川のほとりで羽化するぼくら の商品レビュー
よかった。 家族やまわりに敬意を保つって難しいことなのかもしれない。自分も無意識にハラスメントしてるところがもしかしたらあるのかも。相手の立場を知るということが、ハラスメントを薄くするのに有効なんだろう。本を読むと少し補える感じがする。 最後のお年寄りが主人公の話、特に興味深かっ...
よかった。 家族やまわりに敬意を保つって難しいことなのかもしれない。自分も無意識にハラスメントしてるところがもしかしたらあるのかも。相手の立場を知るということが、ハラスメントを薄くするのに有効なんだろう。本を読むと少し補える感じがする。 最後のお年寄りが主人公の話、特に興味深かった。こんなふうな物語を紡いでくれる人がいてよかった。 この方の書いた長編小説を読んでみたいなぁ。
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不思議な話と日常の話とがあった。「ゆれながら」が1番心に残った。母との向き合い方にヒントがあった。 結局は親子でも別々の人間なんだよな。
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自分達を縛る呪縛を振り払おうとする、川のほとりのぼくら。時代や舞台に変化をつけた短編4編 「わたれない」 これは別の短編集で既読 現状の日本の家族形態から 少しズレた夫婦 この作品が一番自然体で好き 「ながれゆく」 七夕の織姫・彦星からの着想 織り続ける事、愛する者との年一回...
自分達を縛る呪縛を振り払おうとする、川のほとりのぼくら。時代や舞台に変化をつけた短編4編 「わたれない」 これは別の短編集で既読 現状の日本の家族形態から 少しズレた夫婦 この作品が一番自然体で好き 「ながれゆく」 七夕の織姫・彦星からの着想 織り続ける事、愛する者との年一回の逢瀬。 前世からの原罪に疑問を持つ これは示唆的すぎてよくわからない 「ゆれながら」 近未来、あるいはパラレルかな 病気の蔓延から人工授精が社会的常識となった社会 閉鎖された過去のままの地域 そこは 川で分たれていた これも なんとなくわかるんだけど 掴みきれなかった 「ひかるほし」 ひかる星は、夫の勲章 それは 夫だけの物なのか これは共感度お高めでした 社会的にはとても認められた夫 結婚当時から続く傲慢さ 認知症となった夫への対応に苦慮する年老いた妻 そして、残る人生に自由を選んだんですね 舅を思い出しましたね 彩瀬さんって、ちょっと変わった設定するんだなと。特殊な状況での 普遍みたいなところを書いてくるのかな。
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「川」を舞台にした四本の短編集。どれもテイストが違って、ファンタジーもあれば超現実的な話もある。四本目のおばあさんの話が一番印象的で、彼女が夫の精神的支配から逃れることを決意した瞬間の描写がとても良かった。
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【収録作品】わたれない/ながれゆく/ゆれながら/ひかるほし 舞台は現代であったり、ファンタジー世界であったり。 性に縛られる男女それぞれの息苦しさが描かれている。それは社会という圧力があるからだが、それを作っているのは人間。 多数ってなんだろう。常識ってなんだろう。
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橋を渡ることを通して境界線を越え、一歩を踏み出すことをテーマにした4つの短編集。どれも彩瀬さんらしい、世の中を蔓延している息苦しさを乗り越えようとする主人公たちを応援したくなる4篇だった。 最初の「わたれない」が現代で父親として子育てをしながらジェンダーロールに悩む暁彦の話だった...
橋を渡ることを通して境界線を越え、一歩を踏み出すことをテーマにした4つの短編集。どれも彩瀬さんらしい、世の中を蔓延している息苦しさを乗り越えようとする主人公たちを応援したくなる4篇だった。 最初の「わたれない」が現代で父親として子育てをしながらジェンダーロールに悩む暁彦の話だったから、二つ目でいきなり七夕伝説を主題にした神話チックな話になるので一瞬戸惑うが、なんだかんだで非現実的な設定でも共感できる部分があるから読みづらさは全く感じなかった。 今作では特に「ながれゆく」と「ひかるほし」で、女性が誰か(大抵男性)に行動を決められるのではなく、能動的に選択して行動する場面があるので、最後は気持ちよく(?)読み終えることができる。 個人的には最初の「わたれない」がお気に入りで、特に暁彦と咲喜がお互いにコミュニケーションを取り合うことができる関係であることが良かった。いやなことがあれば理不尽に怒鳴り散らすのではなく、何がどのようにいやかを相手に伝えることで解決策が見つける二人が理想的に思えた。
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4作品入っている短編集。 帯に、「私たちに降りかかる『らしさ』の呪いを断ち切り、先へと進む勇気をくれる珠玉の四篇。」と書いてある。 4作品とも、川と橋のこちら側と向こう側が出てくるのが共通している。 1作品目は、育児をする主夫の話。 彩瀬さんの作品は、かっこよくて自分の意見をしっかりと言える女性が多く出てくる印象。 私もこんなできる妻&母だったら…と思う。 2作品目は、七夕の神話のような話。 3作品目は、川を挟んだ向こうの国では、体外受精が当たり前で、母体で赤ちゃんを育てて出産するのがリスクを伴うから危険で昔の風習とされている話。 4作品目の「ひかるほし」が私は一番好きで、少し認知症が入ったおばあさんが主人公で、仕事はできたけど、家にいると何もしないで全てを奥さんであるおばあさん任せのおじいさんが出てくる。おじいさんがめっちゃイラつく。傲慢で幼稚、生活の全てを奥さんに依存しているおじいさん。 おばあさんは、贅沢を言うとバチが当たると思って生きてきた。最後は、バチなんて当たらないと思うことができて良かった。 私の夫も、「贅沢するとバチが当たる」みたいなことを前に言ってた人なので、自分のことは我慢して周りをサポートしすぎる傾向にある人だなと思った。私も疲れている時に夫に依存していないか(この話の夫婦逆バージョン)になっていないか、ドキッとした。
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川を隔てたこちら側とあちら側を書いた4編。 「ひかるほし」が特に良かった。 読みやすくて流れるように文字を追う。でもそこに一人の人生が詰まっていて実は重みがある。 戦争を知っている世代の女がどんな風に生きてきたのか考えるたび、胸にグッと押しつけられるような痛みを感じる。夫に叱りつけられている妻たちの、耐えに耐える人生は、今の時代には少なくなっているだろうと思う。けれど完全に無くなったわけではなくて、今もどこかでこんな風に耐えている人がいるかもしれない。そう思うと深いため息が出る。 強引で鈍感で傲慢でも、若いうちはいいかもしれないけれど、年老いた時に厄介だとリアルに思った。むしろ若いうちに性根を叩き直しておかないと、本人が一番困ることになる。 最後は自分を認め前向きになった主人公に涙が出そうになった。 それと「ゆれながら」で主人公が空白の葉書を投函するのが良かった。書くことは何もない、書けないけれど投函だけはする。ここに気持ちが表れるんだなぁ。 各短編ごとに、主人公たちのちょっとした言動が印象的な本だった。本の中で「たしかに生きている」と感じる。川を渡って解放されていく主人公たちの生きている実感がこちらにも響いてきた。
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「わたれない」「ながれゆく」「ゆれながら」「ひかるほし」 4話収録の短編集。 それぞれ、シチュエーションは全く異なるが、全話に共通して登場するのは『川』。 いつのまにか自身に植え付けられた性別による役割や、息苦しいまでの固定観念。 その理不尽な思いを掬い上げ、縛りから解放して...
「わたれない」「ながれゆく」「ゆれながら」「ひかるほし」 4話収録の短編集。 それぞれ、シチュエーションは全く異なるが、全話に共通して登場するのは『川』。 いつのまにか自身に植え付けられた性別による役割や、息苦しいまでの固定観念。 その理不尽な思いを掬い上げ、縛りから解放してくれるような筆致に、心が少しずつ軽くなって行く。 遠いように見えて向こう岸までは、勇気を振り絞ればあっと言う間。 いつもの見方、考え方を少し変えて頭をやわらかくすれば、いつだって前へ進む事は可能だ。 自分を変えたい、変わりたいと思った時が決断の時。
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橋にまつわる短編集。 どの話も好きだったが、同作家さんのSFチックな話を初めて読み、着眼点も好きだと感じた。 最近子供ができ、年中行事や童謡なども調べているため、七夕の話についてもそんな見方があるのか、と興味深く感じた。 確かに、罰として1年に1回しか会えなくされていたなぁと。 ...
橋にまつわる短編集。 どの話も好きだったが、同作家さんのSFチックな話を初めて読み、着眼点も好きだと感じた。 最近子供ができ、年中行事や童謡なども調べているため、七夕の話についてもそんな見方があるのか、と興味深く感じた。 確かに、罰として1年に1回しか会えなくされていたなぁと。 他の話でも世間から見た男女の役割の差、出産という行為で愛情の大きさが変わるのかなど、考えてしまう部分が多かった。
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