1,800円以上の注文で送料無料

忌名の如き贄るもの の商品レビュー

3.8

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言耶は先輩・福太から、結婚相手である尼耳李千子の家が行っている忌名の儀礼について、格式あるものだと母親に説明するよう頼まれる。福太の母親は格式や伝統に拘るためだった。しかし、その相談の最中、李千子の弟・市糸郎が亡くなったという知らせが来る。葬儀が行われることになったが、同時に結婚の挨拶もすることにして、なりゆきで言耶も同行することになる。 冒頭から忌名の儀礼の怖さがたっぷり。いつもの聞き込みの要領が通じない、村人たちの態度に違和感を感じつつ、調査を進める言耶。 推理は二転三転し、「みんなを集めてさてと言い」で披露されたものに至っては、それ誰? みたいな人が出てきたり、決定打がなかったり。???と思っていたら、ようやく真相が明らかになり、動機と真犯人の正体にゾッとする。これはホラー。そして、伏線しっかりのミステリ。

Posted byブクログ

2021/10/26

刀城言耶シリーズ。生名鳴地方の村に伝わる「忌名の儀礼」。代々尼耳家の跡継ぎが行ってきたその儀式の最中に凄まじい怪異に襲われた李千子。そして成人した彼女が結婚の挨拶のために実家へ帰るそのタイミングで、行われた忌名の儀礼中に殺害された彼女の弟。この事件の裏に潜む事情と動機は何なのか、...

刀城言耶シリーズ。生名鳴地方の村に伝わる「忌名の儀礼」。代々尼耳家の跡継ぎが行ってきたその儀式の最中に凄まじい怪異に襲われた李千子。そして成人した彼女が結婚の挨拶のために実家へ帰るそのタイミングで、行われた忌名の儀礼中に殺害された彼女の弟。この事件の裏に潜む事情と動機は何なのか、そしてさまざまな怪異の正体は。徹頭徹尾ぞくぞくさせられっぱなしのホラーミステリ。 相も変わらず、初っ端の李千子の体験である「忌名の儀礼」シーンから怖い。凄まじく怖い。そしてそれよりもさらに恐ろしかったのが「通夜と葬儀」。こんなのもう、気が狂っても全然おかしくない! 嫌だなあ、今までのシリーズや三津田さんの作品でさまざまな怪異が登場しましたが。トップレベルで経験したくない怪異かもしれません。 で、言耶パートになるとほっとさせられるのですが。今回は偲が同行しないのか……ってことにがっかりしたのは私だけではないと思う(笑)。彼女がいた方が怖さが薄れる気がするのだけれど。それも良し悪しでしょうか。まだまだ出現する怪異の数々には、わくわくしながらもびくびくしっぱなしでした。すんごく好きなシリーズなのだけれど、夜中には読めません。 ただ、「殺人事件」の犯人に関しては怪異ではないし、推理が通用するので。そのあたりはしっかりと安心して言耶の名(迷)推理をたっぷりと楽しめたのですが。またラストでこれかい!!! この真相と動機にも鳥肌ものだけれど、最後の一文がどうしようもなく恐ろしいです。

Posted byブクログ

2021/10/18

ミステリー+ホラー+民俗学の刀城言耶シリーズ第11作。長編。 そういえば前作辺りから表紙絵が変わったなと思ったら出版社が原書房から講談社に変わっていた。 今回は忌名(いな)儀礼というシリーズお馴染みの怪しい儀礼を行う一族を襲う殺人事件。 生名鳴(いななぎ)地方の虫絰(むしくびり...

ミステリー+ホラー+民俗学の刀城言耶シリーズ第11作。長編。 そういえば前作辺りから表紙絵が変わったなと思ったら出版社が原書房から講談社に変わっていた。 今回は忌名(いな)儀礼というシリーズお馴染みの怪しい儀礼を行う一族を襲う殺人事件。 生名鳴(いななぎ)地方の虫絰(むしくびり)村にある尼耳(あまがみ)家という、文字も読み方もおどろおどろしい旧家に伝わる忌名の儀礼。 跡継ぎである子どもが七歳、十四歳、二十一歳の時に行われるのだが、これが肝試しの何倍も恐ろしい、特に七歳の子どもには酷だろうと思えるような儀式なのだ。 要は忌名と呼ばれる、本名とは別の名に魔を背負わせて跡継ぎである子どもを守ろうという主旨らしいが、むしろこの儀式こそ魔を引き寄せるのではないかと思うような恐ろしさ。作家さんは毎度よく考えつくなと感心する。 主要人物は七歳の時に行った儀礼の最中に仮死状態に陥り、危うく葬られるところだった尼耳李知子(いちこ)。その後の儀礼は無事にくぐり抜け、今は村を出て資産家の息子と交際している。 その息子・発条(はつじょう)福太が言耶の大学時代の先輩で、福太が李知子との結婚の許しを得るために尼耳家に行くのに言耶が付き添うという設定だ。 だがよりによって、その尼耳家では忌名儀礼中に殺された李知子の弟の葬儀が行われていて、警察も入っている。 だが今回の警察は割りと言耶に好意的。積極的ではないにしても捜査に同行させてもらったりもしている。 民俗学要素としてはこの不思議な儀礼の意味、村にある様々な奇妙な場所や地名の意味が気になるところ。 ミステリーとしては殺人事件の真相以外に、角目と呼ばれる化け物の存在や白い姿の何か、隣人の怪しい行動に、何と言っても李知子の仮死状態が気になる。 これらが合理的に説明が付く人為的なものなのか、それともホラー要素なのかが分からないまま進むのかこのシリーズの醍醐味。 もう一つ、シリーズのお約束と言えば言耶が奇妙な伝承や風習に興奮するのに加え祖父江偲や阿武隈川烏が引っ掻き回すシーンだが、今回は二人の登場シーンが少ないため言耶の暴走もスンナリと止められている。 また終盤の言耶の謎解き中の迷走もシリーズの中ではアッサリ目。 今回はサラッと終わるのか、と少し物足りなく感じていたら最後の最後に凄いのが来た。 トリックや秘密の暴露も面白いが動機の異常さに驚かされる。しかしそれよりも最後の一言が…。 忌名の儀礼、恐るべし。 ところで作中、度々『神々櫛(かがくし)村のカカシ様連続殺人事件』に触れられている。多分「厭魅の如き憑くもの」の話だと思うが、詳細を忘れているので久しぶりに読み返してみよう。

Posted byブクログ

2021/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

きっとそうなったに違いないよな…と最初に思うにも関わらず、意表を衝きすぎる真実が終盤に一気に出て来て、すっかりその事を読者に失念させてしまうところ、上手いです。

Posted byブクログ

2021/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 『忌名』に不幸を背負ってもらい、最後には滝に流す『忌名の儀礼』のときの恐ろしい出来事の語りから、本編が始まる。  語り手は仮死状態に陥った死者であるという所から話に引き込まれる。  そして、同じ『忌名の儀礼』時に子供が目を突かれて殺される、というショッキングな事件が起きて刀城言耶は村に赴く。    犯人のトリックよりも、動機のほうに驚くミステリーだった。  儀礼が終わった後の彼女が大人っぽく見えたというのは、その時から入れ替わっていたのかもしれないし、殺人を決意して精神的に変化を遂げたのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/09/18

刀城言耶シリーズ 地方の山村に伝わる儀式に絡んだ怪異殺人事件を追うホラーミステリー 冒頭の「忌名」という贄儀式から怖さで心を鷲掴みにされ、いざ本編 様々の検証と思考を辿りながら順に真相を探ってゆく言耶オリジナルの手法が本シリーズの醍醐味です 犯人は誰なのか…ラストまで、怖い...

刀城言耶シリーズ 地方の山村に伝わる儀式に絡んだ怪異殺人事件を追うホラーミステリー 冒頭の「忌名」という贄儀式から怖さで心を鷲掴みにされ、いざ本編 様々の検証と思考を辿りながら順に真相を探ってゆく言耶オリジナルの手法が本シリーズの醍醐味です 犯人は誰なのか…ラストまで、怖いです 村の歴史について民俗学的解釈を滔々と語る姿がなかなか格好良いです 大好きなシリーズです

Posted byブクログ

2021/09/13

怖い怖い怖い怖い。 推理は面白かったけど、とにかく最初から最後まで怖いのなんのって。夜一人で読むのは無理でした。昼間読んでても怖くて集中出来なかった。

Posted byブクログ

2021/09/12

面白かった!! 怪しい村の儀式とかいかにもでいい!! シュレディンガーの猫の推理は流石に無理があると思ったけど、真相がわかって良かった。 最後の一文にゾッとした。

Posted byブクログ

2021/09/06

刀城言耶シリーズ長編。この方の本の感想に毎回書いている気もしますが、今回もまた第一章から悪夢の如き恐怖の追いつめられっぷり。背後に迫る恐怖をここまで怖く書けるって本当にすごい。そして内容も先が気になってグイグイ読み進められました。今回祖父江さんが一緒に行ってないので気持ち的には楽...

刀城言耶シリーズ長編。この方の本の感想に毎回書いている気もしますが、今回もまた第一章から悪夢の如き恐怖の追いつめられっぷり。背後に迫る恐怖をここまで怖く書けるって本当にすごい。そして内容も先が気になってグイグイ読み進められました。今回祖父江さんが一緒に行ってないので気持ち的には楽だったけど、先輩の福太になんか納得いかない…。

Posted byブクログ

2021/08/31

忌名は生贄。 生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」の最中に起きた殺人事件。 先輩の結婚に一肌脱ぐ刀城言耶ですが、訪れた村で起こる怪異の数々。 「この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん」...

忌名は生贄。 生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」の最中に起きた殺人事件。 先輩の結婚に一肌脱ぐ刀城言耶ですが、訪れた村で起こる怪異の数々。 「この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん」 この儀式の意味するものは? 不可能犯罪の解明に推理を巡らせますが・・・。 最後の最後になって、ついに本当の犯人が・・・。 いやはや、このシリーズ本当に怖いです。

Posted byブクログ