ばにらさま の商品レビュー
自立した女性になりたいな、そうでなきゃ、この先の世界で生きてくのキツイかも、と思った。山本文緒さん読むと、漠然とした感想はいつもそうな気がする。 短編なので、ぱっと読めただけに、結末知った上で振り返って読んでみようかなとなる作品でした。
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山本文緒さんを読んだのは「無人島のふたり」ですごく興味を持ったから。 無人島のふたりの中に「ばにらさま」が出てきたので、まずはこれから。 このタイトルとこの表紙・・・、知らなかったら、絶対手に取らないだろうなぁ。 短編集だけど、表題作のばにらさまが、一番好きかも。 どんな人でも...
山本文緒さんを読んだのは「無人島のふたり」ですごく興味を持ったから。 無人島のふたりの中に「ばにらさま」が出てきたので、まずはこれから。 このタイトルとこの表紙・・・、知らなかったら、絶対手に取らないだろうなぁ。 短編集だけど、表題作のばにらさまが、一番好きかも。 どんな人でも幸せになりたいって、その人なりに頑張っているんだろうなぁ。人生の哀しみみたいな感じがした。
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山本文緒さん生前最後の本。 6つの作品が入った短編集。 非モテ男性と付き合うカード地獄女性を描く表題作品「ばにらさま」 浮気癖のある男性とその男性を取り巻く二人の女性を描いた「わたしは大丈夫」 舞子と胡桃の女同士の関係性を描いた「菓子苑」 東日本大震災の時代を生きたおばあちゃ...
山本文緒さん生前最後の本。 6つの作品が入った短編集。 非モテ男性と付き合うカード地獄女性を描く表題作品「ばにらさま」 浮気癖のある男性とその男性を取り巻く二人の女性を描いた「わたしは大丈夫」 舞子と胡桃の女同士の関係性を描いた「菓子苑」 東日本大震災の時代を生きたおばあちゃんの話を聞いて進んでいく「バヨリン心中」 物書きの私とボスとゲランさんが出てくる「20×20」 久しく会ってなかった友人が亡くなった独身女性が主人公な「子供おばさん」 どれも山本文緒作品らしく、どこか暗くてでも捨てきれない感じ。 これが彼女らしさではなかろうか。
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学生時代に山本さんの本に出会い、大好きになり、愛読していた。 山本さんが描く女性の人生の多様さや強かさ、切なさは他の作品には無く、私にとって唯一無二の作家さんだった。 遺作となった短編集の本作も、女性の強さや弱さ、切なさ、強がり、プライド、ズルさなど色んな表情、感情を教えてくれる。 「ばにらさま」と「菓子苑」は、ちょっと不思議なユーモアがある現代風小説、もしくは現代風刺なのかもしれない。 時代の波に乗ろうとして頑張る女性、それをちょっと羨みながらも冷静に眺め、自分はどう生きるべきかもがく女性。 生きやすくなったようで、昔と違う生きづらさ、窮屈さもたくさん感じる今の世の中。 山本さんは何を想い、何を表現したかったのかなと思う。 好きなのは「子供おばさん」。 山本さんの作品が好きな人はみんな好きだと思う。 大人になった自分の中にいる子供の自分。 大人や女性として生きる葛藤や戸惑い、自分の感情と向き合う不安。 そういう感情も色んな生き方もあって、みんなありのままでいいんだよと改めて感じさせてくれる山本さんならではの作品だった。
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2023/03/09予約 1 表紙が嫌で手に取らなかった。 でも読んだらとても良かった。 どうしてこの表紙にしたのだろう、他のものだったら、もっと手に取られるだろうと思う。 この表紙が悪いと言っているわけではなく、この本の内容に合わない。 ツイッターにアップしている日記的なものに本音を書いている。それを彼氏に読まれていると知らずにいる「ばにらさま」 こんな女嫌だな、と思うけど、たくさんいるんだろうな。 派遣で職場の男を物色、冴えないけど都内に土地がある男を狙う。 「わたしは大丈夫」身体の不調をおして節約し子育てする彼女の原動力は。元愛人で妊娠により本妻になった。愛人のほうが私には向いている、そう言っていたのに。バリバリ仕事に励み昇給を目指し、その後はフリーランスになりたい、その彼女の行く末。 この2つの作品がゾワゾワして良かった。 嫌なところ、誰でも持っている黒い部分を表すのがとてもうまいと思う。 もう山本文緒を読むことはできない、それがとても悲しい。
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山本文緒さんの、悲しいかな最後の作品。 大きな盛り上がりがある訳ではないけれど、心の機微の描写、パンチ力が半端ない。「子供おばさん」が1番好みでした。ただ、装丁が圧倒的に好みじゃないのが残念すぎます! もっともっと作品を読みたかったな。
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「ばにらさま」「わたしは大丈夫」「菓子苑」「バヨリン心中」「20×20」「子供おばさん」 6話収録の短編集。 2008年から2016年に初出された短篇を纏めた物だが古さは全く感じない。 甘やかな装丁。 けれど其々の物語は、どれも毒を孕んでいる。 チクチクとする痛みを感じなが...
「ばにらさま」「わたしは大丈夫」「菓子苑」「バヨリン心中」「20×20」「子供おばさん」 6話収録の短編集。 2008年から2016年に初出された短篇を纏めた物だが古さは全く感じない。 甘やかな装丁。 けれど其々の物語は、どれも毒を孕んでいる。 チクチクとする痛みを感じながら読み進めていくと、突如出現する鮮やかな仕掛けに思わず嘆息。 心の奥底に潜むあらゆる感情が炙り出されていく様は、登場人物に自分を投影し時に苦しくなる。 著者ならではの細やかな心理描写は秀逸。 自分でも持て余す負の感情を爽快とも思える程に抉って来る一冊。
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どの短編もとっても面白いです。 面白いと読み終わり時が分からず、夜更かししてしまう私ですが、短編なので少しずつ読み進められて良かったです。
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小説としては山本さんの遺作。 主に女性を主人公とした短編集。 これまで何作か読んできて、山本さんが書く女性というのは、同性の目から見ても辛らつに、容赦ない、という印象。 これは図らずも、山本さんが自分に対して戒めていたというか、冷静に俯瞰しているみたいな・・・ 独特の印象を受ける...
小説としては山本さんの遺作。 主に女性を主人公とした短編集。 これまで何作か読んできて、山本さんが書く女性というのは、同性の目から見ても辛らつに、容赦ない、という印象。 これは図らずも、山本さんが自分に対して戒めていたというか、冷静に俯瞰しているみたいな・・・ 独特の印象を受ける。 若い女の子だけでなく、おばさんの話も読みたかったな。
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6つの恋愛短編小説集 どれも一筋縄ではいかない、まったく綺麗事でない恋愛がつづられている。 あまり恋愛体質ではないので、こういう小説を読むと、ますます恋愛から遠ざかる…というのは言い訳だろうか?!
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