残照の頂 の商品レビュー

湊かなえ(著者)

2024/04/29

「山女日記」続編ですが、ストーリーに直接の関係はありません。山に登る女性たちの物語。共に山に登る絆、山での出会い、そして遠く離れてしまっても、山をきっかけにもう一度紡がれる絆。励まされ、温かい気分になる物語です。
お気に入りは「北アルプス表銀座」。このラスト、考えようによっては悲しいし恐ろしいことなのですが、そんな風に思わせない描き方がいいなあ、と思いました。三人の友人たちのそれぞれに対する想いにも切なさはあるのですが、しかしそれ以上に彼らの絆が素敵に思えます。
「山なんか」とは思わないし、山が好きな人を否定はしないけれど、だけどやっぱり私はこういうのを読むだけで充分だなあ。そりゃもう、充分すぎるくらいに楽しめますよ。

2024/04/20

山登りと人生って通じるところがありそう。つらい道でも一歩一歩踏み出していけば前に進んでいる。うんと時間が経てば、こんなに遠くに来ていたのだと思えるはず。

2024/04/09

MHK山女日記の原作。登山とは自分と向き合い、自分と対話し、これからの自分に問いかけ、発見し、何かを見いだす行為なのか。大自然の中に身を委ねる素晴らしさを教えてくれる作品。

2024/01/13

山好きにはたまらない作品です！関東の方には険しい山が沢山ありそれを登る理由なぜ人は山に登るのか…考えてしまいました！
読みながら登ってみたいとは今のところ思いません…しばらくは楽々ハイキングコースで楽しみます

2024/01/10

いやミス感は少なかった。登山まるで興味ない人間でも面白く読めるし(登りたいとは全然思わないけど)山の魅力を疑似体験できて面白い。

2024/01/07

湊かなえの、山女日記 の続編。
イヤミスではない方の湊かなえ作品です。短編集なので読みやすい。最初のおはなしが一番好きだったかなあ。「いつかやりたい」と思って先延ばしにしていることは誰にでもあると思うけど、「いつか」がいつになるかなんてわからないし、永久に来ないかもしれないわけで。自分の大切な人が「いつかやりたい」と語ることは、やれるうちにやらせてあげたいなあと感じた。

2024/01/03

登山への想い、山への想いは人それぞれだ、と思い直せました。

レベルや自分の体力、気力色々なことを考えながら、そして、飄々と登っていく数々の背中を見ながらモヤモヤし、やっぱり私は足りないな、もっと頑張らなきゃって登る山。地上の生活に疲弊してリフレッシュの為に登る山で地上と同じ思考回路になる自分。

今年はもっと気楽な気持ちで、山への敬意や畏れは忘れずに、比較しない登山を楽しみたい！

と思える本でした。

2023/12/28

湊かなえさん読み出すと止まらない、何度目………。
こちらはイヤミスでは全くない、
チャンスと再生のお話！
山登りは自分との向き合いの儀式だなーと読みながら。
連作短編で、私は1つ目の「後立山連峰」が好きだった！
人生と山をリンクさせる物語。また続編読みたいな〜
そして来年はどこか山に登りたい！

2023/12/27

前作は割とよかったので気になって読んでみたが正直、がっかり。4話から構成されているが、それぞれが独立していて、しかも中途半端な終わり方。消化不良が続いているという感触。

2023/12/14

山女日記の続編。
前作を読んだときはハートウォーミングな作品だなと思った程度だったものの、ドラマ化されたものを見て、映像で山の美しさや、人が山に登り山と向き合う、山で命を預け合う仲間というイメージを具体的に持つことができた。
だからかな、今作の「山での関係が地上では続けられない」というのが、登山をしない私にもその切なさが理解できた。
山って、特殊な場所なのかなぁ。男女関係なく、「吊り橋効果」に近いような？

短編集なんだけど、最後の往復書簡は特に良かったな。
バブル期に学生として山岳部で親しくなった女性同士が、お互いにあてた手紙。
彼女たちは、バブル崩壊、阪神淡路大震災、東日本大震災、コロナ禍を味わって、人生を振り返りながら一人で山を登る。
これ以外のお話は、誰かと山を登る話だったけど、一人での登山も、自分自身、自分の人生を見つめ向き合う素敵な時間なんだな。
ふたりの距離は物理的に離れていて、ずっと会っていなくて、会ってない間、それぞれの人生で悲しいこともたくさんあった。
素朴なこれまでの人生報告みたいな内容だけど、生きるということに希望が感じられるような、あたたかさを感じた。