忌名の如き贄るもの の商品レビュー
お盆ということでお墓 参りを兼ねて母の実家 を訪ねてきました。 母の実家は戦後すぐに 建て替えた木造住宅で 実に築八十年程。 入口を入ると広い土間 があり、 一段上がって板の間や 畳の間が襖に仕切られ 連なる、 いわゆる農家の間取り です。 私が幼かった頃はまだ 囲炉裏...
お盆ということでお墓 参りを兼ねて母の実家 を訪ねてきました。 母の実家は戦後すぐに 建て替えた木造住宅で 実に築八十年程。 入口を入ると広い土間 があり、 一段上がって板の間や 畳の間が襖に仕切られ 連なる、 いわゆる農家の間取り です。 私が幼かった頃はまだ 囲炉裏がありお風呂も 薪で炊いてました。 お蚕さんがいて機織機 もありました。 そして仏間の鴨居には 亡くなった家人たちの 遺影がずらりと並び、 一人で入ると怖かった のを覚えてます。 厳めしい佇まいの漆喰 の蔵もあり、 お転婆だった私は悪さ したら閉じ込めるよと 言って脅されました。 さて、いいかげん自分 語りが長くなりました が・・・ 物語の舞台は戦後間も ない古い因習が色濃く 残る山村。 シンとした薄暗い廊下 に響くシタっシタっと いう微かな足音。 そんななにげない一文 が呼び起こす遠い日の 記憶。 それは仏間で遺影たち に睥睨され怖気た記憶。 ヒンヤリした蔵に閉じ 込められるかと怯えた 記憶。 そして、ふと気づくと あの頃の私が今の私を 見つめてるような気も ・・・ それはイチコにとって のイナコならぬ、 私の忌名としての存在 だったりして。 そう、私が受けるはず だった災いを身代りに 受けてくれたその子の、 その存在を薄っすらと 感じることができた気 がします。 なかなかオンシーズン な一冊かと♪
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今回も面白かったー! 相変わらず地名や名前の読み方が難し過ぎて登場人物の一覧を何度も見返す。 犯人は意外な人物やろーなと、思ってたのでやっぱりその通りかと。 最後の一文がゾクっとしたが、取り憑かれたかもしくは実は双子かと思ってたので驚きはしなかった。 刀城言耶シリーズは大好きなので次回作の発売を楽しみにしてる!
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★3.8くらい このシリーズでいうミステリーの部分について言えば、構成も素晴らしかったと思う。ほぼその点数。 ホラーの部分は、凶鳥と張るくらい弱くて過去一で怖くなかったかもしれない。普段ホラーを読まないからこそ、このシリーズではホラー要素を味わいたいと思っているので、その点が残念だった。
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毎回濃密な刀城言耶シリーズ長編にしては事件の展開が地味だったり怪異が脱力気味な気はしたけれど、解決の芯となる部分や幕切れはさすが。
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尼耳(あまがみ)家で行われる忌名の儀礼中に殺人事件が。尼耳家の娘と婚約している先輩に連れ立って虫絰(むしくびり)村にやってきた言耶。 相変わらずの民俗学蘊蓄すごいなぁ。いまいち位置関係とか儀礼の仕組みが理解しきれなくて、あまりイメージが湧きづらかったけど、雰囲気はとても伝わる。...
尼耳(あまがみ)家で行われる忌名の儀礼中に殺人事件が。尼耳家の娘と婚約している先輩に連れ立って虫絰(むしくびり)村にやってきた言耶。 相変わらずの民俗学蘊蓄すごいなぁ。いまいち位置関係とか儀礼の仕組みが理解しきれなくて、あまりイメージが湧きづらかったけど、雰囲気はとても伝わる。最後のセリフがホラー要素ばっちり。 難読ばかりですねー
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面白い過ぎて、ほぼ徹夜で読んでしまった。 大好きな刀城言耶シリーズ最新作。 今回は通過儀礼の最中に14歳の少年が死亡した事件を,少年の義理の姉(主人公?)と婚約者,婚約者の母と言耶が調査する話。 今回は怪奇現象は少なめで,少し寂しかったかな。 最後はどんでん返しあり,少し怪奇な感...
面白い過ぎて、ほぼ徹夜で読んでしまった。 大好きな刀城言耶シリーズ最新作。 今回は通過儀礼の最中に14歳の少年が死亡した事件を,少年の義理の姉(主人公?)と婚約者,婚約者の母と言耶が調査する話。 今回は怪奇現象は少なめで,少し寂しかったかな。 最後はどんでん返しあり,少し怪奇な感じでの終わり方。
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最新長編で、今回は従来の路線となるが、最初の死者視点が長い。ここだけで90頁ほど続く。 そこから、旧家でのおどろおどろしい殺人事件と言う展開に、皆を集めて謎を解くというエンディングになるので楽しめる。ただ、オープニングが長い分内容が少し弱くなり、不要な登場人物が多いのも残念で、も...
最新長編で、今回は従来の路線となるが、最初の死者視点が長い。ここだけで90頁ほど続く。 そこから、旧家でのおどろおどろしい殺人事件と言う展開に、皆を集めて謎を解くというエンディングになるので楽しめる。ただ、オープニングが長い分内容が少し弱くなり、不要な登場人物が多いのも残念で、もう少し枝葉を刈ってもよかったのではと思える。 しかし、伏線を回収しながらも二転三転する解決編は楽しいし、何より最後の一行が効いている。
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いつものおどろおどろしさが足りない! 李千子が感じた怪奇現象も儀式の不安と緊張による思い込みの範疇な気がする。 福太と井津子は何歳離れてるんだ?結婚させる必要性あった?社長と社員でうまくやってましたじゃだめなの?
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昭和20年ぐらいが舞台の、怪異系ミステリー小説。 ひょっとして、シリーズものの一作かな。私はこのミスノミネートで読んだ。 ちょっと言い回しの難しい単語などが多く、わかりづらい表現が多い。 村で2番目の資産家の娘が、東京で就職し出会った人と結婚しようとする。その人がオモチャメーカーの副社長のご子息なので、女副社長自らが結婚のご挨拶に行くと言う。女副社長は家柄を気にする。 そんな折、儀式の最中に死人が出る。儀式は、子供が7歳、14歳、21歳の時に行われ、自分の戒名を教えられ、その戒名を書いた札を怖い道を通り滝壺に捨ててくると言うもの。資産家の娘は一度14歳の儀式で失敗しており、死んだものの、葬式の途中に生き返った経歴を持つ。 この家は、長男と次男は戦争で亡くなり、三男は見放されて、次の娘に跡取りの矢が立っていたが、隠し子が見つかり、そちらを跡取りにするための儀式だった。 誰が隠し子を殺したのか…結局、アリバイが一番あった娘が犯人。実は家は村八分にあっていたが、葬式中は参拝もあるので、バレなくて結婚が成立すると考えた。双眼鏡に毒針を仕込み、遠隔殺人をした。
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生名鳴(いなぎ)地方の虫絰村(むしくびりむら)の西端に位置する尼耳(あまがみ)家の長女、李千子(いちこ)は14歳の忌名の儀礼の最中に倒れているところを発見される。 不思議な体験をした李千子は上京して、福太と出逢う。彼との結婚の許しを得るために尼耳家を訪れようとした矢先、尼耳家を継ぐはずの義弟の死の知らせが。 かなりおどろおどろしい幕開け。 山村で行われる不気味な儀礼に少女を襲う恐怖の出来事。閉鎖的な村、奇妙な噂話。 これこれこの空気、とウキウキで読み進めるけれど、地名に人名が難しくて途中、何度もなんて読むんだっけと中断…。なんか残念。 探偵役が回りくどくて「僕がもっと早く気づいていれば!」的な展開も後味が悪い。 くどくどしいのはちょっと京極堂と重なる。 このトリックはあの本のあれかなーと割と早く思い当たってしまうのも残念。 でも、最後の最後はヒヤリとニヤリとしたー! そして、これなんとシリーズ11弾!? この本だけでも十分楽しめた。 他の本も機会があったら読んでみたい。
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