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永遠についての証明 の商品レビュー

4.2

67件のお客様レビュー

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2024/10/23

【2024年191冊目】 数学と共に生きる瞭司は、明和大に特待生として入学し、同じく特待生として入学してきた熊沢や佐那と共に論文を発表することに成功する。大好きな数学、同じ視野を持ち、数学について存分に語れる仲間、数学に没頭できる環境に幸福を感じていた瞭司だったが、周囲はどんどん...

【2024年191冊目】 数学と共に生きる瞭司は、明和大に特待生として入学し、同じく特待生として入学してきた熊沢や佐那と共に論文を発表することに成功する。大好きな数学、同じ視野を持ち、数学について存分に語れる仲間、数学に没頭できる環境に幸福を感じていた瞭司だったが、周囲はどんどんと変わっていき――。 数学に限らずどの分野もそうですが、才能がある人とか、天才だと言われる人が、人間としてできているとか、生活能力があるかというと、それはまた別問題だったりします。と、同時に天才の周りの人達がその才能へ嫉妬心を抱くのも当然のことで、本著は終始一貫そういった大変「人間」らしさを突き詰めた作品だったなと思いました。 希望に溢れていた頃と、その後の衰退していく様と、残された人達の心の葛藤がかわるがわる表れるので、唸りながら読む羽目に。天才と普通の人の間にある難解さを見つめることになりました。 ただ、数学がしたいだけなのに、孤独から救い出してくれた仲間と共に歩みたいだけなのに、ままならない現実から逃れるために酒に逃げて、そのままこの世からも去ることになってしまったという、あまりにもあまりにな悲劇。誰が悪いとか、悪くないとか、そういうことではなく、恐ろしいほどのボタンのかけ違い。 これ、デビュー作ですか。人間を知りすぎてるのでは。見事でした。

Posted byブクログ

2024/10/20

登場人物たちの行動や心理のリアルさや、数学への熱意の表現が素晴らしく、その文才に圧倒されました。主人公2人が永遠の中で再会したことに胸が熱くなりました。

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2024/10/20

 これ、読みたかったんですよねぇ…!やっと手にすることができました。でも、私、数学苦手っ…というか、数字が好きじゃないんですよね…そんな私でも読めるのか、心配もありましたが、無事に読み切ることができました。やっぱり、岩井圭也さんの作品だなぁ~と実感しました。  「数学」じゃなく...

 これ、読みたかったんですよねぇ…!やっと手にすることができました。でも、私、数学苦手っ…というか、数字が好きじゃないんですよね…そんな私でも読めるのか、心配もありましたが、無事に読み切ることができました。やっぱり、岩井圭也さんの作品だなぁ~と実感しました。  「数学」じゃなく「数覚」か…これもスゴイ!第一、「数覚」なんてこれまで生きてきて初めて知る言葉…!!その「数覚」の才能に恵まれた三ツ矢瞭司は、熊沢勇一、斎藤佐那とともに、協和大学数学科の特別推薦生としてその門をくぐる。三ツ矢瞭司の「数覚」は超越しており、熊沢勇一や斎藤佐那、顧問の小谷教授をも引き付けるが、逆にその才能には敵わないと距離をおかれる様になり、孤独に苛まれつつも「数学」から離れられなかった三ツ矢瞭司は…。  私には「数覚」なんてものがなくてよかった!なんて、単なる負け惜しみだけれど…。「天才」と呼ばれる人には「凡人」の私には想像もできないほどの苦しみもあるんだなぁ…と思ったりしました。三ツ矢瞭司のことを忘れず、何かできないかと奔走する熊沢勇一と斎藤佐那…彼らには、数学でつながった消えない友情があるのでしょうね!読めてよかったです。

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2024/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

電車の中で何度も涙を流しながらあっという間に読み終えてしまった。暸司の天才ゆえの孤独は想像することも難しかったけれど、人との関わりが苦手でも人との関わりを望んでいたり、数学で身を立てる道のりに悩んだりと人間味のある部分が愛しくも悲しかった。飲み会帰りに一緒に飲んでいた後輩から熊沢に電話がきて、自分の携帯を一応確認したが着信はなかったという描写が特に辛かった。 終盤に救いがあって良かった。解説も良かった。

Posted byブクログ

2024/10/16

よく言われることなんだけど、数式って「美しい」もので、私自身は数学とかちんぷんなんだけど、単なる数学者たちの紆余曲折ではなく、芸術家であり哲学者でもある人たちの物語だと思った。 芸術を突き詰めていくことは狂気の沙汰でもあって、その常軌を逸する様にどきどきしながら一気に読んだ。 ...

よく言われることなんだけど、数式って「美しい」もので、私自身は数学とかちんぷんなんだけど、単なる数学者たちの紆余曲折ではなく、芸術家であり哲学者でもある人たちの物語だと思った。 芸術を突き詰めていくことは狂気の沙汰でもあって、その常軌を逸する様にどきどきしながら一気に読んだ。 知らない世界をこんなに魅力的に見せてくれる岩井先生の文章ってほんとに素晴らしい。

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2024/10/01

数学チックな話で終わるかと思いきや、学生から社会人に変化していく過程での葛藤、好きなことを好きなだけやりたいのに理解してもらえない現状など、人間ドラマも描かれていてあっという間に読了。

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2024/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

瞭司、熊沢、沙那の学生時代。 特に小沼がいた時代がいちばん話の中ではよかった。 小沼が瞭司を見守り続けていれば瞭司は死なずに済んだのだろうか。〈ミツヤノート〉はクマが解読してくれることを祈るばかり。 ・この大学ノートはいわば、長い時間をかけて書かれた瞭司の遺書だ。 ・ごめんな瞭司。お前の遺書、俺には読めなかったよ。 ・「私の天分は瞭司の跡を継ぐことです」 ・数学者はいつか死ぬが、数学者のつくった理論は何百年と生き続ける。 ・瞭司は胸のうちでつぶやいた。ほら、言った通りでしょう。今解けなければ、死ぬまでに解ければいい。僕が解けなければ、他の誰かが解けばいい。プルビス理論が生きている限り、僕は死なない。肉体が滅びても、僕は理論として生まれ変わる。 ・瞭司が播いた種を育て、芽吹かせるのが俺の役目だ。

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2024/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1人の数学の天才とその才能に魅せられた仲間が互いに認め合って繋がっていく。でも後半は、天才がゆえの孤独、才能への妬みと劣等感が渦巻いていき心が痛い。その才能から周りから羨まれ妬まれ、仲間だと思っていた人からもしだいに距離が離れ孤独になっていく。自分はただ純粋に数学が好きで他のことには関心がなく何も変わっていないのに。天才の孤独ってこんな感じなのかもしれない。ラストのようにまた次の天才が生まれるんだな。

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2024/09/20

数学の天才とも言われる瞭司、理論的で常識な熊沢、そして大学生活をエンジョイするかのような佐那。 他にも瞭司の恩師である小沼先生、など登場人物はいるが、その彼ら一人一人が鮮やかかつ丁寧に彩られている小説だと感じた。 "数学"と聞くと、苦手意識がある人も多いと思...

数学の天才とも言われる瞭司、理論的で常識な熊沢、そして大学生活をエンジョイするかのような佐那。 他にも瞭司の恩師である小沼先生、など登場人物はいるが、その彼ら一人一人が鮮やかかつ丁寧に彩られている小説だと感じた。 "数学"と聞くと、苦手意識がある人も多いと思われるが、こんなに美しく儚い物語はあるだろうか。 この小説は誰が読んでも、登場人物誰かに共感し、誰かに心打たれる、そんな一冊だと感じた。 瞭司の"見える"世界が、"見えない"私たちにも鮮やかに伝わる文章だった。

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2024/09/14

天才というものは、その能力のせいで孤独なのかもしれない。でも、彼の周りの友人や恩師たちに彼の孤独を理解し、支えるのは難しい。 瞭司が数学にのめり込むのから孤独なのか、孤独だからのめり込むのか。 小説としては、私は好きな感じだったけど、私は瞭司のような人をなんとか出来はしないし、支...

天才というものは、その能力のせいで孤独なのかもしれない。でも、彼の周りの友人や恩師たちに彼の孤独を理解し、支えるのは難しい。 瞭司が数学にのめり込むのから孤独なのか、孤独だからのめり込むのか。 小説としては、私は好きな感じだったけど、私は瞭司のような人をなんとか出来はしないし、支えきれなかった周りの人たちも、仕方なかったよね。と思った。

Posted byブクログ