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母の待つ里 の商品レビュー

3.9

77件のお客様レビュー

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2022/02/28

久々に浅田次郎の小説に涙が止まらなくなった 眼科の待ち時間に読了、涙も誤魔化せた 限界集落を壮大な故郷計画を実現して、この故郷に泊まる人達の心を癒す 最後には胸が熱くなって

Posted byブクログ

2022/02/26

読了後、しばらく呆然とした。 非現実的なお話かと思いきや、現実にもあり得そうなお話。 作られた世界とわかっていながらも訪れた皆が心満たされるのは、母の思いやりではないでしょうか。後ろめたさを持ちながらもおもてなししていた母は、まるで本当の親子のようで、人間味があり、いくら契約とは...

読了後、しばらく呆然とした。 非現実的なお話かと思いきや、現実にもあり得そうなお話。 作られた世界とわかっていながらも訪れた皆が心満たされるのは、母の思いやりではないでしょうか。後ろめたさを持ちながらもおもてなししていた母は、まるで本当の親子のようで、人間味があり、いくら契約とはいえお金以上のものを感じた。 ふるさととは心の拠り所のような心温まる場所なんだな、とホッコリした。

Posted byブクログ

2022/02/26

東北の限界集落の曲がり屋で、ブラックカードの会員にだけ提供されるサービス。1泊2日50万円でふるさとを疑似体験するというサービスは本当にありそうで、最初は都会者の感傷と過疎の村の打算の構図が見えて嫌な気がした。 だけど読み進めるにつれて見えてくる利用する側の寂しさ、もてなす側が...

東北の限界集落の曲がり屋で、ブラックカードの会員にだけ提供されるサービス。1泊2日50万円でふるさとを疑似体験するというサービスは本当にありそうで、最初は都会者の感傷と過疎の村の打算の構図が見えて嫌な気がした。 だけど読み進めるにつれて見えてくる利用する側の寂しさ、もてなす側が表に出さない深刻な事情、その中で心底母に徹するちよさんの姿に少しずつ心が動いていく。 都会暮らしの便利さと引き換えに不自然の中に身を置くことの虚しさ。自分の人生そのものさえ箱庭の中の物語のように感じる登場人物の気持ちが身に染みる。 サービスを受けた4人の利用者が、最後に損得抜きで集まるシーンは感涙ものだし、この不自然なサービスによって利用者とちよさんの間に、自然な心の交流があったことに胸を熱くした。 食べること、生きること、死ぬこと、家族、そんなことについてしみじみと思いを馳せ、じわりと涙が溢れてくる良作でした。

Posted byブクログ

2022/02/12

浅田氏はこれまで多くの作品があるのに、いまだに多様な良作を提供してくれる。とてもとてもありがたい。 そして、やっぱり紙の本は良いな。

Posted byブクログ

2022/02/08

大手のカード会社で、ブラックカードを所持している人達限定に案内している「ホームタウン・サービス」。利用者は、ある「ふるさと」を訪問し、昔その土地の住民だった人として、「母親」が迎えてくれる。近所の住民も、「そこに住んでいた人」として招いてくれるので、まるでここが生まれ育った場所の...

大手のカード会社で、ブラックカードを所持している人達限定に案内している「ホームタウン・サービス」。利用者は、ある「ふるさと」を訪問し、昔その土地の住民だった人として、「母親」が迎えてくれる。近所の住民も、「そこに住んでいた人」として招いてくれるので、まるでここが生まれ育った場所のように振る舞ってくれる。 1泊50万円という破格の値段だが、三人は同じ「母」にお世話になりながら、「母の子供」として過ごした。 三人とも還暦間際。独身だったり、熟年離婚だったりと三人それぞれの人生を歩んできた。 「母」と過ごすうちに、これからのことをどう考えるのか。三人の岐路が始まる。 前情報なしに読み進んだので、最初の段階では「?」ばかりでした。故郷に帰ってきたのに母親の名前を知らなかったり、サービス?という名の訪問や三人が同じ「母」にお世話になるといった、奇妙なことだらけでした。 後にわかる、あるカード会社のサービスプラン。年間35万円、1泊50万円というお金持ちの考えていることはよく分からんといった具合で、目が点になりました。 正直、日にちを変えて、異なる三人が同じ流れでお世話になるシーンは、つい笑ってしまいました。 それでも、「母」を演じているおばあちゃんには、賞をあげたくなるほど素晴らしかったです。愛しさや温もり、例え嘘だったとしても、ほっこりした気持ちにさせてくれるので良かったです。 物語ですが、三人の視点が交互に変わりながら進行します。 いつの間にかずっと独身を貫いてきた松永、熟年離婚で独りになった室田、医者として働いてきた古賀が、同じ「母」と出会うことで、変化が訪れます。 三人とも、家庭がなかったり、親が亡くなったことにより故郷がありません。その寂しさを埋めるかのように利用した「ホームタウン・サービス」。 その場所は果たして「ふるさと」と呼べるのか?色んな考えがあるかと思います。結果としては、本人が「ふるさと」と言えば、そうなのですが、果たして偽りで出来た所あるいは突然訪問した所に愛着が湧くのか。 自分にとっての「ふるさと」とは何なのか? 色んな意見を聞きたいなと思いました。 その後、三人とも愛着が湧き、再度利用することになります。段々と心が潤っていくだけでなく、「親」と「子」としての愛も垣間見えて、豊かな気持ちにもなりました。 そんな時に訪れる後半からの展開。いつかは訪れるであろう「別れ」にウルっとしてしまいました。 さらに読了後に表紙を見ると、じんわりとくるものがあり、よりウルっとしてしまいました。 三人がそれぞれどんな決断をしていくのか。 どんなに富んでいたとしても、中身は「みんな」と同じです。やっぱり人との「愛」って良いなぁと思ってしまいました。 ただ、個人的には、この体験は結構です。良い体験かと思いますが値段が高すぎます。そんなにまで、「ふるさと」を味わうのはちょっと違うかなと思いました。

Posted byブクログ

2022/02/04

都市部で暮らす三人の人物が、カード会社の提供する『故郷』を体験する話。始めの方で、「騙されているんじゃないか?」という話が出てきてから、素直に作品に入り込めなくなり、浅田作品としてはあまり良い印象を持てなかった。

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2022/02/01

久しぶりの浅田次郎さんの作品に触れた。 新潮社出版部部長、中瀬ゆかりさん絶賛で最後は滂沱の涙となる筈でしたが、期待し過ぎました。 第一章「松永徹氏の場合」を読み始めてしばらくしてある事を感じる。 母の待つ里へ40年ぶりに帰るのだが、そこでやり取りされる会話文章の雰囲気がなんだか...

久しぶりの浅田次郎さんの作品に触れた。 新潮社出版部部長、中瀬ゆかりさん絶賛で最後は滂沱の涙となる筈でしたが、期待し過ぎました。 第一章「松永徹氏の場合」を読み始めてしばらくしてある事を感じる。 母の待つ里へ40年ぶりに帰るのだが、そこでやり取りされる会話文章の雰囲気がなんだかおかしい。 浅田次郎さん独特の霊的な物みたいな含みがあるのだろうか? この章を読み終えた時に 「あー、やっぱりなあ。そう言うことね」 となりました。 これ以上はネタバレになる。 この後その他2人の同様の話が続く。 忙しなく余裕のない現実社会で失ってしまった理想の古里を手に入れ、穏やかなひと時をそこで過ごす。 ありそうな発想ではなかろうか。 私には本作の良さが読み取れなかった。

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