永遠についての証明 の商品レビュー
私は全くの文系人間なので、数学の世界は全くわからないけど、数学の天才、数覚のある人の見ている世界を想像させてもらえた。 ある種の天才がたどる、天才が故の孤独と狂気。 そういう人に畏怖の念を抱いてしまう。 天才は幸せなのか、とかそういう次元の問題じゃなくて、それはもう宿命なんだろう...
私は全くの文系人間なので、数学の世界は全くわからないけど、数学の天才、数覚のある人の見ている世界を想像させてもらえた。 ある種の天才がたどる、天才が故の孤独と狂気。 そういう人に畏怖の念を抱いてしまう。 天才は幸せなのか、とかそういう次元の問題じゃなくて、それはもう宿命なんだろう。
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稀有な数学センスを持つがゆえの孤独。 ようやく得た理解者と、その繋がりへの執着。 それらを抱えながら、転がるように落ちていく過程が痛ましい。 選ばれし者のみが見ることができる美しい世界、素晴らしかった。
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下手に感想を述べたくないくらいに好きな本。 文体、内容、読んでいる時の心地と肌感覚……何から何まで至高です。是非、というか絶対に読んでほしい、としか言えないです。
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数学というのは‥ 雲を、雪を、そして森までを式で表せるのか! そういう世界を見られるというのは、とても興奮する、きっと幸福な世界なのだろう ひとがその天才的な能力を持つとき、世渡りの術とか、生活力とかいう この世を生きていく力を併せ持てない事が多いのかも知れない その結果の...
数学というのは‥ 雲を、雪を、そして森までを式で表せるのか! そういう世界を見られるというのは、とても興奮する、きっと幸福な世界なのだろう ひとがその天才的な能力を持つとき、世渡りの術とか、生活力とかいう この世を生きていく力を併せ持てない事が多いのかも知れない その結果の孤独 嫉妬もされるだろう 数学の(真理というのか)本質は、すでにずーっと この世に存在しており、それをいかにみつけるか、完璧に式に表すか、という事らしい 今まで見えていなかった、新たな世界を発見するのが天才 そして天才の持つ能力を、その発見した事を とてつもない能力であり 発見であると理解して世に広める能力を持つ人々がいて そんな数学の世界を生きる 数学者たちのものがたり
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才能に溢れた数学者たちの苦悩、嫉妬、劣等感、葛藤 そして孤独… それぞれが抱く感情の揺れ動きを繊細に描いた物語 数学に関して飛び抜けた才能を持つ瞭司は、特別推薦生として大学へ入学する。 同じく特推生の熊沢や佐那と出会い、初めての友人を得た瞭司は、信頼する恩師と友人たちに囲まれ、...
才能に溢れた数学者たちの苦悩、嫉妬、劣等感、葛藤 そして孤独… それぞれが抱く感情の揺れ動きを繊細に描いた物語 数学に関して飛び抜けた才能を持つ瞭司は、特別推薦生として大学へ入学する。 同じく特推生の熊沢や佐那と出会い、初めての友人を得た瞭司は、信頼する恩師と友人たちに囲まれ、数学に没頭し、幸せな青春時代を過ごすのだが… あまりにも突出した才能がゆえに壊れていく瞭司。 それを知りながら離れていく熊沢と佐那。 その後二人は罪悪感に苦しむ事となる。 物語後半は辛い場面が多く読むのも苦しいが、印象的な森の中のシーンと光のあるラストに涙が溢れる。 バラバラになった3人は数学によって再び繋がるのだ。 深い森と数学の世界を重ね合わせたような描写は、数学の持つ美しさや正しさがくっきりと見えるような気がする。 先日読んだ「付き添うひと」がとても良かったので、著者のデビュー作である本書を手に取ったのですが、こちらも読んで大正解。 数学苦手な私でも、全く問題なしです^_^ 嫉妬や劣等感などは、きっと誰もが経験する感情で、心の何処かに“孤独”も同居しているのではないでしょうか。
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圧倒的な才能の前で自分にないものであったり、自分が昔諦めた道を猛進する人を妬み否定する気持ちは自分でも抱いてしまうだろうなと感じました。 また、数学は高校になってから正に社会で使わないからと勝手に決めつけ苦手になってしまいましたが、世界の真理を表す学問であることは社会人になってか...
圧倒的な才能の前で自分にないものであったり、自分が昔諦めた道を猛進する人を妬み否定する気持ちは自分でも抱いてしまうだろうなと感じました。 また、数学は高校になってから正に社会で使わないからと勝手に決めつけ苦手になってしまいましたが、世界の真理を表す学問であることは社会人になってから理解することが出来ました。 「固く握られた手に彼女の本心が閉じ込められているようだった。」
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この作家さんは初めて読みました。たぶん、タイトルに惹かれたのとたまたまダブルカバーで存在していたので手にして積読していたのですが…読み始めるとなんで手を付けていなかつたんだろう?って後悔するくらいに惹き込まれた作品でした。数学を題材にしていて、数学詳しくなくても、たぶん苦手でもあ...
この作家さんは初めて読みました。たぶん、タイトルに惹かれたのとたまたまダブルカバーで存在していたので手にして積読していたのですが…読み始めるとなんで手を付けていなかつたんだろう?って後悔するくらいに惹き込まれた作品でした。数学を題材にしていて、数学詳しくなくても、たぶん苦手でもある意味二人の主人公を通して描かれる数学との関わり方、そして未解の問題へ向かい合う姿勢やプロセス、そこに生じる熱量や想いなんかが上手く盛り込まれていて登場人物それぞれの立ち位置やその変化読み進むほど先の行く先が気になって読み進めてしまう感じでした。最後の展開は…その後も気になるような、ある意味しっくり出来たような読む人によって感じ方違うかも…な印象でした。
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圧倒的な才能を持つがゆえの栄光と孤独、そして天才の周りの人間が抱える憧れと嫉妬を、様々な側面から描いた青春小説でした。これらを余すことなく描くことで、才能の異質さや残酷さも浮き彫りにされます。 物語は現在のパートと過去のパートが並行して進んでいきます。現在パートでは、亡くなった...
圧倒的な才能を持つがゆえの栄光と孤独、そして天才の周りの人間が抱える憧れと嫉妬を、様々な側面から描いた青春小説でした。これらを余すことなく描くことで、才能の異質さや残酷さも浮き彫りにされます。 物語は現在のパートと過去のパートが並行して進んでいきます。現在パートでは、亡くなった数学の天才、瞭司の遺した研究ノートをめぐっての物語。過去パートでは、その瞭司の大学時代のエピソードが語られます。 信頼できる仲間や恩師との出会い。自分の興味や情熱にしたがい、研究に没頭する日々。それは大学時代という一種のモラトリアムだからこそ、かなえられた幸福な時間。 そして突きつけられる現実と挫折。瞭司に対し、複雑な感情を抱き、それぞれの道へ進み出す仲間や恩師たち。その才能ゆえに瞭司は、数学から適切な距離を取ることができず、どん底へと墜ちていきます。 天才の内面描写は難しいと思うけれど、学生時代の仲間意識やワクワク、あるいは現実に突き当たっての挫折、というふうに、凡人である自分にも、共感しやすく書かれていて、入り込みやすかった。 一方で天才らしい発想や感性というものも、文中で繊細に描かれます。瞭司の専門分野は数学なのだけど、それが読んでいる自分に難しく感じられることもなく、逆に数学の美しさすらも感じさせます。 天才数学者を描いた話だと、東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』や小川洋子さんの『博士の愛した数式』が、 大学生活ならでは青春の青さと苦さを描いた話では、森博嗣さんの『喜嶋先生の静かな世界』が思い浮かびます。 そうした作品とはまた違った角度から、天才が故の苦悩や挫折を、青春の一コマ一コマを、数学と人とのつながりを描ききった、素晴らしい一作だったと思います!
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