残月記 の商品レビュー
今まで読んだことのないタイプの不思議な本。 SFのようなファンタジーのような。ファンタジーならもっと夢を詰めたいけど辛口。大人のグリム童話のような残酷さもある。 3編の話がどれも印象的で頭から離れない。 それほど魅力的な物語。 「そして月がふりかえる」はパラレルワールドの不気...
今まで読んだことのないタイプの不思議な本。 SFのようなファンタジーのような。ファンタジーならもっと夢を詰めたいけど辛口。大人のグリム童話のような残酷さもある。 3編の話がどれも印象的で頭から離れない。 それほど魅力的な物語。 「そして月がふりかえる」はパラレルワールドの不気味な世界で、今いる私の世界の方が裏側なのかもなと考えながら読んだ。この世界になってしまったら…どう生きればいいのだろう。 「月景石」は夢と現実の境界線が歪み、世界が逆転してもすぐその世界に惹き込んでくるのが凄いなと思った。グロいけど読んでしまう。SF的作品。 「残月記」は抗えない理不尽な世界で苦しかったけど、ページを捲る手が止まらなかった。最後の彼は何を思ったのだろう?瑠香と幸せになって欲しい。
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月の世界をテーマにした、三部作。 夜は情緒が不安定になるというが、ずっとそんな不安な感じが付きまとうような小説。 1話「そして月がふりかえる」 月の裏側の世界にきてしまった男のお話。ホラーだよー。同姓同名の人物と立場が入れ替わってしまい、自分だけがそれまでの記憶あるというのが、まぁ怖い。 2話「月景石(げっけいせき)」 石の模様の月の世界と、交錯してしまうお話。夢から覚めたら、地球も変わってたというのも恐ろしい。これは、アクションダークファンタジー? 3話「残月記(ざんげつき)」 怖くはなかったが、三作の中では、一番、こんな世界になったら嫌だなという世界観。「月昂」という感染症が世界中で流行り、感染者は隔離され、ひどい扱いを受ける。剣闘士として命をかけた戦いをさせられることになった主人公の冬芽と、勲婦のルカのお話。
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月にまつわるファンタジーで不気味なお話が3編入っている。 1つ目の「そして月がふりかえる」はホラーだった。でも好き。読み終わったあと、夜に外食したら月が出ていて怖くなった。 3つ目の「残月記」は、こんな状況どうやって終わるんだろう…と続きが気になった。 面白かった!
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月にまつわるダークSFファンタジー3つ。読んでいて、辛い場面も多かったが、それぞれ希望は持てた。どれも映像化を望みたいような壮大な作品。
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昔、逃げても逃げても追いかけてきた月はどこに行っていたんだろう。そんなこと、ずっとずっと忘れていた。 短編集と思って読んでいたけど、いや、短編集なんだろうけれど、一続きの物語なんじゃないかと思わずにはいられない。そして、月が、普段見上げることもほとんど無くなった月の、にやりと笑う...
昔、逃げても逃げても追いかけてきた月はどこに行っていたんだろう。そんなこと、ずっとずっと忘れていた。 短編集と思って読んでいたけど、いや、短編集なんだろうけれど、一続きの物語なんじゃないかと思わずにはいられない。そして、月が、普段見上げることもほとんど無くなった月の、にやりと笑う様なねっとりした顔が、怖くてたまらなくなった。 未来の物語だとしっかり分かるのは「残月記」だろうけど、異世界だろうか、パラレルワールドだろうか、何にしても、現実ともう一つの世界…月とのリンクしている世界の物語だった。 月には理屈ではない「何か」に惹きつけられる気がよくしていた。その「何か」が想像を遥かに超えて具現化したような、SF…かもしれないけど、SFとは何だか異なる世界観。ものすごく静で、だけどとてつもない動の熱量に異世界へ持っていかれる様な感覚。すぐには現実に戻れない、このぬるりとした闇と月光に照らされる感覚に、怖い…とは少し異なる奇妙な感覚。この月光の夜に、もう少しだけ浸っていたい。
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1、2話が短編、3話目が中編。1話目、不気味。2話目、どっちが現実?3話目、無さそうでありそうな未来。とにかく文章が美しく、意外性があって面白い。
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長めの短編集だったが、それぞれの話が重い内容だったので、満足感は強かった。確かに月は人の心を惑わすところがありますよね。
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自分には合わなかった 物語が動いている展開は読みやすく楽しめたが、回想や説明パートが冗長過ぎて読むのに苦労した 設定までは面白かったがそこから自分としてはあまり好きではない展開に転がっていってしまった印象 残月記の冬芽は生きることに執着したが、結局は死が救済だったと言えるようなラストはちょっと好き
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収録されている3編とも今まであった作品を換骨奪胎したような既視感があったけれど、どれも洗練された文体で楽しませてくれました。 月は清く優しく美しいイメージから陰で狂気を感じさせるものまで、いろいろな作品のモチーフになってきました。 一番身近な天体なのに、なんだか神秘的で惹かれて...
収録されている3編とも今まであった作品を換骨奪胎したような既視感があったけれど、どれも洗練された文体で楽しませてくれました。 月は清く優しく美しいイメージから陰で狂気を感じさせるものまで、いろいろな作品のモチーフになってきました。 一番身近な天体なのに、なんだか神秘的で惹かれてしまう。 月が美しい秋の読書にちょうど良い1冊でした。 今宵の月が楽しみです。
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自分はどっぷりとはまらなかったです。 それでもとても面白く読めました。 月が出てくる作品だと、1Q84がとても好きです。
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