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母の待つ里
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/01/26 |
JAN | 9784104394067 |
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母の待つ里
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商品レビュー
3.9
79件のお客様レビュー
人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる
本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの...
本書は、見知らぬ山里をふるさとに見立て、そこで一人暮らす老婆を母親に仕立てる一見荒唐無稽な仕掛けによって、ふるさとでの親子体験を完璧な疑似ストーリーとしてメンバーに提供するカード会社のプレミアムサービスがあり、このサービスを高額な料金を支払ってまで利用する都会暮らしで、それなりの社会的地位も経済力もある男女3人、最終的には4人になるが、彼らそれぞれの物語である。4人に共通しているのは、帰るべきふるさとを持たず、すでに両親がないことに加え、そろそろ老境に差し掛かっての孤独感や疎外感、寂寥感や虚無感そして何より心の拠り所のなさを抱えていることであろうか。無償の愛と真心、嘘のない言動で接してくれるかりそめの母親との一夜限りの交歓を通じて、4人は現実生活の中での自然と不自然、自由と不自由、幸福と不幸について深く考える機会を得る。終盤に自然といえば至極自然な想わぬ結末が待っているが、それが奇しくもサービスの利用者達をつなぐことにもなる。母親役を完璧に演じ切った老婆が最後に独白する寝物語が重く切なく心に響く。人の生死やふるさとについて自分事として考えさせられる著者らしいハートウォーミングな感動作である。
fugyogyo
初めての浅田次郎先生の作品 さらっとした文体、長くもない分量でこの引き込まれよう、感情移入、からの号泣 二親が生きていようともいなかろうとも、母とふるさとはそれぞれ…?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ふるさとを提供するクレジット会社のサービス。電話応対はAIか?ビジネスとしてありかも。相川橋の停留所を降り立ったとたんエキストラつきではじまる。独身で社長の松永徹。熟年離婚した室田精一。女医の古賀夏生。母親役のチヨさんが母親になりきり演じきって、臨機応変に対応してるのがお見事。温かい方言も心に沁みた。カード会社と限界集落が結託した嘘の世界なのだが、ちよさんの最期は擬似子どもの名刺を握っていて、他の子供たちも集まってきたというくだりは苦しくなった。現実は大震災で子を亡くしたちよさん。幸せだったのだろうか。
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