1,800円以上の注文で送料無料

水中の哲学者たち の商品レビュー

4.1

130件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/21

難解なものと身構えていた哲学がこんなに身近にあったのか。「哲学をする」というのは敷居が高いが、「問う」というのは永井さんが綴っているように日常生活にある普遍的なものだし、誰しもが持っている欲求だと思う。問いて、物事の輪郭が不確かなものとなって、世界の脆弱に気づく。そうすると、私は...

難解なものと身構えていた哲学がこんなに身近にあったのか。「哲学をする」というのは敷居が高いが、「問う」というのは永井さんが綴っているように日常生活にある普遍的なものだし、誰しもが持っている欲求だと思う。問いて、物事の輪郭が不確かなものとなって、世界の脆弱に気づく。そうすると、私はもう少し優しく生きることが出来る。

Posted byブクログ

2024/09/14

自分の思いが100%相手に伝わる日は来ない。そもそもこんなこと無駄だと言われかねない哲学対話。もしかしたらこれこそが日常なのではなかろうか。こうして彼らは、私たちは、今日も潜る。

Posted byブクログ

2024/09/14

とても面白かった。 哲学書は難しくて全く頭に入ってこない。どういうこと?とずっと思っていた。理解できない自分が恥ずかしく、近づきすぎないようにしていた。でもこの本は全然違う。哲学ってこれで良いんだと、分からないって思って良いんだと知って楽になった。 グッと身近になった。 答えに辿...

とても面白かった。 哲学書は難しくて全く頭に入ってこない。どういうこと?とずっと思っていた。理解できない自分が恥ずかしく、近づきすぎないようにしていた。でもこの本は全然違う。哲学ってこれで良いんだと、分からないって思って良いんだと知って楽になった。 グッと身近になった。 答えに辿り着かなくていい。 それでも考え続けていきたい。 続編も出ているので読みたいと思っている。

Posted byブクログ

2024/09/05

楽しいこと、好きなことを見つけていくのが生きること 日々はわたしに探求することの快感と苦痛を教えた わたしたちは前に進むために、ときに意味を背負い込みすぎる

Posted byブクログ

2024/08/23

あまりにも面白くて、即読み読破であった。 文章内の表現が美しいし、詩を読んでいるかのような感覚。不条理な世の中と、根気よく対話していき、わからなさを共有し、共に考える。水中潜っていくような感覚、それがこの本のタイトルである。

Posted byブクログ

2024/08/30

読書会で本書の存在を耳にし、近所の書店員さんからも後押しされて購入。 哲学は難しくて堅苦しいような印象でしたが、 本書では、「どうしてだろう?」、「なぜだろう?」という、日常的に感じる何気ない問いのことも哲学と言います。 著者である永井玲衣さんは、大学で哲学を学んだ経験を生か...

読書会で本書の存在を耳にし、近所の書店員さんからも後押しされて購入。 哲学は難しくて堅苦しいような印象でしたが、 本書では、「どうしてだろう?」、「なぜだろう?」という、日常的に感じる何気ない問いのことも哲学と言います。 著者である永井玲衣さんは、大学で哲学を学んだ経験を生かして、現在は学校や公共施設などで参加者が輪になり、あるテーマについてみんなで考え・聞き合うワークショップ(=哲学対話)を実施しています。 本書で書かれていた、「互いが完全にわかり合えないからこそ、その事実が私たちをやわらかくつなぐ(意訳)」ということが、コミュニケーションはもっと自由で楽なものでいいのかもと思えた。 先日、私も永井さんの哲学対話に参加してきました。参加者の1人が挙げたテーマについて皆で話し合って考え、問いが別の問いを引き寄せ、もう少しで何かすごい発見が生まれそうというところで、時間が来てしまった。 輪になって考えていた私たちは、まさに水の中に潜っているようでした。

Posted byブクログ

2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

哲学者である著者が子どもの頃に考えていたことや、小学生との哲学対話で体験したことなどからの思いが綴られているエッセイ。短い話で成り立っていて読みやすい。 表紙とタイトルが気に入って手に取った。深く考えることは、水中に深く潜るようなこと、とのこと。本当にそんな気がする。 哲学の話で、答えはないし、よくわからないのだけれど、不思議と読みやすくて、またたまに読み返したくなるだろう、と感じた。 以下好きだった話3つ。 日常に刺激が足りない、と言う人がいるが、哲学的で刺激的な空間は日常の中にこそある。例えば美容院。「どうしたいですか?」という問いは、「どういうあなたでありたいですか?」という問いでもあり、「どういう人生をあなたは送りますか?」という問いでもあり、哲学的である。 世界は理不尽で、不条理で、めちゃくちゃで、暴力的で、意味不明だが、世界はボケつづけているとも言える。せっかく生まれたのに絶対死ぬなんて、「なんでやねん」としかいえない。サンドウィッチマン伊達の「なんでやねん」が理由を問うものであれば、ナイツ土屋の「どういうことだよ」は意味を問う。ツッコミ王道の言葉ながら、哲学対話の際に頻出する筆問でもある。要はこれは、永遠にボケ続ける世界に対するツッコミなのである。そうなれば、哲学者はみなツッコミ芸人なのかもしれない。 東大の哲学教授が学生からの「偉いとはどういうことですか?」という質問に対して、「どうしてこういうことが気になるのですか?」と、答えた。問い自体もまた問いに付され、問い返されていく。考えることによってより分からなくなり、そしてその分からなさをまた問う。前提を問うのは停滞ではなく、考える対象を明確にするために進んでいる。

Posted byブクログ

2024/08/13

仕事のとある企画でお会いした哲学者の永井さんの著書。 その企画では永井さんが行う「哲学対話」を体験した。 ひとつの「問い」を立て、それについてみんなで対話を繰り返す。答えのようなものに近づくけれど、ふと新たな「問い」が生まれて全てが最初に戻ったような感覚に。 進んだり戻ったり、...

仕事のとある企画でお会いした哲学者の永井さんの著書。 その企画では永井さんが行う「哲学対話」を体験した。 ひとつの「問い」を立て、それについてみんなで対話を繰り返す。答えのようなものに近づくけれど、ふと新たな「問い」が生まれて全てが最初に戻ったような感覚に。 進んだり戻ったり、そもそも進んでいるのかどうかも分からない対話は「そこまでです。」という永井さんの言葉と共に終わる。モヤモヤした気持ちを抱えながら、対話が終わってからもしばらくの間、あれはこういう意味かな…とみんなとの対話をひとりで続けた。 「水中の哲学者たち」は、永井さんによる哲学対話のエピソードや、自身の過去の記憶などから、その時に浮かんだ気持ちや問いに向き合う姿が記されている。本を通して一貫して感じるのは「分からなさ」。 日々生まれる大小さまざまな疑問や、社会のゆがみ、昔感じたその時の気持ち、そのどれも僕が体験した哲学対話のように答えの無い「分からなさ」でできていて、永井さんがどう考えを巡らせたかが書かれていて、読んでいるこちらも一緒になって少し心が重くなる。 いつまでも考えても辿りつかない答えについて考える時間はまるで苦行だ。そんなことして何になる?時間のムダだと言う人もいるかもしれない。でもそれが何になるのかは分からない。分からなさと向き合う。損か得か、良いか悪いか、白が黒か、どちらでもない。それは人との関係においても同じかもしれない。分かり合えたかと思うと急に遠くなるような、そもそも分かりあう必要があるのだろうか?分かりあうって何だろう? こうしてまた答えのない問いが繰り返される。モヤモヤをモヤモヤのまま向き合い、またモヤモヤする。僕はこの本から何を得たのかはまだ分からない。

Posted byブクログ

2024/07/31

全体的には、効率性重視、合理性当然という社会にあって、あれ?待てよ?どういうこと?そして、同じ様な人がいるのね!という、喜びと切なさ。 この感覚は、とても大切だな。 世界、問題集かよ、の「なんでやねん」と「どうしてだよ」が面白くて、かつ、うなってしまった。

Posted byブクログ

2024/08/07

人は生活する中で、哲学的な場面に出会ったり、哲学的に考えたりしている。それが「手のひらサイズの哲学」であり、他の人の考え方に出会い、自分の考えを言葉にしようとする中で、さらに深まっていくのだと感じた。これからもっと哲学対話をやりたいと思った。

Posted byブクログ