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三十の反撃 の商品レビュー

3.5

108件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2022/09/26

面白かったです。 何者にもなれずもがき苦しみながら何とか生活している主人公が、物語の中で成長して正しくないものには正しくないと言う事ができて、良かったです。 個人的な好みですが、恋愛の要素が入っていなければより没入できたかな?と思いました。 韓国社会のことをよく知らないのですが、...

面白かったです。 何者にもなれずもがき苦しみながら何とか生活している主人公が、物語の中で成長して正しくないものには正しくないと言う事ができて、良かったです。 個人的な好みですが、恋愛の要素が入っていなければより没入できたかな?と思いました。 韓国社会のことをよく知らないのですが、読み進めながらこういうこともあるんだと学べました。

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2022/09/19

『反撃』と銘打つ程の反撃はなく、タイトルからディズニー的な痛快さを求めて読んだ私には些か消化不良だった。 学生時代のトラウマを抱えた女性がおっかなびっくりしつつも、前進してゆく物語。 ただ、変化へ至るプロセスが本当に行ったり来たりと遅々として進まず、韓国の代表的なエンターテイ...

『反撃』と銘打つ程の反撃はなく、タイトルからディズニー的な痛快さを求めて読んだ私には些か消化不良だった。 学生時代のトラウマを抱えた女性がおっかなびっくりしつつも、前進してゆく物語。 ただ、変化へ至るプロセスが本当に行ったり来たりと遅々として進まず、韓国の代表的なエンターテイメントに見られるダイナミズムを期待して読むと肩透かしをくらってしまう。 リアリティを追求するとこんな感じなのかも知れないけれど、『反撃』と『韓国』といったキーワードからイメージしてこの本を手に取ると、少し残念かも知れない。

Posted byブクログ

2022/09/09

大人になるまでの悪あがきを書いた小説。 こういう悪あがきって、履歴書や戸籍に残らないけれど、その人の人格を形作るものになるよなと思う。 大人になる前は希望に満ちあふれていて、正義は1つ、それがすべて正しいと思っている。 大人になると、正義なんてものを追い求めるより、長いものに巻か...

大人になるまでの悪あがきを書いた小説。 こういう悪あがきって、履歴書や戸籍に残らないけれど、その人の人格を形作るものになるよなと思う。 大人になる前は希望に満ちあふれていて、正義は1つ、それがすべて正しいと思っている。 大人になると、正義なんてものを追い求めるより、長いものに巻かれて従順に生きる方が楽だということになる。 その大人になる前と後の間を描いている。 一番好きな登場人物はユ・チーム長。最初はお小言が多く、めんどくさい存在だったけど、実は一番正直で、精いっぱい生きていて、温かい人なんじゃないかな。 ユ・チーム長が最後にくれたマトリョーシカについて「誰でも心の奥底に、いろんな姿をした人が何層にも重なってたくさん入っている」という言葉が心に残った。 これを理解し、認めることが生きる上で一番大事なことなのかも。 権力を持つ人、従う人の垣根を超えた場所を作るという小さなことを企画し、実行したラストがよかった。

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2022/08/24

韓国の格差社会がよく分かる小説。主人公はキム・ジヘという30歳の女性。非正規雇用で働き、半地下に住み、彼氏はいない。未来に希望はなく、より良い生活を目指しているもののなかなか現状から抜け出せない現実を受け入れつつも反発するような女性である。“反撃”というのは、韓国の明るい舞台から...

韓国の格差社会がよく分かる小説。主人公はキム・ジヘという30歳の女性。非正規雇用で働き、半地下に住み、彼氏はいない。未来に希望はなく、より良い生活を目指しているもののなかなか現状から抜け出せない現実を受け入れつつも反発するような女性である。“反撃”というのは、韓国の明るい舞台から弾き飛ばされた、または明るい舞台に行った人の踏み台にされたキム・ジヘの仲間たちが、明るい舞台に行った人への反撃である。いたずらレベルとはいえない(むしろ犯罪)反撃をするところが痛快ではあるが、反撃の後の冷たい現実が無気力を引き起こす。日本の若い人たちは不遇だと感じることはあるが、韓国も同様なのだなと思った。思っただけではいけないのだが、なかなか反撃できないのが、大きな敵(世間)である。

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2022/08/18

せめて一度は、一度くらいは自信を持って叫んでみたかったかったからだろう。私は、あなたたちと違うと。 退かないこと。引き起こしてしまった現実から後ずさりしないで、しっかり立っていること。たとえそれが間違いだったとしても、先に逃げないこと。 心の中を隠さずにただ表に出すだけでも、...

せめて一度は、一度くらいは自信を持って叫んでみたかったかったからだろう。私は、あなたたちと違うと。 退かないこと。引き起こしてしまった現実から後ずさりしないで、しっかり立っていること。たとえそれが間違いだったとしても、先に逃げないこと。 心の中を隠さずにただ表に出すだけでも、何かを変化させることができるということ。 食べていくために、という言葉は、私の一番嫌いな言葉です。もちろん、生きるためには食べなければなりません。しかし、それだけではどんなに虚しいことか。食べるのは生きるための手段であり、遊ぶように生きなければ。私は仕事もそんなふうにやってみたいのです。

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2022/08/14

起承転結の承がMAXだったかな。これは、恋愛寄りでキュンキュンな、展開か?!と思いきや、えーそんな感じー?!とちょっと盛り下がり。よく言えば意外な展開。韓国のお国事情に触れられたのは楽しかった。韓国が身近に感じられます。

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2022/08/11

少し難しかった 私はこれから先どんな人生を歩んでもあのような反撃をすることは無いだろうと思うし、あれが正解の形だとは思わないけど、変わるきっかけになれてよかったと思う でもこれはあくまでフィクションだからであって、現実世界だと話が違ってくるんだけど ウクレレ弾きたくなったな、...

少し難しかった 私はこれから先どんな人生を歩んでもあのような反撃をすることは無いだろうと思うし、あれが正解の形だとは思わないけど、変わるきっかけになれてよかったと思う でもこれはあくまでフィクションだからであって、現実世界だと話が違ってくるんだけど ウクレレ弾きたくなったな、買おうかなと思うくらい、あと自分のことを大切にしたいなと思った

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2022/08/03

読み終わりました。 『アーモンド』がとてもよかったのでこちらも購入してみました。 なんだろう、主人公と自分の歳が近いからか、すごくつらく感じるところもあった。主人公が劇的に変わっていくとかではない、ほんとにただ普通の人の人生をみたというかんじ。 訳者のあとがきで泣きそうになった...

読み終わりました。 『アーモンド』がとてもよかったのでこちらも購入してみました。 なんだろう、主人公と自分の歳が近いからか、すごくつらく感じるところもあった。主人公が劇的に変わっていくとかではない、ほんとにただ普通の人の人生をみたというかんじ。 訳者のあとがきで泣きそうになった。 映像化するならば韓国ドラマの丁寧な描き方でやってほしいなあっておもった。

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2022/07/30

アイデンティティクライシス(まで大袈裟ではないにしろ、日々の生活に対する虚無感ややるせなさ)の引き金になるような様々な出来事に直面しながらも、なんとか自分を見失わずに自分のやりたいことに向かっていこうとする姿に励まされる。

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2022/07/28

韓国人女性作家のソン・ウォンビンは2020年の『アーモンド』に続き本作でも2022年の本屋大賞の翻訳小説部門第1位を獲りました。 前作『アーモンド』の感想には「元々、似た言語・文化のせいなのか、翻訳であることを意識する事はほとんど無く。」と書きましたが、今回はそうも行きませんでし...

韓国人女性作家のソン・ウォンビンは2020年の『アーモンド』に続き本作でも2022年の本屋大賞の翻訳小説部門第1位を獲りました。 前作『アーモンド』の感想には「元々、似た言語・文化のせいなのか、翻訳であることを意識する事はほとんど無く。」と書きましたが、今回はそうも行きませんでした。物語の大きな背景は正規雇用になれない若者達なのですが、日本以上に厳しい状況らしいという知識はあっても肌感覚がありません。また、しばしば韓国の現代史の事件~例えば民主化とか、たぶん目的などは違うにせよ日本の学生運動のような騒乱に近い物~が出てくるのですが、聞いたことが有っても詳細は知りませんし「ああ、そんなこともあったな」的な感覚はありません。サラリと書いてもその当たりの感覚が理解できる同国人を意識して書かれた作品でしょうから、日本人の私には上手く伝わってこない。そこはちょっと苦戦です。 物語はそういったことを背景にした、抑圧された人たち(主人公の三十歳女性+同年の男性+オジサン二人)の反抗の物語りです。 韓国特有の財閥系大企業の君臨、個人レベルで主人公達を搾取する人達。主人公達が抱く不公平感、疎外感、焦り。 無言で引き下がっていた人たちが、まずは面前で声を上げ、しかし挫折し、でもそれを契機にそれぞれが新しい道を作り出していく。前向きなエンディングが心地よく。日本人の私には肌感覚が無くて十分受け止められないのは残念ですが、それでも読み応えのある作品でした。 前作では失感情症の主人公に様々な訓練を行う母と、おおらかに包み込む祖母がいましたし、。今回も主人公を導こうとする正体不明の男性が出てきます。「指導する人」というのがこの作者の特徴なのかな。

Posted byブクログ