ヨルガオ殺人事件(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『カササギ殺人事件』未読でゲラに応募。当選して読む順番をどうしようかと迷い、『ヨルガオ殺人事件』→『カササギ殺人事件』→『ヨルガオ殺人事件』(再読)にして、このシリーズの内容についてまっさらの状態で本作を読んでみた。 人生に行き詰っている主人公スーザンパートの体当たり的なミステリ解決への模索、振る舞いがスマートな名探偵が出てくるパートは英国の上質なミステリ、その名探偵に導かれるように主人公が現実の謎を解き、私生活でも自分なりの結論を出す。 今そこにあるミステリと作中作のミステリが合わせ技となって絡み合い、事件もそして主人公の人生の行き詰まりも解消されていくという結末、890頁というなかなかの大作、そして良作を読めたなぁと大満足。 ホロヴィッツ作品自体が初読み。表現が洗練されていてそれも良かった例えば 「これが人生というものかと、エリックは悟りはじめていた。自分にはこんなカードしか配られなかったのだ。」(上巻P324) 普段は純文学などを読んでいてミステリ読みではないので、人物表とにらめっこしながらメモを取りつつ読む。作中作の秘書が怪しいという以外はさっぱり分からず。 またスーザンとアティカス・ピュントの活躍が読めることを期待している。
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作者の言葉を借りるなら、「健全な」作品、が好きな自分としてはもうアンソニー・ホロヴィッツの本は読まないと思ってはいたが、アティカス・ピュントシリーズというのかカササギシリーズというのかは読んでしまうな。きっと今後も。
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