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母の待つ里
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母の待つ里

浅田次郎(著者)

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母の待つ里

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/01/26
JAN 9784104394067

母の待つ里

¥1,760

商品レビュー

3.9

77件のお客様レビュー

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2024/09/02

人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる

本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの...

本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの社会的地位も経済力もある男女3人、最終的には4人になるが、彼らそれぞれの物語である。4人に共通しているのは、帰るべきふるさとを持たず、すでに両親がないことに加え、そろそろ老境に差し掛かっての孤独感や疎外感、寂寥感や虚無感そして何より心の拠り所のなさを抱えていることであろうか。無償の愛と真心、嘘のない言動で接してくれるかりそめの母親との一夜限りの交歓を通じて、4人は現実生活の中での自然と不自然、自由と不自由、幸福と不幸について深く考える機会を得る。終盤に自然といえば至極自然な想わぬ結末が待っているが、それが奇しくもサービスの利用者達をつなぐことにもなる。母親役を完璧に演じ切った老婆が最後に独白する寝物語が重く切なく心に響く。人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる著者らしいハートウォーミングな感動作である。

fugyogyo

2024/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

浅田次郎さんの小説はいつも面白い世界を見せてくれる 人生に疲れ果てた寄るべない人々が、ありませぬふるさとと、いもせぬ母を求めてあの家を訪れる

Posted by ブクログ

2024/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2024/08/01予約 8 思いがけないストーリー、どんどんのめり込んであっという間に読了。 読み終えるのが残念だった。 プレミアムカード会社の「ホームタウンサービス」を利用する還暦前後の3人。 大会社の社長、松永徹 病院勤務の女医、古賀夏生 会社の部長、室田精一 ヴィレッジで待つペアレントのちよ、彼女は疑似故郷の母親で、帰ってくる子どもの名字に合わせて松永、古賀、室田、になったりする。ちよの、AIではないのに臨機応変なクレバーさ、対してユナイテッドカードプレミアムクラブの吉野さんのAI疑惑。 どちらも現代にあっておかしくない、考えうるサービス。 ちよさんの、本物と間違うほどの子を想う情愛。ところどころ綻びが現れても、それも子を思うがゆえ、と心から思える。 対してAI吉野さん、こちらもなかなか洗練されたプロフェッショナルな受けこたえが、素晴らしいと思った。 ストーリーが進んでいくにつれ、ホームタウンサービスの裏側、各人のバックグラウンドが明らかになり、求める人、求められる人がいて成り立っているなら、否定するものではないと感じた。多分、この本のいいところは、人間っぽさが各所で見えるから。サービス契約(?)には含まれないラストの電話連絡がまさにそれ。 私はちよを始めヴィレッジの人々の訛りがわかりにくく苦戦したが、読んでよかった、おすすめです。

Posted by ブクログ

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