母の待つ里 の商品レビュー
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読み始め、ん?と思わせ、徐々に種明かしされて行く。 と、同時にサービスと割り切れない互いの思いがじわじわと漏れてくる。 ふるさと=母というテーマであり、お金で手に入れるふるさとがあったとしたら、という面白い発想にびっくり。 ラストは母側の事情にも触れてあり、なるほど。 思ってた話と全然違ってたのだけど面白かった。
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温かな里の言葉に引き込まれ、 自分も母のところに行きたくなった。 たとえそれが嘘の世界でも、癒して もらえることはあるんだな。 想像してなかった作品ですが、 こんなサービスもありですね。
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望郷の念というか、お金の対価にしては最高のおもてなし。騙す騙されるとの板挟みになりながらも、心の拠り所は必要なのかもしれない。執拗に墓参りを進めてきたとき、黒い心がよぎったけれど自分の心の浅ましさになんだかはずかしかった。三者三様に母を慕う姿にジーンとしてしまった。ラストはただた...
望郷の念というか、お金の対価にしては最高のおもてなし。騙す騙されるとの板挟みになりながらも、心の拠り所は必要なのかもしれない。執拗に墓参りを進めてきたとき、黒い心がよぎったけれど自分の心の浅ましさになんだかはずかしかった。三者三様に母を慕う姿にジーンとしてしまった。ラストはただただ悲しい。やっぱり浅田次郎さんの作品は好きだなぁと実感した。
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初めて浅田次郎さんの作品を読んだが、面白かった。人はやはり、母やふるさとを求めるんだなと思った。 50万円で、ふるさと一帯でのサービスには驚いたが、こういうことも展開されうる時代なのかなと思った。母のちよさん亡き後、サービス上の子供達がかけつけるシーンにはジーンときた。ちよさんは皆に大事にされて幸せ者だ。残った子供達が今後何らかの形で交流が持てたら、いいなと思った。 タイトルと表紙がまたいい。松重豊さんを彷彿させるような後ろ姿だ。
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理想のふるさとって、けっこう難しい。今住んでいる場所が理想のふるさとと感じている人もいれば、元々都会出身のため、ふるさとがない人もいる。結果的に、自分自身の想いに語りかけているみたいだ。
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浅田次郎さん、泣かせる。 「母」主に3人の主人公の母なそれぞれの故郷ではない村に。その母を思い初老の主人公達の日々の生活の癒しとして存在する「母」。 ネタバレになるので書けないけど、このシステムを考えついたのは著者なのか、本当にあるシステムなのかはわからない。しかしそんなサービス...
浅田次郎さん、泣かせる。 「母」主に3人の主人公の母なそれぞれの故郷ではない村に。その母を思い初老の主人公達の日々の生活の癒しとして存在する「母」。 ネタバレになるので書けないけど、このシステムを考えついたのは著者なのか、本当にあるシステムなのかはわからない。しかしそんなサービスがあったらなぁと思った人は多いのではないでしょうか。 最後の母を見送るシーンは涙ものだ。母の過去を聞くと「母」をしていた時の姿を思い出しながら見えない母の本当の姿にさらに涙する。
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浅田次郎作品には期待しすぎのためか、いまいちだった。老後の寂しさを表現しているが、自分にはまだ実感がないので、面白さが半減したのかもしれない。少し作りすぎている感じもした。
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おもてなしサービスの形としてこういうのも実現する時代が来るのかな?高校を卒業して愛知の実家から東京に出て○○年ですが、故郷はいつも身近にある自分にとって故郷の良さは、借り物では実感できないだろうと思いました。60歳定年を機にいろいろ変化が起こるんだろうという事は身につまされました...
おもてなしサービスの形としてこういうのも実現する時代が来るのかな?高校を卒業して愛知の実家から東京に出て○○年ですが、故郷はいつも身近にある自分にとって故郷の良さは、借り物では実感できないだろうと思いました。60歳定年を機にいろいろ変化が起こるんだろうという事は身につまされました。
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石川啄木の歌集『一握の砂』の「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」をイメージしたが… 読み進めていくと、それなりに地位があるが、故郷がない人々たちだった。 物語のラストで「人口の偏在や地域格差などという社会問題とはさほどかかわりなく、繁栄すなわち幸...
石川啄木の歌集『一握の砂』の「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」をイメージしたが… 読み進めていくと、それなりに地位があるが、故郷がない人々たちだった。 物語のラストで「人口の偏在や地域格差などという社会問題とはさほどかかわりなく、繁栄すなわち幸福と規定した原理的な過誤によって、多くの人々が自然を失い、不自然な生活をしなければならなくなった」と語る女医の言葉が、心に残る。
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こういう発想ができる浅田次郎さんってどれだけ引き出しを持ってるんだろう!って感心してしまう。結構お年も召されているはずなのに、今時のこんなビジネスの仕組みも違和感を感じさせることなく書けてしまうのはすごい。 人の思いをビジネスにすると、どうしてもそこには情が芽生えてしまうもの。...
こういう発想ができる浅田次郎さんってどれだけ引き出しを持ってるんだろう!って感心してしまう。結構お年も召されているはずなのに、今時のこんなビジネスの仕組みも違和感を感じさせることなく書けてしまうのはすごい。 人の思いをビジネスにすると、どうしてもそこには情が芽生えてしまうもの。その辺りの機微もうっすらと匂わせている。 王妃の館のようなコメディタッチで、ふるさと側の物語も執筆してくれないかなぁと思う。 ひとつ前に読んだ作品もたまたま浅田次郎さんだったのだけど、故郷への想いを馳せる哀愁感は通じるものがあった。
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