永遠についての証明 の商品レビュー
2月にして今年のベストワンになりそうなほど素晴らしい作品だった。2018年の作品らしいが岩井圭也さんの他の本も読んでみたくなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表紙買いをして一気読み。 孤独の天才が、居場所を見つけ、失っていく様がとてもリアルで世界に引き込まれた。純粋な天才の視点と、努力家で人間らしい2人の視点が時間を超えて交互に出てくるのも構成としてよくある形ですが、この物語に引き込むのに効果的に感じた。美しい文章と、目に迫る景色に泣きそうになる。筆者の他の本も読んでみたい。
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第9回野生時代フロンティア文学賞受賞作。 『文身』で知った岩井圭司さんのデビュー作。 青春小説です。 数学の天才児、三ツ矢瞭司は特別推薦生として入った大学で同じ数学を学ぶ熊沢勇一や斎藤佐那という同級生と出逢い、論文を筆頭執筆者として発表し、一躍有名になり、すぐに学生から助教授...
第9回野生時代フロンティア文学賞受賞作。 『文身』で知った岩井圭司さんのデビュー作。 青春小説です。 数学の天才児、三ツ矢瞭司は特別推薦生として入った大学で同じ数学を学ぶ熊沢勇一や斎藤佐那という同級生と出逢い、論文を筆頭執筆者として発表し、一躍有名になり、すぐに学生から助教授になります。 しかし、熊沢は大学を離れ、佐那もSEの仕事に就き、瞭司は深い孤独に包まれ、数学にますますのめり込みます。 天才児ゆえの誰にも理解されない深い孤独です。 そして、孤独のうちに瞭司は自分の研究を書いたノートを遺して亡くなります。 ノートは熊沢に託されます。 熊沢は自分が瞭司を追いつめたと思っています。 熊沢は瞭司に言います。 「数学なんかやってなくたっていい。生きているだけでいいんだよ。全人類の何パーセントが数学で食ってると思う?瞭司の人生に数学がなくたって、ちゃんと生きているだけで立派なんだよ」 すごく淋しい救いのない話なのかと思っていたらラストで熊沢と佐那がちゃんと瞭司を救ってくれました。 数学の神様はいたのですね。 涙しました。
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一気読み。天才の頭の中の感覚、周囲の人の心情、転落していく過程、すごくリアルだけど、同時にファンタスティックにも感じて読むのをやめられなくなった。この世界の真理を追求するあまりに世界から断絶していくという皮肉さを感じる。切ない、、
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数学の天才瞭司。仲間と数学の理論について話すことの楽しさ、新たな発見をしたときの喜び。そういうものが瞭司の生きがいとなっている。だけれど次第に孤独になる。天才が見失ったものと持ち続けたもの。絶望と救いが同じ場所にあるような危うい生活の寂しさがどんどん迫ってくる。天才だから見れた景...
数学の天才瞭司。仲間と数学の理論について話すことの楽しさ、新たな発見をしたときの喜び。そういうものが瞭司の生きがいとなっている。だけれど次第に孤独になる。天才が見失ったものと持ち続けたもの。絶望と救いが同じ場所にあるような危うい生活の寂しさがどんどん迫ってくる。天才だから見れた景色と陥った深く暗い場所。そのどちらにも圧倒されてしまう。
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