもながら思う「あぁ、これは文化人類学文学だ」と。それと同時に幅広い自然科学文学でもあり、様々な文化と相まって、物語にものすごいリアリティを与え...

あぁ、ほんとに自分の貧しい語彙力が呪わしい。 ページをめくった途端、虚構であるはずの世界をいとも簡単に「ホンモノ」にする圧倒的な筆力。いつもながら思う「あぁ、これは文化人類学文学だ」と。それと同時に幅広い自然科学文学でもあり、様々な文化と相まって、物語にものすごいリアリティを与えている。 そして何より人が持つ絶望と希望、喜びや悲しみが、それぞれのキャラクターを魅力的にしている。いつまでもその世界にいたくて、最後の数ページを惜しみ読みきれないなんて、本当に幸せなこと。 上橋先生はいつも私に、物語を夢中で読む楽しさ、喜びを与えてくれる。感謝。

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2022/07/03

「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが・・・。オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。異郷から風が...

「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが・・・。オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。異郷から風が吹くとき、アイシャたちの運命は大きく動きはじめる。圧倒的な世界観と文章で我々に迫る物語は完結へ。 一気にオアレ稲の秘密や国の成り立ちそのものへ引き込まれるのですが、結局、香君という一人(神)の存在を犠牲にしないと人間は納得しないのだなと寂しさも感じた。オリエは救われたかもしれないけれど、アイシャがその立場に納得はしていても彼女が真の意味で香君だとしても、縛られることに変わりはないわけだから。そして似たような人がまた現れたときに同じ道を選ぶかどうかは分からないし、この国のシステムそのものに不安定さも感じる。それでも神ではなく人として向かい合おうとするアイシャの姿勢が報われていく予感のするラストにはほっとしました。戦争などの派手さはないけれど、さすが上橋先生はこういう大河ファンタジーの名手だなと思う。

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2022/07/02

香りを感じる少女。そこから広がる壮大な一国の物語。現代社会に通じる問題をファンタジーに仕立て上げる想像力と文才に圧倒される。ジブリの映画を観たあとの感動と似ている。難しい言葉で社会問題を論じるのではなく、あらゆる世代に訴えかける小説にする、この作品を読める時代に生きててよかったと...

香りを感じる少女。そこから広がる壮大な一国の物語。現代社会に通じる問題をファンタジーに仕立て上げる想像力と文才に圧倒される。ジブリの映画を観たあとの感動と似ている。難しい言葉で社会問題を論じるのではなく、あらゆる世代に訴えかける小説にする、この作品を読める時代に生きててよかったと思った。

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2022/07/02

囚われてしまった上級香使オラムとアイシャ それもこれもすべてがオアレ稲、穀物が、食べ物に政治を頼ってしまったがゆえ。 ここからは、オアレ稲に大発生してしまった虫、オオヨマと、またその虫を捕食するバッタのような虫との戦い。(そうとう気持ち悪い 途中、虫害を防ぐために畑を焼くなど...

囚われてしまった上級香使オラムとアイシャ それもこれもすべてがオアレ稲、穀物が、食べ物に政治を頼ってしまったがゆえ。 ここからは、オアレ稲に大発生してしまった虫、オオヨマと、またその虫を捕食するバッタのような虫との戦い。(そうとう気持ち悪い 途中、虫害を防ぐために畑を焼くなどの策が、パンデミックの終息のために、各国がやっていた状況と重なったりしたけれど、 この物語が描いていたのは、人と自然との共存という大きなテーマだった。 アイシャの頼もしいラストで、アイシャが、みている世界のことを話していました 「人にとっての利益だけを見てしまえば、万象が歪み、巡り巡って、人にも害が生じてしまう。。」 く まさに、そういうことなのだ。 上橋菜穂子さんが読んで、香君へのインスピレーションとなった本たち 「世界からバナナかなくなるまえに」 「虫と草木のネットワーク」 「アレロパシー」 この辺り、気になりますー

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2022/06/27

虫か〜っ!なるほどそーなるのか〜。。 虫の描写こわっ。 全てを失う恐ろしさ。生産者さんの苦悩を肌身に感じた。 「大きくなり、豊かになったこの国の中で、自らがどのような国を、どのように支えているのかを思う者は、どれくらいいるでしょう。」というハッとする言葉からの広場での大団円。 ...

虫か〜っ!なるほどそーなるのか〜。。 虫の描写こわっ。 全てを失う恐ろしさ。生産者さんの苦悩を肌身に感じた。 「大きくなり、豊かになったこの国の中で、自らがどのような国を、どのように支えているのかを思う者は、どれくらいいるでしょう。」というハッとする言葉からの広場での大団円。 生き物は強くしなやかに生きて、着地点は共存。 ゆっくり読み進めたかったけれど、終わってしまった。。あとがきにある関連書も読んでみたい。

Posted byブクログ

2022/06/21

香りからさまざまなことを知る女性の孤独や豊かさ、そして植物たちと虫、生き物の描き出す輪がもう本当に面白くて首が痛くなるまで読み耽った。神郷オアレマヅラから帰った人の言う、どこかへ帰りたいという想いで胸が痛くなるような強い気持ちにとても惹かれた。

Posted byブクログ