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母の待つ里
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母の待つ里

浅田次郎(著者)

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母の待つ里

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/01/26
JAN 9784104394067

母の待つ里

¥1,760

商品レビュー

3.9

83件のお客様レビュー

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2024/09/02

人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる

本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの...

本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの社会的地位も経済力もある男女3人、最終的には4人になるが、彼らそれぞれの物語である。4人に共通しているのは、帰るべきふるさとを持たず、すでに両親がないことに加え、そろそろ老境に差し掛かっての孤独感や疎外感、寂寥感や虚無感そして何より心の拠り所のなさを抱えていることであろうか。無償の愛と真心、嘘のない言動で接してくれるかりそめの母親との一夜限りの交歓を通じて、4人は現実生活の中での自然と不自然、自由と不自由、幸福と不幸について深く考える機会を得る。終盤に自然といえば至極自然な想わぬ結末が待っているが、それが奇しくもサービスの利用者達をつなぐことにもなる。母親役を完璧に演じ切った老婆が最後に独白する寝物語が重く切なく心に響く。人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる著者らしいハートウォーミングな感動作である。

fugyogyo

2024/11/10

少し先の話になるが、私も定年を迎える時期になると、何かが抜けてしまうような感覚なのだろうか? 独身ではないので、今はまだ何も考えられていないが、人の暖かさを感じる作品でした。

Posted by ブクログ

2024/11/04

帰ることができる場所と、待っていてくれる人がいる。 田舎で育った自分には当然のことなんだけど、それが当然じゃない、『不自然』な人がたくさんいる、それが今の日本のひとつの姿らしい。 今も田舎に住み、都会暮らしになんの憧れも抱かない自分には今ひとつ想像ができないことなんだけども。

Posted by ブクログ

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