永遠についての証明 の商品レビュー
数学者、数字を羅列するだけで1日はおろか気付いたら何日も…なんて話には聞くもファンタジーかと思っていた世界がここにあった。 それだけで世界が何層も広がった気がしている。読んで良かった。 ただ好き、を追求するのには暸司くんは天才すぎたのか。生き方って誰にも決められないはずなのにね...
数学者、数字を羅列するだけで1日はおろか気付いたら何日も…なんて話には聞くもファンタジーかと思っていた世界がここにあった。 それだけで世界が何層も広がった気がしている。読んで良かった。 ただ好き、を追求するのには暸司くんは天才すぎたのか。生き方って誰にも決められないはずなのにね。 アル中の辛い描写が胸に痛い。
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理数系を避けてきた私にとって、登場人物に嫉妬を覚えつつ読み更けた。 ただ、アル中にて逝去という おきまりのパターンは、いただけない。
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間違いなく今年のベスト5に入る小説に出合った。最後はもう涙が止まらなかった。美しくて愚かで、純粋で、この物語に出合えたことを幸せに思う。
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天賦の才に恵まれた数学者の栄光と挫折、そして彼を巡る周囲の葛藤を描く青春小説であり、真理の残酷さを説く人間ドラマ。文庫化に際し加筆修正が加えられたようだが、これがデビュー作とは到底思えない堂々とした仕上がり。ラストの展開は少々やり過ぎ感が否めないが、直感型の才覚に振り回され、周囲...
天賦の才に恵まれた数学者の栄光と挫折、そして彼を巡る周囲の葛藤を描く青春小説であり、真理の残酷さを説く人間ドラマ。文庫化に際し加筆修正が加えられたようだが、これがデビュー作とは到底思えない堂々とした仕上がり。ラストの展開は少々やり過ぎ感が否めないが、直感型の才覚に振り回され、周囲の変化に適合出来ない瞭司の生き辛さ。そして、嫉妬心と自己弁護から己の性分を受け入れられない熊沢の対比が絶妙。どちらにも感情移入出来るがゆえ、遣る瀬無さもひとしお。行き過ぎた天才にこそ、それを支える右腕的存在が必要不可欠なのだろう。
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よかった。 瞭司は数学を追究するだけでなく、数学を通じて熊沢、佐那とつながりたかったのだろう。 けど、瞭司がアル中になるのはよくなかった。 自分は数学者に少し憧れがあるか。 特に純粋に数学を追究する瞭司のような人には。 その瞭司がアル中から命を落とすのはちょっと。 数学に入り込みすぎて別の世界に行ってしまうにしても、生きていて欲しかった。
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数学を居場所とし、孤独から仲間といることを覚えた後にまた孤独を感じていく。それぞれが成長したが故の寂しさが切なかった。 どれだけアルコールに溺れても、仲間がそれぞれの道を進んでも数学が好きで、数学を続けていたがその根底にある思いが数学を続けて論文を書けばあの頃みたいに仲間と議論を交わせるという思いだったのが苦しくなった。 彼にとって数学は話題であり、仲間と繋がりを感じるものだった。逆を言えばそれ以外を知らず、見つけられずだったのではないかと思う。
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涙… ただ仲間と数学がしたかった。 瞭司は一生懸命だったんですね 数学のことは分からなかったけどとても魅力的なんだなぁ~と感心しました。
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「中・高生の苦手な教科第1位は数学!」聞き覚えのある残念なフレーズです。 実は私、学生時代は数学が嫌いではありませんでした(自慢かよ!)。ズボラな私には、暗記事項が少なく、様々な考え方があって、時間をかけて解法を見出す数学に、パズル的な面白さを感じていたのかもしれません。 ...
「中・高生の苦手な教科第1位は数学!」聞き覚えのある残念なフレーズです。 実は私、学生時代は数学が嫌いではありませんでした(自慢かよ!)。ズボラな私には、暗記事項が少なく、様々な考え方があって、時間をかけて解法を見出す数学に、パズル的な面白さを感じていたのかもしれません。 本書は、数学が好きな人・苦手な人へでも、自信をもっておすすめできる一冊です。 内容を端的に言うと「天才数学者の孤独・苦悩・葛藤」の恐ろしさと悲劇、「真理を追求する生き方」の崇高さを扱った物語ということになるでしょう。 数学者たちの物語ですが、描かれているのは、友情、恋愛、羨望、嫉妬、劣等感…。そして、一つのことをどこまでも追求するには、多少の何らかの犠牲が伴うこと。これらは誰もが経験しうる苦悩だと思います。 主人公の「問題を解くことに挫折はない」という言葉は、数学に限らず、様々な困難を抱える現代社会の打開策模索に、相通じる気がします。 こういう世界は分からないし、分かりたくもないという読者の方もいるでしょうが、私にはいたく響きました。年の瀬の足音がやってくる師走を目前にして、思わぬ掘り出し物に出会った感覚です。 天才数学者と言えば、東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」や小川洋子さんの「博士の愛した数式」を思い浮かべますが、また違った感動をもらいました。 また興味の虫が騒ぎ出し、王城夕紀さんの「青の数学」、川添愛さんの「数の女王」も読んでみたくなってきました。 ヤバい! また積読本が貯まる!
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何気なく手に取った一目惚れのような本だが、もの凄いものを読んだ感覚。 最初から惹きこまれ、途中はとても辛かった。 2度のクライマックスに嗚咽が止まらなかった。 胸を打たれる物凄い本だった。
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仕事の休み時間に読んでいて、休み時間が終わって本を閉じて仕事に戻る時、本の中にまだ思考が取り残されていて、現実の方がフィクションであるかのような感覚が久々にあった。 かけ足な過去とスローな現在の話が交互に繰り返され、だんだんとその距離が近づいて交わる、言葉で過去と現在の距離が縮ん...
仕事の休み時間に読んでいて、休み時間が終わって本を閉じて仕事に戻る時、本の中にまだ思考が取り残されていて、現実の方がフィクションであるかのような感覚が久々にあった。 かけ足な過去とスローな現在の話が交互に繰り返され、だんだんとその距離が近づいて交わる、言葉で過去と現在の距離が縮んでいく構成がとても美しかった。 数学的な知識はないので、数学者が読んだらどうなのだろう??と気になったりもする。 辛い方向へ収束するのが分かっていたので、文字を追うのが辛い部分もあった。だが結末は不思議と悲壮感はなかった。過去と現在の後悔や焦燥感、機微に触れることのできる作品だった。
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