ブルシット・ジョブの謎 の商品レビュー
「労働=罰」のキリスト教的価値観と人間は仕事がなくなると怠惰になり続けるという性悪説があいまって、無駄とわかっていても労働に従事する。数値化できないものを数値化しようとするあまり、仕事を創出することが美徳とされる幻想が生まれる。それは福祉としての雇用創出にも通ずるというロジックも...
「労働=罰」のキリスト教的価値観と人間は仕事がなくなると怠惰になり続けるという性悪説があいまって、無駄とわかっていても労働に従事する。数値化できないものを数値化しようとするあまり、仕事を創出することが美徳とされる幻想が生まれる。それは福祉としての雇用創出にも通ずるというロジックも分かりやすい。背景にある、労働のタスク指向型から時間指向型への推移や雇用者と労働者の時間の売買に基づく常に労働をしなければならない論が昇華する構造も分かりやすかった。最終的な帰結としてのベーシックインカムは予想外でも面白かった。
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Audible版。デヴィッド・グレーバーの原著『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の再生時間が18時間40分と長いので、訳者によるこの要約本を聴いた。評価を見る限り、「面白い」のは原著だけど、日本人目線が入ったこちらの方がたぶん「わかりやすい」んだと思う。 この世...
Audible版。デヴィッド・グレーバーの原著『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の再生時間が18時間40分と長いので、訳者によるこの要約本を聴いた。評価を見る限り、「面白い」のは原著だけど、日本人目線が入ったこちらの方がたぶん「わかりやすい」んだと思う。 この世の仕事はほぼ2種類。ブルシット・ジョブとシット・ジョブ。 ブルシット・ジョブは「仕事の内容がクソ」。組織内の儀式や権力維持、「労働=苦労」という価値観、そして生きるための給料を得るために、「こんな仕事なくなっても世の中の誰も困らないな」と思いながら、自分の貴重な時間をドブに捨てて忙しいふりをしなければならない仕事。「取り巻き」「鉄砲玉」「繕い屋」「書類作成人」「タスクマスター」の5つに類型される。 シット・ジョブは「仕事の待遇がクソ」。社会に必要不可欠なのに、仕事内容はおおむね過酷で、給料が安く社会的地位も低い仕事。「社会の役に立つ(=やりがいがある)」仕事は、それ自体が報酬の一部とみなされやすい。 ジョブを捨てた自分自身のことを省みて色々思うところあり。 【キーワード】 ケインズの予言(週15時間労働の未来) マルクス主義(「搾取」の対象の変容) ネオリベラリズム(「経済的効率化」の変容) PPI(Private-Public Inversion、公私混同) UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム) 【目次】 第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見 第1講 ブルシット・ジョブの宇宙 第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう? 第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか? 第4講 資本主義と「仕事のための仕事」 第5講 ネオリベラリズムと官僚制 第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造 第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について 第8講 ブルシット・ジョブとベーシックインカム おわりに わたしたちには「想像力」がある 【原著の目次】 序章 ブルシット・ジョブ現象について 第1章 ブルシット・ジョブとはなにか? 第2章 どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか? 第3章 なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?(精神的暴力について、第1部) 第4章 ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?(精神的暴力について、第2部) 第5章 なぜブルシット・ジョブが増殖しているのか? 第6章 なぜ、ひとつの社会としてのわたしたちは、無意味な雇用の増大に反対しないのか? 第7章 ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか?
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自分の労働では、社内用資料を偉い人の好む文体に修正しているときなどが、まさにブルシット・ジョブだと思う。 直接的な価値を作り出す労働(教師、清掃員など)は、それ自体が価値を持つため金銭的な対価が抑圧される仕組みということについては、納得できるような納得できないような感じだった。 ...
自分の労働では、社内用資料を偉い人の好む文体に修正しているときなどが、まさにブルシット・ジョブだと思う。 直接的な価値を作り出す労働(教師、清掃員など)は、それ自体が価値を持つため金銭的な対価が抑圧される仕組みということについては、納得できるような納得できないような感じだった。 面白い本なのは間違いないが、自分に生かせるかというと難しい。 AIがブルシット・ジョブが不要なことを暴いていき現場のヒエラルキーが上がると良い。
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2018年刊行人類学者デイビッド・グレーバー「ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論」の翻訳者の解説本。 古くは封建制度では、領主が暇な人々をふらふらさせておくと土地を奪われる可能性があるため、ならず者や浮浪者に土地を管理する仕事、年貢を集める仕事などどうでもいい仕事を与...
2018年刊行人類学者デイビッド・グレーバー「ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論」の翻訳者の解説本。 古くは封建制度では、領主が暇な人々をふらふらさせておくと土地を奪われる可能性があるため、ならず者や浮浪者に土地を管理する仕事、年貢を集める仕事などどうでもいい仕事を与えたことがBSJの始まり。 資本主義において、コップを製造する人よりも、それを運搬する人、それを使って商売する人、それを洗う人、それをケアしていく仕事がどんどん増えていくがそれらが漏れなくBSJである。 最終的には、家事労働を賃金換算するという考え方にすると、ベーシックインカムが究極の平等であり、BSJを産まない最終形態だというお話し。
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モヤモヤからだいぶモヤが晴れた気がする。うちの会社な話と思ってたけど、国家レベルいや世界レベルの話だったのね。そりゃなかなか変えることは難しいわな。
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原作と間違えて読んだが、引用文の文体が疲れそうだったので良かったかもしれない 3、4章が面白かった 外国は空気読まなくていい、過程は気にしない はただの噂なんだなと 効率化しようとして逆に作業が煩雑になる 仕事そのものに価値があるんだから給料高くなくていいやろ! 自由は他人に...
原作と間違えて読んだが、引用文の文体が疲れそうだったので良かったかもしれない 3、4章が面白かった 外国は空気読まなくていい、過程は気にしない はただの噂なんだなと 効率化しようとして逆に作業が煩雑になる 仕事そのものに価値があるんだから給料高くなくていいやろ! 自由は他人に強要されると苦痛になる そもそも人間って時間で管理するよりバーッとやってバーッと休むほうがいいんよ、中世みたいに←『限りある時間の〜』に繋がると思った 後半はマルクスやらアナキズムやら知らんときつかった こういう系の本読むには経済の基礎知識ないとダメっすね
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自らが労働生活を統制することができれば、必要に応じて激しく働くときと、そうでもないときとが繰り返される。 現代的な、時間や日や年等、自分以外に統制された労働では、その時間内の労働力を求められる。その時間の過ごし方のイニシアチブは賃金を出す側にある。管理する側からすれば、金で買った...
自らが労働生活を統制することができれば、必要に応じて激しく働くときと、そうでもないときとが繰り返される。 現代的な、時間や日や年等、自分以外に統制された労働では、その時間内の労働力を求められる。その時間の過ごし方のイニシアチブは賃金を出す側にある。管理する側からすれば、金で買った労働力にブラブラしてほしくはない。何をさせようか。
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もっとコンパクトにまとめられそうではある 半分くらいしか頭に入らず まとめはメモ参照 エッセンシャルワークが低い理由が悲しいけど納得感あったなあ
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『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』酒井隆史著 前々から介護や教育など、人を支えるエッセンシャルワーカーの給料が低く、ITなどホワイトカラーが高いことに違和感はあった。管理職など、無駄な仕事を生む仕事。自分の精神を殺しながらの仕事。その裏には醸成され...
『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』酒井隆史著 前々から介護や教育など、人を支えるエッセンシャルワーカーの給料が低く、ITなどホワイトカラーが高いことに違和感はあった。管理職など、無駄な仕事を生む仕事。自分の精神を殺しながらの仕事。その裏には醸成された仕事には価値がある、教育やケアはやりがいがあるという思想が生み出されている。正直この思想に動かされて、働くのは合わないのに働いて精神を病んだとも言えると感じている。相互にケアし健康で豊かで、不安や恐怖・ストレスから解放される未来は来るのだろうか。その一助をグレバーから学ぶことができる。
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前半は原著の要約から始まったはずなのに、後半はそれとは無関係な政権批判や特定の政党叩きに終始しており、それ自体が著作の目的であることが滲み出ていました。
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