ばにらさま の商品レビュー
前作『自転しながら公転する』が大好きでした。そして、山本文緒さんの先日の訃報を知り、この本を手にとりました。 相変わらず、ダメな人間ばかりが登場します。そして、そこに自分の日常を重ね、こんなダメ人間に関わってはいけない!いやいや、これはすでに自分のことでは?!と自問自答してしま...
前作『自転しながら公転する』が大好きでした。そして、山本文緒さんの先日の訃報を知り、この本を手にとりました。 相変わらず、ダメな人間ばかりが登場します。そして、そこに自分の日常を重ね、こんなダメ人間に関わってはいけない!いやいや、これはすでに自分のことでは?!と自問自答してしまいました。 短編集の最後である「子供おばさん」は、2011年の執筆と巻末には書かれています。もしかしたら、山本さんは自分の死を悟り今回掲載したのかな、ともとれる物語りでした。 2021,10/20-24
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前半の3篇は、文緒節プラスちょいミステリー風。「思わず二度読み」のオビ通り。ネタバレしてても何度でも読める。
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6篇を収録した短篇集。それぞれ独立した作品で連作ではないし、テーマも特になさそう。強いて共通点を探すと、どれも“痛い”ということだろうか。物理的な痛みではなく、精神的な痛みだ。身近な存在がもたらすものもあれば、赤の他人や疎遠な友が原因のものもある。彼らの痛みはやがてこちらにも伝播...
6篇を収録した短篇集。それぞれ独立した作品で連作ではないし、テーマも特になさそう。強いて共通点を探すと、どれも“痛い”ということだろうか。物理的な痛みではなく、精神的な痛みだ。身近な存在がもたらすものもあれば、赤の他人や疎遠な友が原因のものもある。彼らの痛みはやがてこちらにも伝播し、ボディブローのように効いてくる。面白かったような、重苦しかったような、なんとも不思議な読後感を味わえた。
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何かを抱えてる人、抱えることになった人が主人公の6編からなる短編集。どの作品のにも今の自分とこれまでの自分の痛みなどがあってそれが溢れてくる瞬間がなんとも言えない感情を引き起こす。どれも30ページ前後の短編なのにものすごく濃密な心の動き、痛みがある。すごいです。
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途中「ばにらさま、どこ行った?」と思いましたが、短編集だったんですね。 全編ばにらさま物語だったら、もっと良かったのに。 でも、まぁ、どれも良い話でした1
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【痛くて染みて引きずり込まれる!待望の傑作短編集】冴えない会社員の広志にできた彼女は色白でとびきり可愛い“ばにらさま”。日常の向こう側に見える心のあり様を捉えた6篇。
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