残月記 の商品レビュー

小田雅久仁(著者)

2022/11/10

作者の想像力に驚愕…
しばらく月が怖くなる…

表題作の『残月記』が1番好きでした。
最後はどうか夢ではありませんようにと
泣けました。

2022/11/03

とにかく文章が美しい。
丁寧に描かれる描写に、映像を見ているかのような感覚になって物語の中に入っていける。
月をテーマにした短編集と中編集。
不穏でざわざわした感じで、常に月明かりのような暗さが付きまとっているような世界観。
こういうのが読みたいな、という時に読めたらはまれそう。
読むタイミングを選ぶ本かな。

2022/10/31

月の世界を現世の裏側にあるような世界とした３編の小説は、美しい月の世界ではなくどこかグロテスクですらあった。最初の「そして月がふりかえる」は少しファンタジー、次の「月景石」は気持ち悪くなるほどの恐ろしい空想ゾンビワールド、そして最後の「残月記」は近未来の日本人が悪病に苛まれながら戦い抜いていく男の愛を描きたかったか。途中で気持ち悪くなったところで脱落しなかったのは、最後が1番面白いというコメントがあったからだが、空想非科学社会物語を読み切ってただ疲れた。

2022/10/29

月にまつわる3作品の中で「そして月がふりかえる」は読んでいてゾクゾクしました…主人公の大槻高志が全く別の人間と入れ替わってしまう内容でした。なんだかリアルに月を振り返ってみたくない…そう思わせる感じでしたね…。「月景石」は、石の収集が好きな叔母が他界したのを契機にその石を譲り受けたその後の夢の話…これは、なんだかよく内容をつかめないままでした（汗）。一番読んでいて引き込まれたのは「残月記」…これがすごくよかったです！近未来の日本、「月昴」に感染したことで出逢い想い合うようになった恋人達のストーリーです。明日どうなっているかもわからない限りある命でありながら、純粋にお互いを想いお互いの身を案じる…この「残月記」は読んで大満足でした！

2023/03/08

独裁国家日本。月昴の感染者は衛生局に捕獲され療養所に隔離。
捕獲された冬芽は競技場で闘う戦士となる。冬芽を勝ち進めたのは、戦いに勝たなければ会えないルカへの想い。月昴者は狼人間のような印象。

2022/10/26

初　小田雅久仁作品
月をモチーフに　短編3作。（けっこう長い短編だけど・・・）

「そして月がふりかえる」
早くに母を亡くし、なかなか目が出ない人生だった主人公　高志。
やっと仕事が認められ　大切な家族とのレストランでの食事。
しかし　ふっと見上げた月が・・・・裏側を見せる。
そこで　自分ではない誰かと入れ替わる。

次の「月景石」は石を枕の下に入れて眠ると　月の裏側へ行った夢を見る。
その世界は　特別な石を探してイシダキと呼ばれる人々が　迫害に合っていた。

「残月記」は独裁国家の日本にまん延する不治の病「月昂」
病にかかった人々は　月夜に身体能力が上がり、強制的に患者同士がコロシアムで戦う。しかし月昂患者たちは、創造性も高く　主人公の冬芽は木彫りを造り続ける。

話しによって表情が変化する月や主人公の生きている世界が、独特の文章で怪しげに表現されていく。心をザワザワさせるブラックファンタジーの世界。
う～ん　ちょっと苦手な分野で、読了感はスッキリしなかった。

本屋大賞にノミネートされるくらいだから　好きな人にはハマるのかも。

2022/10/23

月のSF短編集。癖のある文章に感じ、読み進めるのに時間がかかった。タイトルの話が思わぬところに着地して、号泣。
そうか、純愛だったのか。

2022/10/23

2022年本屋大賞7位の作品。う～ん、評価する人がいることは分かるけど、私には全然向いてない作品やった。残念。3作とも、分からんことないけど、意味分からん。ただ、表題作になった作品のような世界が、私が死んだ後の日本にも実際に来そうで嫌だな、知らんけど

2022/10/23

月に纏わる３つの物語。著者作『本にだって雄と雌〜』と同じくページにぎっしり文字が詰まっていて、読み始めは力が入るけどそれも束の間。どれも背筋がぞくっとくるような、現実と月の裏側のもう一つの世界の話で最後の1ページまでずっと胸がざわざわ鳴り続けてページをめくる手が止まらない。
世にも奇妙な物語的な「そして月がふりかえる」。
夢の中からのSF展開がお見事な「月景石」。
月昂という致死率の高い感染症、強制隔離、独裁者による支配、暗殺…2019年の連載とのことだけど、小説の中だけの話ではない現実世界とのリンクにゾッとした「残月記」。
自分の生きるこの世界の月が裏返らないなんて保証はどこにもないのだから。暫くは月を見上げるとき、月の表情を怖々と確認してしまいそうです。

2022/10/20

そして月がふりかえる
満月を全員が見ている夜、大槻高志43サイト、大学教員、書いた新書ベストセーラー、TVコメンテーターが家族と馴染みレストランへ。
トイレから戻ると妻が、誰ですか？
トイレですれ違った男が現れ、何ですか？
後ろの席から見知らぬ女性が、あなた何してるの
入れ替わっていた。同姓同名だった。自宅に戻る
持っていたカギで入りロフトに隠れる
家族が帰宅。寝室から妻の喘ぎ声。家族が出て行った後、部屋で妻の帰りを待つ。驚く妻から、出て行ってください。
入れ替わったタクシー運転手に全てを奪われた
携帯メール23件。こちらの世界へ、ようこそ

月景石
32才独身女が同棲。隣に住む家族構成が気になる
シングルマザー。男がくると子供達は外へ。
中学生姉と小学生二人の弟。姉が早死にしたオバに似ている
オバは石を集めていた。月景石には不思議な力を感じる。近未来の夢を見る。
石を持っているイシダキを囚人として隣の姉中学生が捕えらている。石が大月桂樹を癒す。
姉がいなくなった。弟達に聞くと姉はいない。
隣の姉は自分にしか見えていなかった。

残月記
月昂者は月昂を発症した感染者。月の影響で力を出しテロ、大量殺人。発症者は薬を投与しないと20年程度で死ぬ。
2050年日本は独裁国家。月昂者を隔離。体格の良い物をスタジアムで戦わせた。30回勝つと引退可能。しかし、その後は不明。寿命が短い。
勝つと女月昂者を抱ける。避妊手術済み。45回抱かれると相手を選んで施設で暮らせる。
戦いの優勝者の表彰で兜が爆発。独裁者暗殺。
戦った月昂者がテロに絡んだとして殺される
決勝で敗れた宇野冬芽が生き残った。死んだことになっている。恋人のルカの住む施設に木彫り人形を投げ込む。ルカを移動させても場所がばれる
2084年ミイラが発見。木彫りが多数発見。
パラレルワールドて二人は再会