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三十の反撃 の商品レビュー

3.6

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

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2023/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

"あらゆる手段と方法を使って、私はほかの人たちとは違うすごく特別な人間なんだと、だからどうか私に注目してくれと、ありったけの力を込めて叫ばなければならない時代がやってきた。" 実は最後まで読み切ることが出来なかった一冊だけど、ただ、この一文がどうしても頭に残り、こういう文章に出会えたことに大きな価値を感じた一冊です。また読んでみたいと思います。その時は最後まで読めるといいな。

Posted byブクログ

2023/08/11

お国柄の文化たるものはてんで分からなかったけれど、生きることの大変さは全国共通だと思うのであれよあれよと共感して惹き込まれていってしまった。一気読みに近い感じでページ捲っちゃったな。ギュオクとジヘのラブロマンス的な描写にもキュンときちゃった。 作者さんのあとがきによる「私は、自...

お国柄の文化たるものはてんで分からなかったけれど、生きることの大変さは全国共通だと思うのであれよあれよと共感して惹き込まれていってしまった。一気読みに近い感じでページ捲っちゃったな。ギュオクとジヘのラブロマンス的な描写にもキュンときちゃった。 作者さんのあとがきによる「私は、自分自身と貴方たちに聞きたかった。どんな大人になりたいのかと。今という時間をどのように記憶し、刻んでいくつもりなのかと。反撃がうまくいかないとしても、心の中に志しの一つくらいは持って生きるべきではないのかと。」といった言葉が胸に沁みた。アーモンドも読みたいッスネ。

Posted byブクログ

2023/07/26

韓国の30歳女性の生活や気持ちが細やかに描かれていて、主人公が世の中に反撃しまくる展開だと勝手に思い込んで読んでいたら、チャレンジして失敗して、最後になんとか成功するものの、とても切ない話でした。

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2023/06/11

韓国も日本も人々が悩み感じている事は同じなんだな‥と思う所と、韓国独自の表現や事象が伝わりにくく読みにくいと感じる所の両方がある作品だった。 日本の氷河期世代にあたる世代が韓国にもある事を知れたし、持つ者と持たざる者の格差への憤り、どうにもならない感じも同じで共感出来た。 皆...

韓国も日本も人々が悩み感じている事は同じなんだな‥と思う所と、韓国独自の表現や事象が伝わりにくく読みにくいと感じる所の両方がある作品だった。 日本の氷河期世代にあたる世代が韓国にもある事を知れたし、持つ者と持たざる者の格差への憤り、どうにもならない感じも同じで共感出来た。 皆様々な葛藤を抱えながら、何者かになる事を夢見て日々の現実を生きている。 苦しみながら、もがきながらも自分の人生を歩んでいけることは幸せだと思う。

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2023/05/07

「アーモンド」に続く第二作。ようやく読む。 生きづらい世の中の、泳ぎ方。 変わることを押し付ける世の中で、簡単に変われないけどそれなりの生き方はある、と言ってもらっているような。それも人生だし楽しいかはわかんないけどなんとかなる、というか。 いい話。こんな物語を描いてみたい。

Posted byブクログ

2025/01/24

やっぱりこの作者さんは、些細な心情表現とか微細な行動の言語化がすごく上手。ただ、上手いがゆえにすごくリアルで、第三者の人生をぼーっと眺めているような感覚になってしまった。主人公のライフスタイルと情感が私にはほど遠かったせいかもしれない。 世の中に対する不平不満、デモ活動とか、自...

やっぱりこの作者さんは、些細な心情表現とか微細な行動の言語化がすごく上手。ただ、上手いがゆえにすごくリアルで、第三者の人生をぼーっと眺めているような感覚になってしまった。主人公のライフスタイルと情感が私にはほど遠かったせいかもしれない。 世の中に対する不平不満、デモ活動とか、自分の生活への不安感とか、なんとなく生きにくさを感じてる人たちにとってはものすごく共感できる話なんだと思う。

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2023/03/06

素直なジヘと哲学科卒業のギュオクの王子ぶりが好き。 正直前半はイマイチだったが、爽やかな風や季節の匂いが想像できる、五感に訴えてくるラストはすごく良かった。ソウルに行ったことはないが私も都会の空き場所にいる感じがした。 お国が違っても人間の悩みはそう変わらない。「本当は何がしたい...

素直なジヘと哲学科卒業のギュオクの王子ぶりが好き。 正直前半はイマイチだったが、爽やかな風や季節の匂いが想像できる、五感に訴えてくるラストはすごく良かった。ソウルに行ったことはないが私も都会の空き場所にいる感じがした。 お国が違っても人間の悩みはそう変わらない。「本当は何がしたいんですか?」という問いには、自分も向き合うのは怖い。

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2023/03/06

前回の朝鮮近代短編集の停滞がウソのように、一日で読み通した。とーぉっても面白かった。李箱文学賞ではなかったが、本書は済州4・3平和文学賞を受賞している。2017年に韓国の本屋に並んだようだ。朴政権を退陣させた蝋燭集会に集まった「普通の」若者たちを、たくさんたくさん励ましたに違いな...

前回の朝鮮近代短編集の停滞がウソのように、一日で読み通した。とーぉっても面白かった。李箱文学賞ではなかったが、本書は済州4・3平和文学賞を受賞している。2017年に韓国の本屋に並んだようだ。朴政権を退陣させた蝋燭集会に集まった「普通の」若者たちを、たくさんたくさん励ましたに違いない。 読みながら、この20数年間で20数回行った韓国の、そこでほんのひと時出会った若者たちの、あの姿、この姿が、走馬灯のように駆けていった。 主人公ジヘは、2010年当時30歳だったいわゆる「88万ウォン世代」(月収約8万4千円)。(←その後韓国の最賃は劇的に上がったから、日本の非正規とある意味変わらなくなっているはずだ)ジヘも、最貧の象徴である「半地下」の住居に住んでいる。インターンという名の半永久試し雇用で神経をすり減らしている。 少し勘違いしていた。世の中を大きく変えることはできないけど、身近なところから30通りの「反撃」をする話なのかと思っていた。実際には30歳の主人公たちの反撃だし、その「小さな」反撃が、必ずしも有効になるわけじゃなかった。唯一劇的な効果を見せたキム部長への反撃も、87年の闘争に参加したキム部長への正しい攻撃じゃなかった。 それでも、少しでも反撃することで若者は成長する。韓国の若者たちの社会を見る目は、健全でポジティブで、日本の若者たちを日々見ている私には眩しい。 私が韓国で出会った30歳前後の彼女たちは、 観光案内所ではおそろしく優秀だったし、 正社員の女性たちはなんとなく不遜だったし、 喫茶店での交流会の若者の政治意識の高さ、 旅で知り合った青年は、やはりジヘと同じく、 2008年の百万人ロウソク集会に参加していた。 ハンギョレ新聞の編集部、 その他民主団体の受付女性たち、 思えばみんな若い女性だった。 日本のように年寄りじゃない。 貧民街の隣に次々と高層アパートが立ち並び、 考試生(役人試験を目指す人々)の住む街も歩いた。 87年、08年、17年と、「普通の」彼女たちは、時には敗れ、時には集会に参加し、この時代を何とか生きている。 現代韓国が生き生きと息づき、そしてまるでワンクールのテレビドラマみたいだ、と思って読んでいたら、著者の本領は脚本家、映画監督だという。韓国若者の才能に幸あれ。

Posted byブクログ

2023/03/04

30ページ過ぎて、ジョンジンさんが出てきてから、面白くなった。ゴンユンとのエピソードが印象的で、結末も好き。不満を抱えているだけじゃダメってことだね。小さくても行動を起こさないとな。K文学、他の作品も読んでみたいな〜

Posted byブクログ

2023/02/23

何者でもない主人公が仲間と出逢い、なにかを変えようと行動を起こす話なのだけれど、彼らの行動に芯がなく、「これでいいのか……な?」という漠然とした不安が感じられる。だが、そこを含め共感ポイントが多かった。

Posted byブクログ