ばにらさま の商品レビュー
久々の山本文緒。 お亡くなりになって残念です。 相変わらず、ぎょっ、とさせてくれる作品をかいてくれます。 年も境遇もバラバラの女性なのにどこかなんかどの主人公にも共感できる部分があってぎょっとする。 2022.3.21 42
Posted by
6つの短編からなる一冊。 それぞれの女性の生き方にハッとする事も。 個人的にはバヨリン心中と菓子苑が好き。 菓子苑の胡桃の心情をゴシック体(?)で表したり、バヨリン心中の祖母が昔話をする時に丁寧語を使って書き分けるなど、文緒さんの使い分け方に、ただただ凄いと思いながら読み進めまし...
6つの短編からなる一冊。 それぞれの女性の生き方にハッとする事も。 個人的にはバヨリン心中と菓子苑が好き。 菓子苑の胡桃の心情をゴシック体(?)で表したり、バヨリン心中の祖母が昔話をする時に丁寧語を使って書き分けるなど、文緒さんの使い分け方に、ただただ凄いと思いながら読み進めました。
Posted by
どれも別々の短編。繋がりは全くないけれど、女性の心の動きが丁寧でリアル。抉られるような共感。言葉の仕掛けに感嘆させられる。 必死に取り繕い装って、カッコつけて何でもないよと、後ろ手に隠し続けていたものをあっさりと引き出され、目の前で公開された恥ずかしさにも似た。 綺麗じゃない。カ...
どれも別々の短編。繋がりは全くないけれど、女性の心の動きが丁寧でリアル。抉られるような共感。言葉の仕掛けに感嘆させられる。 必死に取り繕い装って、カッコつけて何でもないよと、後ろ手に隠し続けていたものをあっさりと引き出され、目の前で公開された恥ずかしさにも似た。 綺麗じゃない。カッコ良くない。年齢を重ね、不意打ちに今の自分の姿を鏡でまじりと映され、見てしまった何とも言えない身の置き所のなさ。 蓋をしていた落とし穴の闇を除いてしまった時の虚無感。打算や醜さといった微毒を含ませながら、その中に哀しくて苦しくて切ないが混ざり合う。何の変化も起きないまま、それでも日々を送る。 激しさはないけれど、深く突き刺さる。そう、自分自身も母となってシニアグラスが要る年齢となった現在も、私の中身は未だに子供おばさんだ。ラスト2行が深く胸に響く。 遺作となってしまわれたのが残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。 残念だったのは、装丁イラストが…クセがかなり強いタッチで表紙に惹かれる方は少なさそう。 内容ともイメージが違うので、もう少し何とかしてほしかったです。
Posted by
表紙の明るさとは対照的に、なかなかにダークな世界観でした。 全体として、読後の爽快感はあまりありませんでしたが、こういうドロッとした感情を摂取するのもたまには良いものだなぁと思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
山本文緒先生の遺作。 心よりご冥福をお祈りいたします。 6名のタイプの異なる女性の物語。 恋愛って、結婚って、ほんと面倒なもの。 長く生きれば生きるほど厄介になってくる。 男に頼らなくたって一人でやっていけるはずなのに、何故なんだろう。どこで間違えたんだろう。 彼女たちの不器用な生き方に切なくなった。 ざわざわする話が続く中で最後の『子供おばさん』が一番印象に残った。 私も同級生の葬儀に参列したことがあるけれど、あれは本当に辛い。 葬儀の後、共に参列した同級生たちとお茶しながらしみじみ語り合ったことを思い出した。 最後に同級生から託されたもの。それは形あるモノだけでなく晩年の生き方。 私もこんな風に穏やかな晩年をおくりたい。
Posted by
はじめましての作家さん! YouTubeチャンネルのベルさんがおすすめしてて気になって借りてみた。 本屋大賞候補作は貸出中だったので、次におすすめらしいこちらを借りてみました! ワイドショーてきな恋愛小説の短編集って感じでした
Posted by
話題になっていたので読んでみた。 少し暗めの内容だったので、読み終わったあとに何となく暗い気持ちになった。 ここまで書きながら思ったが、本を読んで、読者を本の内容に近い気持ちにさせる本は、なかなか無いのではないだろうか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
6つの短編からなり個人的にはバヨリン心中と菓子苑が好みでした。いずれも異なる女性の異なる事情をリアルに描写されていて共感できる部分が多いのだと感じました(私は男ですが)
Posted by
育児に専念するため、クリスマス・イブの今日で、病院を辞める看護師の由紀恵。最終日も仕事が忙しく、てんてこ舞いの中、今日は家にいて、1歳の娘の面倒をみていた夫が、何者かに拉致監禁された? 夫と連絡が取れなくなったことを心配する由紀恵だったが・・・。監禁の描写はエグいが、話自体は意外...
育児に専念するため、クリスマス・イブの今日で、病院を辞める看護師の由紀恵。最終日も仕事が忙しく、てんてこ舞いの中、今日は家にいて、1歳の娘の面倒をみていた夫が、何者かに拉致監禁された? 夫と連絡が取れなくなったことを心配する由紀恵だったが・・・。監禁の描写はエグいが、話自体は意外に単純と思いきや、まさかのラストに驚き。医療関係者ではない秋吉さんが、現役の医師作家が書くミステリなどと比べても遜色ない程、病院内で起こる諸々のできごとを描いている。今作は医療ミステリではないが、今後、医療ミステリも書けるのでは?
Posted by
+++ 冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい 日常の風景が一転! 思わず二度読み! 痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。 6つの物語が照らしだす光と闇 島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作! 伝説の直木賞受賞さ...
+++ 冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい 日常の風景が一転! 思わず二度読み! 痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。 6つの物語が照らしだす光と闇 島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作! 伝説の直木賞受賞さく『プラナリア』に匹敵るす吸引力! これぞ短編の醍醐味! +++ 登場人物がリアルに浮かび上がってくるような物語たちである。そして、先の展開に興味津々で読み進めていると、さらりとまったく別の世界に連れて行かれる。数ミリの段差もなく、滑るように視点が変わるので、ぞくっとさせられる。人間の思い込みの怖さをも思い知らされて、うなるしかない。人間の本質まで透けて見えてきそうな一冊である。
Posted by