川のほとりで羽化するぼくら の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こうあるべき、という自分。こうあらねば、という自分。こうありたい、という自分。 そういうあれこれにがんじがらめにされて生きている私は時々息ができなくなる。 川は形を変える。色も変える。水の流れを見ていると自分の奥の奥の方に何か動くものを感じる。 あぁそうだった。私も水のように自由に動けばいいんだ。くびきから逃れ、狭い箱から一歩を踏み出す。 彩瀬まるは私に教えてくれる。自分で自分を決めつけるなと。 べき、も、ねば、も、たい、も放り出してしまえ、走りだせ、今は見えないその羽で飛び立て、と。 川が流れる。自分の中にある水も流れる。あなたはあなたの道を見つけて行け、と背中を押された。
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