プロジェクト・ヘイル・メアリー(上) の商品レビュー
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2021年12月刊(原著は2020年刊)。デビュー作『火星の人』が、リドリー・スコット監督の手により、『オデッセイ』の邦題で映画化された筆者の第三長編。 この筆者の本を読むのは、『火星の人』に続いて2冊目。 「太陽と地球の間の宇宙空間に、突如、自己増殖型の「何か」が、太陽光を遮る形で、勢力を拡大し始める。徐々に寒冷化していく地球は、全生物が死滅の危機に……。この事態を打開するべく一隻の宇宙船が建造され、旅立つ……」という筋立てと状況設定からは、野尻抱介のSF小説『太陽の簒奪者』が想起された。 記憶喪失状態の語り手が、少しずつ自らの状況を把握し、過去、自分と地球に何が起こったのかを思い出していくというサスペンス風味が、『太陽の~』とは違う本書ならではの新機軸か。事態解決の手段を得るために、赴いた先で、語り手が×××と遭遇するという展開は、全く予想していなかったので、驚かされた。 表計算ソフトのエクセルは、私も愛用しているが、「まさか、エクセルが人類史上初の●●という事態に△△として使えるなんて!」と、これまた驚かされた。続きが気になるので、早速、下巻へGO!
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自分が誰だかわからない。 どこにいるのかわからない。 私は誰?ここはどこ? というところから始まるストーリー。 JAXAが観測しているペドロヴァ・ライン。 太陽が死にかけている? 太陽がアストロファージに感染している。 宇宙船はタウ・セチに向かっている。 アストロファージは燃料。...
自分が誰だかわからない。 どこにいるのかわからない。 私は誰?ここはどこ? というところから始まるストーリー。 JAXAが観測しているペドロヴァ・ライン。 太陽が死にかけている? 太陽がアストロファージに感染している。 宇宙船はタウ・セチに向かっている。 アストロファージは燃料。推進力。 スリープから解けて段々とミッションを思い出す。 すごい!ワクワク。 宇宙人!本当に? 大気がまるで違う。 アンモニアで呼吸する宇宙人。 しかも29倍の気圧。 対面して意思を伝えようとするとちょっとした表情などを感じる?ニュアンス? 主人公も相当な天才だと思うけど、 作者も相当な天才だと思った。 未知の知的生物への理解能力がものすごい。 エリディアンのロッキーと友達になれたような気がする。 すごいすごい!興奮する。 会話できるようになるのが早い。 面白すぎる!下巻へ。
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「いまわかっているのは太陽が死にかけてるということだけよ。理由はわからないし、どうしたらいいのかもわからない。でも死にかけているということだけはわかっているの」 ひとりの男がたくさんの管に繋がれてベッドで目を覚ますところから物語が始まる。男は自分が何者かも、ここがどこかも思い出...
「いまわかっているのは太陽が死にかけてるということだけよ。理由はわからないし、どうしたらいいのかもわからない。でも死にかけているということだけはわかっているの」 ひとりの男がたくさんの管に繋がれてベッドで目を覚ますところから物語が始まる。男は自分が何者かも、ここがどこかも思い出せない。 彼は体を起こすこともできないほど弱っていて、ロボットアームが彼の世話をしている。他に人は居らず、どうやら病室ではないようだ…。 自分の名前も思い出せないのに、部屋の重力が大きすぎる、と振り子を作って計算しちゃうあたりウィアーって感じ。計算と推論でどんどん謎を掻き分けていくのが楽しい。 上巻前半では、自分のことを思い出す過程と太陽に起きた事件を解明しようとする過程が同時進行されて飽きる暇もなく、もうひたすら面白い。 上巻ちょうどまんなかの 「うっそだろう!」 以後のパートも楽しい。こちらはSFとしてはスタンダードなネタで、大好きです。 ハードSFと読みやすさを完全に両立しているのは訳者の技量にも拠るのだと思うけど、軽妙な語り口で全編わくわくし通しです。 第1作「火星の人」が大好きだったけど前作「アルテミス」が今ひとつ熱中出来なかったので今作に手が出るまで時間がかかったのは本当に失敗でした。 上巻の時点でオールタイムベストに入れちゃう。いやいや早まるな。下巻も読もう。 しかし下巻はちょうど店頭在庫が無くて注文したら店着は4日後とのこと。 その間に上巻を何度も読み返せるので逆に良かった、のかもしれない。 タウセチの免疫の謎は上巻の提示情報で解けるだろうか… ペトロヴァラインがあるということは感染していると言っていい。それなのに減光していないということは消費量が少なく抑えられているか、消費される以上の生産があるか、感染初期であるか、どれかだろうか。 物語的に後ろ二つだと解決策が無さそうなので何らかの理由で消費量が抑えられている方向ではなかろうか。Wikipediaによると(太陽と同じ)G型主系列星、主星周囲に塵円盤があるとか金属量が少ないという特徴があるらしい。その辺で回答が得られるのか、もうちょっと複雑な話が出てくるのか。 ファージの母星であるとか、オーバーロードがいてとか、そういう方向もありだろうか。 エリディアンのテクノロジーレベルが近い話もキーワードな気がする。 タウセチでファージをいっぱい補給すればいいんじゃない?とか っていうかスピンドライブって感染を広げてるんじゃないの?とか ファージが「種」だとしたら40億年経って活動を始めたのは何故?とか 下巻で分かるといいな。 ファージは「オムニフロラ」っぽい感じでもあるけど、恒星連合が出てきたりして…。
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没入できる面白さ!そして読後感がとてもとても良い。 明日からも頑張って生きよう、という気持ちが自然と湧いてきた。 日常に戻る憂鬱に苛まれる連休後半に読んでよかったです◎
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主人公は、太陽エネルギーを餌にする地球外生命体(アストロファージ)の謎を解明するため、太陽系から11.9光年の恒星「タウ・セチ」へ送り込まれた理科の先生。 「感染した」太陽が放出するエネルギーは徐々に減少し、このままでは地球は寒冷化し大気候変動は免れない。 しかしタウ・セチは、なぜかアストロファージの「感染」を免れているのだ。 恒星タウ・セチに辿り着けば、太陽に感染する謎の地球外生命体(というよりも、感覚的には宇宙空間で生存できる細菌やウィルス)に対抗する方法が見つかるのでは…? 太陽系を離れタウ・セチへ はるばるのぞむ 宇宙船ヘイル・メアリー号 日本語が通じる青白い顔の外星人は登場しません。 日本語を話す髪の長い外星人美女も現れません。 主人公マット・デイモンが、他のクルー、NASA、中国国家航天局と協力してサバイバルした前々作「火星の人」。 今回は、宇宙船内にたった一人でどうするの…? …と上巻半ば、タウ・セチに近づいたところでXのXXXXXXにXX(伏せ字) 「三体」黒暗森林の冷やし中華無常感とは真逆のユーモアたっぷりアメリカン SFサバイバル第二弾と思いきや、暑い夏をさらに熱くするバディ小説
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星野源おすすめと聞いて購入。何を書いてもネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、映画「オデッセイ」の原作を書いた作者の最新作にあたる。主人公が逆境に立たされても諦めずに立ち向かう、手に汗を握るシーンが続く。後半はとんでもない展開に。読んでのお楽しみと言っておこう。
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主人公が記憶を取り戻しながらストーリーが進んでいく。なので読者も事前情報なしに読んだ方がより楽しめる。
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序盤から徐々に記憶を取り戻してゆく主人公 半分くらいまで読み進めると…おいおいおいおい!マジかよ! そこからは怒涛の展開、下巻まで一気に駆け抜けます。
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「火星の人」の一見絶望的な環境でもそれを面白がるユーモアの存在と工夫で苦境をなんとか乗り越えていく様子がこの本にも引き継がれていて、とても楽しく読み進めた。火星では一人きりだったが今回は2人。異星人となんとかコミュニケーションを取ろうと試行錯誤する様子が面白く、いざコミュニケーションが取れるようになったと思ったらロッキーのなんとかわいいことか!時々相手にいらついたり、素直に喜んだり、悲しんだり、そして2人が同じ境遇にいることが分かったときは涙ぐんでしまった。
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