永遠についての証明 の商品レビュー
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電車の中で何度も涙を流しながらあっという間に読み終えてしまった。暸司の天才ゆえの孤独は想像することも難しかったけれど、人との関わりが苦手でも人との関わりを望んでいたり、数学で身を立てる道のりに悩んだりと人間味のある部分が愛しくも悲しかった。飲み会帰りに一緒に飲んでいた後輩から熊沢に電話がきて、自分の携帯を一応確認したが着信はなかったという描写が特に辛かった。 終盤に救いがあって良かった。解説も良かった。
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よく言われることなんだけど、数式って「美しい」もので、私自身は数学とかちんぷんなんだけど、単なる数学者たちの紆余曲折ではなく、芸術家であり哲学者でもある人たちの物語だと思った。 芸術を突き詰めていくことは狂気の沙汰でもあって、その常軌を逸する様にどきどきしながら一気に読んだ。 ...
よく言われることなんだけど、数式って「美しい」もので、私自身は数学とかちんぷんなんだけど、単なる数学者たちの紆余曲折ではなく、芸術家であり哲学者でもある人たちの物語だと思った。 芸術を突き詰めていくことは狂気の沙汰でもあって、その常軌を逸する様にどきどきしながら一気に読んだ。 知らない世界をこんなに魅力的に見せてくれる岩井先生の文章ってほんとに素晴らしい。
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数学チックな話で終わるかと思いきや、学生から社会人に変化していく過程での葛藤、好きなことを好きなだけやりたいのに理解してもらえない現状など、人間ドラマも描かれていてあっという間に読了。
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瞭司、熊沢、沙那の学生時代。 特に小沼がいた時代がいちばん話の中ではよかった。 小沼が瞭司を見守り続けていれば瞭司は死なずに済んだのだろうか。〈ミツヤノート〉はクマが解読してくれることを祈るばかり。 ・この大学ノートはいわば、長い時間をかけて書かれた瞭司の遺書だ。 ・ごめんな瞭司。お前の遺書、俺には読めなかったよ。 ・「私の天分は瞭司の跡を継ぐことです」 ・数学者はいつか死ぬが、数学者のつくった理論は何百年と生き続ける。 ・瞭司は胸のうちでつぶやいた。ほら、言った通りでしょう。今解けなければ、死ぬまでに解ければいい。僕が解けなければ、他の誰かが解けばいい。プルビス理論が生きている限り、僕は死なない。肉体が滅びても、僕は理論として生まれ変わる。 ・瞭司が播いた種を育て、芽吹かせるのが俺の役目だ。
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1人の数学の天才とその才能に魅せられた仲間が互いに認め合って繋がっていく。でも後半は、天才がゆえの孤独、才能への妬みと劣等感が渦巻いていき心が痛い。その才能から周りから羨まれ妬まれ、仲間だと思っていた人からもしだいに距離が離れ孤独になっていく。自分はただ純粋に数学が好きで他のことには関心がなく何も変わっていないのに。天才の孤独ってこんな感じなのかもしれない。ラストのようにまた次の天才が生まれるんだな。
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数学の天才とも言われる瞭司、理論的で常識な熊沢、そして大学生活をエンジョイするかのような佐那。 他にも瞭司の恩師である小沼先生、など登場人物はいるが、その彼ら一人一人が鮮やかかつ丁寧に彩られている小説だと感じた。 "数学"と聞くと、苦手意識がある人も多いと思...
数学の天才とも言われる瞭司、理論的で常識な熊沢、そして大学生活をエンジョイするかのような佐那。 他にも瞭司の恩師である小沼先生、など登場人物はいるが、その彼ら一人一人が鮮やかかつ丁寧に彩られている小説だと感じた。 "数学"と聞くと、苦手意識がある人も多いと思われるが、こんなに美しく儚い物語はあるだろうか。 この小説は誰が読んでも、登場人物誰かに共感し、誰かに心打たれる、そんな一冊だと感じた。 瞭司の"見える"世界が、"見えない"私たちにも鮮やかに伝わる文章だった。
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天才というものは、その能力のせいで孤独なのかもしれない。でも、彼の周りの友人や恩師たちに彼の孤独を理解し、支えるのは難しい。 瞭司が数学にのめり込むのから孤独なのか、孤独だからのめり込むのか。 小説としては、私は好きな感じだったけど、私は瞭司のような人をなんとか出来はしないし、支...
天才というものは、その能力のせいで孤独なのかもしれない。でも、彼の周りの友人や恩師たちに彼の孤独を理解し、支えるのは難しい。 瞭司が数学にのめり込むのから孤独なのか、孤独だからのめり込むのか。 小説としては、私は好きな感じだったけど、私は瞭司のような人をなんとか出来はしないし、支えきれなかった周りの人たちも、仕方なかったよね。と思った。
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数学の天才瞭司、天才故に彼の見えてる景色を誰とも共有できない。やっと巡り合えた話せる相手はどんどん離れていく。 瞭司の孤独に胸が痛いです。 読むのを躊躇してる理由が、数学なら迷わず読んで欲しい。 数学はおろか算数さえ苦手ですが、全く問題なく読めました。
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才能と孤独はセットなのだろうか しかし人は皆孤独なのだ 一時心を通い合わせた友人達も今ではほとんどが疎遠だ 人と関わるのは楽しいことばかりではない どちらかと言えば傷つくことの方が多い それでも分かって欲しいと願うのはなぜなのだろう その弱さが憎いと同時にその弱さがあるから生きて...
才能と孤独はセットなのだろうか しかし人は皆孤独なのだ 一時心を通い合わせた友人達も今ではほとんどが疎遠だ 人と関わるのは楽しいことばかりではない どちらかと言えば傷つくことの方が多い それでも分かって欲しいと願うのはなぜなのだろう その弱さが憎いと同時にその弱さがあるから生きていけるのかもしれない
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ジャンルは文学なんだね。 でも、とても良かった。 森見登美彦さんの解説も良き。 数学の具体的な式だとか計算は書かれてない。 ただ紙に書いているという描写だけ。 どんなの書いているんだか… 映像だと何かしら数式みたいなのがづらづら書かれているのが見れるんだろうけど…そんなのは要らな...
ジャンルは文学なんだね。 でも、とても良かった。 森見登美彦さんの解説も良き。 数学の具体的な式だとか計算は書かれてない。 ただ紙に書いているという描写だけ。 どんなの書いているんだか… 映像だと何かしら数式みたいなのがづらづら書かれているのが見れるんだろうけど…そんなのは要らないみたい。 主人公の名前は、明瞭の瞭なのか。なんでかわからないけど、ずっとりょうでなくてとうと置き換えて読んでて煩わしかった。
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