赤と青とエスキース の商品レビュー
全ての章が伏線だったことに気付かされる最後のエピローグは圧巻で素晴らしいとしかいいようがないなほんとに。終わり方も心温まり、間接的に2人の一生を垣間見れた気がして、私もこの話の中に入りたいとまで思った。素敵な物語でした(;;)
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普遍的な存在の絵画と、変化し続ける人間の営み。 最後に全てがつながる心地よさ。 小分けに読むより、できれば一気読みがおすすめです。
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最後に点が全部つながる感じが面白かったな〜。 人生決してバラ色一色ではないけれど、歳を重ねながら紆余曲折を経て、最後に落ち着くのはお互いで、レイがブーの愛に気づいたラストは静かで温かくて良かった。 また、レイの空回りには共感するものがあった。人は自分のフィルターを通して世界を見て、相手の態度を相手の意図とは異なって解釈することがよくある。恋愛において、自分もやりがちだなと思った。それがポジティブなものであれば問題ないのだけど... 赤鬼と青鬼に対する二人の見解を言い合う場面のように、言葉を重ねたコミュニケーションって大切だなと改めて思う。 本番前の下絵である「エスキース」ー 下絵であり、2人の無期限の恋の始まり、画家としての人生が始まった作品でもある。含みの多いこの単語のチョイスにしびれた。
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最後に点と点が線で繋がり もう一度本を繰る楽しさを 堪能できた 『エスキース』(意味:下絵)というフランス語がこの物語の主題であり 読後に自ずと自らの人生を考えさせられた ユリのセリフ『どこにいても何をしていても、いつの世でも、人のやることは同じよ。食べて眠って起きて、好きになっ...
最後に点と点が線で繋がり もう一度本を繰る楽しさを 堪能できた 『エスキース』(意味:下絵)というフランス語がこの物語の主題であり 読後に自ずと自らの人生を考えさせられた ユリのセリフ『どこにいても何をしていても、いつの世でも、人のやることは同じよ。食べて眠って起きて、好きになったり嫌いになったりするのよ』…は人の生き様の真をついてると思って クスッと笑えた 美術館に行って絵も額もじっくりと鑑賞したくなったな
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スタートさせるのは思いのほか容易なことで、おしまいはいつも、あっけない。 難しいのは続けること。 どこが最終地点なのかわからないまま、変わりながら、だけど変わらないで、ただ続けること。 生命力って、生きる力じゃなくて、生きようとする力のことだよ。 すっごい幸せより、ちょっぴり...
スタートさせるのは思いのほか容易なことで、おしまいはいつも、あっけない。 難しいのは続けること。 どこが最終地点なのかわからないまま、変わりながら、だけど変わらないで、ただ続けること。 生命力って、生きる力じゃなくて、生きようとする力のことだよ。 すっごい幸せより、ちょっぴり幸せくらいが、もしかしたらいいのかも。 お互いにこういう人がいいっていうんじゃなくて、この人がいいって思えたら、それが完璧な組み合わせだと思いますよ。 人ってみんな、ひとりしかいないんだから。 自分とは関係なくても、安心を見て安心をもらうということもあるのだ。 時期がくればいろんなことが変わっていくわ。 いつまでも同じ状況なんて何ひとつないのよ、あなたも私も世の中も。 よく、人生は一度しかないから思いっきり生きよう、って言うじゃない。 私はあれ、なかなか怖いことだと思うのよね。 一度しかないって考えたら、思いっきりなんてやれないわよ。
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話題作、やっと手にして休日を利用しての一気読みとなりましたが、これ一気読みしないとダメなやつですね。 そして、二度読み... 5話からなる連作短編ですが、いやぁ〜そぉーきましたか‼︎ ってなりますよね。 衝撃と温もり、絵画と愛、実に見事に描かれていました。 青山さんの作品って話題作ばかりなんですが、実は本作が私にとっては初読み。 まいったなぁ... きっと他の本も買っちゃいそうです(笑) 説明 内容紹介 2022年本屋大賞 ノミネート! 2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。 日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。 二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。 ●プロローグ ●一章 金魚とカワセミ メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。 ●二章 東京タワーとアーツ・センター 日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。 ●三章 トマトジュースとバタフライピー 中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。 ●四章 赤鬼と青鬼 パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。 ●エピローグ 水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。 出版社からのコメント プロローグ 一章 金魚とカワセミ 二章 東京タワーとアーツ・センター 三章 トマトジュースとバタフライピー 四 章 赤鬼と青鬼 エピローグ 著者について 1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。 大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。 第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に選ばれる。他の著書に『猫のお告げは樹の下で』『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』など。
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青山さんの作品はいくつか読んでいますが、これは今までと違った感じでした。 赤と青の意味、エスキースという絵を通しての人間模様が素晴らしかったです。
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青山美智子さんはやっぱり良いなぁ。毎度笑みが溢れる。マスクをしていてよかった、そうでなきゃ公園で一人ニッコリ読んでる私は完全に不審者。まぁそれも悪くないか← 絵の具を選んでいる時や、構図をどんな風に仕上げるかを考える時の思考って、言葉にするとこんなにも魅力的になるんだ。
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要らない仕掛け、やるならフェアさと必然性を保ってほしい。以前とあるひとに勧められたんだけど、そのひとはすごくいいひとででも自分とは合わないなと当時感じたことを、間違いではなかったと確信した。
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