ばにらさま の商品レビュー
山本文緒さんの遺作です。 女性が生きていく中での 狡さや痛さや後悔を表現するのが上手。 あーこういう人いるなとか。 自分にもこういうところあるなとか。 素敵な人やかっこいい人は出てこないから スカッとしない。モヤモヤしたまま終わる。 でもそれでもいいんだなって思える。 それで...
山本文緒さんの遺作です。 女性が生きていく中での 狡さや痛さや後悔を表現するのが上手。 あーこういう人いるなとか。 自分にもこういうところあるなとか。 素敵な人やかっこいい人は出てこないから スカッとしない。モヤモヤしたまま終わる。 でもそれでもいいんだなって思える。 それでも生きていくんだって思えます。 もっと山本文緒さんの作品読みたかったです。
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作者の山本文緒さんが亡くなってから読んだ本。大好きだった作家さんだけにショックが大きかった。これが最後の作品になってしまったのかと思うと「次がない」という気持ちになり多少ためらってしまった。(「自転しながら…はまだ読んでいる途中ですが)だから丁寧にゆっくり読んだ。やっぱり面白かっ...
作者の山本文緒さんが亡くなってから読んだ本。大好きだった作家さんだけにショックが大きかった。これが最後の作品になってしまったのかと思うと「次がない」という気持ちになり多少ためらってしまった。(「自転しながら…はまだ読んでいる途中ですが)だから丁寧にゆっくり読んだ。やっぱり面白かった。あっと言わせる設定は山本さんならではだなぁと思った。昔、読んだ作品もあっと言わせる展開があって、それが好きでファンになっていた。次はないけれど、山本文緒さんの作品の面白さはいつまでも忘れない。ご冥福をお祈りいたします。
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山本さんが生前最後に出された短編集。 ついこないだ闘病記のエッセイを読んで、その中で「ばにらさま」の発売にまつわる話も書かれてたので、なんだか感慨にふけながら読みました。 6篇の短編集。 どの話も危うさを感じる女性が主人公。 人の持つ光と闇を描くのがほんとに上手いな〜と思った ...
山本さんが生前最後に出された短編集。 ついこないだ闘病記のエッセイを読んで、その中で「ばにらさま」の発売にまつわる話も書かれてたので、なんだか感慨にふけながら読みました。 6篇の短編集。 どの話も危うさを感じる女性が主人公。 人の持つ光と闇を描くのがほんとに上手いな〜と思った どの話も少し毒っ気があって、なんだか痛い。 これ表紙の装画も、一見可愛いんだけどなんか違和感。 手が不気味〜!これも狙いなのかな?? 1番好きだったのは最後の「子供おばさん」。 いっとき仲の良かった友人が47歳で亡くなった。 もう7年も関係が途絶えてたのに、彼女の遺言で負担付遺贈があるという。 それは500万円と、それを受け取る代わりに愛犬のレトリバーを引き取って大事に育てるというもの。 亡くなった友人が彼女に託した意図は何だったのか。 やっぱりペットがいるっていいよね〜♡ ラストの文章が印象的だった。 「私は大丈夫」も面白かった。 読んでるうちに雰囲気あやしくなってくる。笑 でも女ってこういう感じだよな〜って思う。 らっきょのとこ、私もこの立場だったら同じ気持ちになるだろうな。 そしてなんか会ったこともない相手に、意地になって張り合ってしまうのも分かるかも。笑 女ってそういう生き物。 「菓子苑」 途中で、え!っと驚き!面白かった〜。 「ばにらさま」 瑞希はこれからもこうなのかな。寂しすぎる。 「バヨリン心中」 バヨリンってそういう事か〜。一見、素敵な恋の回想のようだけど、後悔や未練の塊の様だった。人は1番良かった時の事を何十年経っても忘れられないものなんだろうな。 「20×20」 作家さんの話。ちょっと山本さん自身と被るとこもあるのだろうか?お話しを書き続けるってほんと大変な事だろうな〜。改めて作家さんてスゴいです。 山本さんの作品はほとんどまだ読めてないけど、「恋愛中毒」と「自転しながら公転する」がすごく好きでした。 新作読めないのは残念だけど、これからも既刊の作品をちょこちょこ読んでいきたいと思います♡
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いつも聴いているポッドキャスターさんが激推ししていたので読んだ。(表紙が好みでないので、推されないと読んでなかったかも•••)さすが、と言うほど面白かった。「子供おばさん」が一番好み。自分のこと言われているみたいだった(^^;;
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山本文緒さん生前最後の出版物。 彼女らしい短編集だなぁと感じる。 ちょっと嫌な気持ちになるような、その嫌な気持ちは自分の中にある歪みから来るような・・・。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルになっている「ばにらさま」は語り手が男性ではありますが、全て女性にスポットライトが当たった話でした。 恋愛小説の要素もありつつ、人生観が入り混じった、フィクションなのにやたらとリアリティがある短編小説という感想です。 1.ばにらさま どちらかというとアク強めのこのタイトルを本のタイトルにした意図は?「バニラさま」ではなく「ばにらさま」なのはどうしてなのだろうか、など内容と関係ないところが気になってしまいました。 この話でバニラさまと呼ばれている女性は、感情に乏しいというか、自分の感情を自身で感じ取れない、なので言語化もできないというタイプなんだなと思いました。 2.わたしは大丈夫 ドケチな妻=超節約の疲れたメイン語り手の主婦、って多分読んだ誰もが思いそう。この作者は、こういうハッとさせる伏線の張り方が本当にうまいですよね。 倹約のご褒美のスターバックス、電球交換を彼に頼んでいたら人生が変わったのかなとか、怖いマンションの住民とか、一つ一つがリアリティがありました。(でも、妊娠する流れは変わらなかったかな・・・?) 決して明るい話ではないものの、この本の中で一番印象に残った話でした。 3.菓子苑 個人的に胡桃のようなタイプの女性が苦手なため、読んでいて疲れました。まさか、娘だったとは・・・ この親子はお互いに執着しているんですよね、愛って色々ありますが執着も愛のかたちの一つですね。 ばにらさまもそうですが、SNSって意外とこうやってバレて読まれたくない人に読まれているんだろうな。 4.バヨリン心中 近未来の世界から過去のことを振り返る話です。 震災が話の流れを変えるきっかけになっていて、若かりしころの祖母が連れ去られた息子を奪い返したときの「この子は私のものだ!」と叫んだ場面は息を飲む展開でした。 この本は授かり婚というか、無計画な妊娠をする女性ばかり出てきます。 5.20×20 ここまでの話と違いあっさりめで恋愛が絡まない作品。 「無花果たわわ」ってペンネームは確かにふざけている。 作者のライフスタイルを少し投影しているように感じました。 6.子供おばさん これ読むと苦しくなる女性は多いんじゃないかなと思いました、私は苦しくなりました。 遺産相続で犬を引き取ってって、おいおい・・・・ 友人の兄の奥さんが1円でも多く遺産を取ろうと鼻息荒く横から口をはさみまくっている感じがリアリティありありでした。怖い。 結局転職して、引っ越しをして犬中心の生活に、幸せとか不幸とか白黒付けないような、その場の流れに任せようというような何も成し遂げていないと言いながらもそれを人生の後悔としているほどでも無いような。 「わたしは大丈夫」の次に印象に残った作品でした。
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いい女もいい男も出てこない、 あ、みんなそうなんだ そう思ってるんだって 胸をぐっと押されるような感覚。 ばにらさまだけ、男性視点だからか共感できない部分もあったかなぁ でももう一度読みたい。
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「自転しながら公転する」を読了したのも、山本文緒先生が昨年永眠されたことを知ったのも最近のことでした。 「自転しながら公転する」が印象に残ったせいか、遺作の本作も近いうちに読みたいと思っていました。 本作には6編の短編が収録されており、どれも、えっ?そうなるの??とラストに意表を...
「自転しながら公転する」を読了したのも、山本文緒先生が昨年永眠されたことを知ったのも最近のことでした。 「自転しながら公転する」が印象に残ったせいか、遺作の本作も近いうちに読みたいと思っていました。 本作には6編の短編が収録されており、どれも、えっ?そうなるの??とラストに意表を突かれるものばかり…山本文緒先生ってすごい!そう心から思いました。私はこの「ばにらさま」の装丁も、一度見たら忘れられない、作中の「ばにらさま」がそのままここにいるみたいで好きです! もっと山本文緒先生の作品を読んでみよう…そう心に決めました(でも読みたい作品ばかり増えて…困っちゃいます(汗))。
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人が出会う事、別れる事、生きて来た事、生きて行く事、後悔したり、成長したりの十人十色。物語に希望がなくて完結していない。読者の妄想が続く。
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短編集。6つの話があるけれど、時間がないので3つ目までしか読まなかった。 その中で表題作「ばにらさま」は短いながらもとても良い。時間のない方はこちらだけでも読んでみてはどうだろうか。 2つ目の「わたしは大丈夫」も◎。 こちらは技巧的なうまさが際立つが、それだけではなく情緒的な...
短編集。6つの話があるけれど、時間がないので3つ目までしか読まなかった。 その中で表題作「ばにらさま」は短いながらもとても良い。時間のない方はこちらだけでも読んでみてはどうだろうか。 2つ目の「わたしは大丈夫」も◎。 こちらは技巧的なうまさが際立つが、それだけではなく情緒的な側面も秀逸。
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