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残月記 の商品レビュー

3.4

226件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    71

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    35

  5. 1つ

    9

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2022/09/24

面白かった。短期間で集中して読んだ。短編二つは少し怖いが、続きを考えて想像が膨らむ。 長編の残月記は設定の深さや状況描写のリアル感が圧倒的でのめり込んだ。作者の創造力が凄い。どんどんと主人公の冬芽に感情移入していってしまう。 コロナ禍でディストピアな世界観がリアルで怖いところがと...

面白かった。短期間で集中して読んだ。短編二つは少し怖いが、続きを考えて想像が膨らむ。 長編の残月記は設定の深さや状況描写のリアル感が圧倒的でのめり込んだ。作者の創造力が凄い。どんどんと主人公の冬芽に感情移入していってしまう。 コロナ禍でディストピアな世界観がリアルで怖いところがとてもいい。

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2022/09/24

残月記 著作者:小田雅久仁 発行者:双葉社 私の本棚を紹介します。 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofre...

残月記 著作者:小田雅久仁 発行者:双葉社 私の本棚を紹介します。 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/ 「月」をモチーフに突如日常が兇変した主人公たちの恐怖と過酷な体験が描かれている。

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2022/09/23

月をテーマに据えた三編は、いずれもどっしりとした重量を持っている。 そして、初めて月を手玉に取る人(作者)を目撃した。 月を転がしながら物語を紡ぐ巧みさで、総じて裏返った世界を見せてくださった。 これは一種のトリップ体験だ。

Posted byブクログ

2022/09/23

感動した。泣いてしまった。収められた3篇ともが面白かったが、中でも「残月記」は心がうち震えた。永遠の想いはこの世のすべてを凌駕する。 かつて夢中になって読み漁った眉村卓の作品を彷彿とさせる「そして月がふりかえる」。 月世界の風景を映し出す不思議な石に異世界へ誘われる「月景石」。...

感動した。泣いてしまった。収められた3篇ともが面白かったが、中でも「残月記」は心がうち震えた。永遠の想いはこの世のすべてを凌駕する。 かつて夢中になって読み漁った眉村卓の作品を彷彿とさせる「そして月がふりかえる」。 月世界の風景を映し出す不思議な石に異世界へ誘われる「月景石」。 そして月昂者の悲運と悲恋をリアルに体感させてくれる「残月記」。 類い稀な創造力と確かな文章力と希求の想いが結集した大傑作でした。月鯨なんて発想はいったいどこから?

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2022/09/18

月がふりかえる話は、あり得ないけどありそうでこわく、そして残酷でした。表題作は自分にとっては少々退屈に感じました。

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2022/09/17

はぁ。。。 すごく怖かった。。。もう読むのやめようかなって思うほど怖かった。でも、結末が気になりすぎて、無事に読み終えました。 3篇の物語ですが、どれも怖いです。 ホラーでもなくミステリーというのでもなく… 帯にダークファンタジーという言葉を見つけ、そうかそれだと納得。 壮...

はぁ。。。 すごく怖かった。。。もう読むのやめようかなって思うほど怖かった。でも、結末が気になりすぎて、無事に読み終えました。 3篇の物語ですが、どれも怖いです。 ホラーでもなくミステリーというのでもなく… 帯にダークファンタジーという言葉を見つけ、そうかそれだと納得。 壮大なるダークファンタジーです。 3遍目の【残月記】は、怖すぎて気持ち悪すぎて疲れました(笑) でも、その中にも深くて潔い愛が描かれていて、ハッピーエンドではないけれど、根強い愛が感じとれました。 後世の人々がどう解釈しようとも、決して揺るがない愛。 こんな小説を書ける著者は、凄すぎです。 他の二篇の作品も、衝撃を受けました。 私は、月を眺めるのが好きで、月のパワーや神秘的さに心惹かれているのですが、もはや月の裏側を見てしまったような… 実は、月って本当はこんな恐ろしいパワーを持っているのではないかと思ったら、うっとり眺めるどころではなくなってしまいそうです。 かぐや姫の物語もちょっと怖くなってきました(笑)

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2022/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「月」をモチーフにしたSF作品(なのかな?)  短編~中編の3篇が収められている。悪くなかったが、昔なら、星新一が、もっと手短に洒脱に仕上げたのではないかと思える「そして月がふりかえる」、胡蝶の夢を発展させたファンタジー「月景石」、そして表題作の「残月記」は、何に範をとったか、自分としては手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の「鳳凰編」の我王の物語を、近未来に置き換えた話に思えた。  ショートショートと、漫画かアニメの原作と、1本の映画になりそうな脚本、そんな3作。  著者作品はお初だったが、緻密な文章と、一見、純文学的な書き出しや表現の多用から、正統派作家なのかと読みはじめる(といいつ、何が正統で何が異端であるか自分も定かではない。あくまでイメージ)。  ところが、序盤を過ぎたあたりで、話がグルりと転換し、奇想天外な世界へと読者を導いていくあたりが現代(いま)風と言えるのかもしれないし、それが著者の持ち味か。 「そして月がふりかえる」は、まさに主人公が、夜空に浮かぶ月がくるりと反転し、その裏側を見せたことから異世界へ紛れ込み、見た目はなにひとつ変わらない日常が、まったく自分の知らない、というか「自分を」知らない世界に一変しているという恐怖を描く。 とはいえ、そんなプロットは過去のSFや漫画やアニメの世界でよく見聞きしたパターン(それこそ昭和40年代のウルトラマンやセブンの中にもあったお話)。  つづく「月景石」も、上記の通り、夢か現つか、どちらが空想で現実かという、まさに胡蝶の夢。ただ、両作品とも世界観と人物造形がきちんとできていて読みやすいといえば読みやすい。  三作目の「残月記」は、さすがに表題作だけあって文量も多く出来もよい。過酷な境遇に身を置く男女の純愛物語であり、エンターテイメント性も高く、カタルシスを存分に味わえる力作。これらを評してダークファンタジー、ディストピア小説というなら、そういうものかと受け止めざるを得ないが、それを言うなら、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や、それこそ浦島太郎だって、そのオチは十分にダークファンタジーではないか?という気もする。  いずれにせよ、よくできた設定と壮大なストーリではあった。ただ、この物語においては、主人公の剣闘士冬芽が月面世界の不思議な白昼夢に紛れ込む二作目のような夢か現つかのファンタジーなクダリは不要だったかなと思う。満月のときに発症し、新月の時に昏倒する病というだけで「月」を巡る三部作のひとつということは十分に感じ取れる。  それよりも、初出が『小説推理』に連載された 2019年4 ~ 7月号だということに驚いた。「月昴(げっこう)」という感染症が流行し、世に独裁がはびこる近未来(2050年前後)を舞台にした設えが、コロナ禍や、ロシア・ウクライナ戦争勃発後の世界情勢を見越していたかのようで、奥付を見たときが一番ゾッとした瞬間だったかもしれない。  高村薫が「作家は時代の神経である」と言ったが(というか、元々の出どころは開高健か)、この小田雅久仁という作家も、時代の空気にアンテナ高く感性を研ぎ澄ませていたので、この三作目の設定を創り上げることができたのだとしたら、時代を先取りとは言わないまでも、この先、楽しみな作品を発表していってくれそうだ。  次回作以降も期待したい。

Posted byブクログ

2022/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちょっと遅めの夏休み。 わんぱく息子が特急富士回遊に乗りたいとのことで、大月駅から某遊園地へ家族で向かう車中で紐解き始めた本書。 最初の主人公の名前が大槻高志。 幼い頃に母親から「月が追いかけてくるのは名前が”おおつき”だからよ」と冗談で告げられたのを幼心に信じ込み、すごい秘密を知ってしまったと沸き立つシーンを振り返るところから始まる。 ただの音の繋がりではあるものの、にわかに物語への期待を寄せてしまう偶然の一致。 本書は短編、中編、長編といってもいいぐらい長めの長編の3編から成るホップ、ステップ、ジャンプの構成。 それぞれの物語としての繋がりはないものの、月、夢が重要な要素として貫くSF作品であることが共通する。 あまりSFは好んで読むことはないし、読めば読んだで、ああやっぱりなんか世界観に馴染めなかったなと感ずることが多く苦手意識があるのだが、辻村深月さんの『かがみの孤城』や村上春樹作品など少し不思議な世界の物語系だと結構楽しめたりもする。 本書は後者にあたる、意外なツボを刺激された一冊。 最初の2作品は、それまではさも普通の小説のように語っていたところで急に訪れるこれまでと違った世界に「えっ!?」という感じで引き込まれるし、3作品目の表題作はのっけから当然のように出てくる月の満ち引きに関連する病“月昴”を巡るディストピア設定をうまく書き込んでいて、これはこれで引き込まれる。 「残月記」の男女それぞれが担う苦役なんてのは今の世相からすると、未来を描くにはステレオタイプ過ぎてどうなのって思いもよぎるけれど、切なさに胸打たれる結末があるだけに一概に糾弾するのも興をそぐ。 LGBTQやジェンダーレスが世間の目を集める中、偏りなき設定とステレオタイプの生むある意味使い古された興の両立って結構難しいバランスなのではとふと思ったりもした。 全体としてこの作家さん、自分はなかなか好きな読み心地でした。 ただ、夢を使った場面展開については一冊の単行本の中であればむしろ共通点として面白く感じるが、次作も使うようであれば”またか”と思ってしまうだろうな。

Posted byブクログ

2022/09/02

月と現実に関するファンタジー寄りの小説。ファンタジーは苦手だけれど、現実部分もしっかり描かれており、リアリティーがあって楽しめた。

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2022/08/18

剣闘士の一途な愛が描かれた残月記はよかったが、他2編はあまり響かなかった。3編がどこかで繋がるのかなと思っていたが、完全に独立した作品であった。

Posted byブクログ