霧をはらう の商品レビュー
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個人的に読み応えがありました。 野々花が母と被ることもあり、由惟の気持ち等、色々もどかしい気持ちが共感できることもありサクサクと読めました。 また「被告」に対しての扱いに俯瞰でみるよう自分を戒める内容でした。 そしていつ自分が「被告」になってもおかしくない世の中でもあるんだなぁ、と。 あのとき伊豆原が桝田と出会ってなかったら本当に怖い話です。
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どんな境遇でも明るく無邪気な紗奈に憧れの感情が湧いたり、意地悪な由唯の同僚たちに腹が立ったり、紗奈の母に読む手紙に切なくあったかい気持ちになったり、様々な感情が湧く作品だった。紗奈と由唯の言動を比べるとやっぱり、素直な子の方が得だし生きやすそうだと感じた。また野々花のように、悪気はなくても誤解されやすく嫌われがちになってしまう人っているよなって思った。そして野々花に対して被害者の母の言った、不気味だったという発言が印象的だった。たしかに、自分の思考の範疇を超えて、お節介だったり図々しかったり何を考えているか理解できないと怖いという感情になると思う。今回は裁判官の視点での小説だったから、検察本当にやなやつだった。ハッピーエンドでよかったし、最後の結末はおおってなった。面白かった。
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弁護士の仕事は霧をはらって真実を見せること。 状況証拠だけで点滴に異物を混入したと起訴された少し変わった性格の母親。自分も被害にあった妹と母を恨んでいる姉。病院で起こる殺人事件の手軽さに怖くなった。裁判を戦う中で姉妹は弁護士の支えもあって成長していく。最後の真相に少し呆れる思いが...
弁護士の仕事は霧をはらって真実を見せること。 状況証拠だけで点滴に異物を混入したと起訴された少し変わった性格の母親。自分も被害にあった妹と母を恨んでいる姉。病院で起こる殺人事件の手軽さに怖くなった。裁判を戦う中で姉妹は弁護士の支えもあって成長していく。最後の真相に少し呆れる思いがしたが守るべき者を間違ってはいけないと改めて思った。
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面白かった! 最後の判決理由のところの描写が少なく感じたけど、裁判がどうなるのかのハラハラ感と同時に、由唯の心情の変化が見どころかなという感じ!
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サスペンスものと思いきや、裁判もの。 まぁ、結果はある程度予測できていたので驚きはない。 被告人の母親の言動にイライラする。
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病院内で一度に二人の子供が亡くなった。 同室の他の二人の子供も命に別状はなかったものの、被害を受けた。 点滴にインスリンが混入したことによる刑事事件だということがわかった。 その容疑者として、助かった一人の子供の親が、逮捕された。 本当に犯人なのか? 弁護団がどう対処していく...
病院内で一度に二人の子供が亡くなった。 同室の他の二人の子供も命に別状はなかったものの、被害を受けた。 点滴にインスリンが混入したことによる刑事事件だということがわかった。 その容疑者として、助かった一人の子供の親が、逮捕された。 本当に犯人なのか? 弁護団がどう対処していくのか? 淡々と進んでいくのと、検証にかなり文字数を使っているので中だるみ感があったが、終盤はスッキリした。
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冤罪 やってもいないのにやったと言ってしまう心の動き 誰にでもあり得ることだと思いました 決めつけるとなかなか考えを払拭出来ない 真実を見つけることの難しさを感じました 霧をはらう 良い言葉です
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小南由惟(高3)、紗奈(小6)は母子家庭の姉妹。紗奈は腎炎で長いこと小児病棟に入院している。同室には様々な病で長期入院している子供たちがいる。紗奈の母野々花はほぼ泊まり込みで献身的に看病している。他の子のお母さんたちも同様の生活。ただ野々花は少々変わっているところがあり、病院の治...
小南由惟(高3)、紗奈(小6)は母子家庭の姉妹。紗奈は腎炎で長いこと小児病棟に入院している。同室には様々な病で長期入院している子供たちがいる。紗奈の母野々花はほぼ泊まり込みで献身的に看病している。他の子のお母さんたちも同様の生活。ただ野々花は少々変わっているところがあり、病院の治療(特に薬)に懐疑的だ。以前看護助手として病院に勤務していたこともあり、いろいろ看護士らに注文を出すわ、点滴の早さを勝手に変えるわと煙たがられている。しかも他の子供達にもお節介を焼くので、他のお母さんの中にはそれで小さなトラブルも起こる。かと思えば同室に人達や看護士へ、普通のお菓子を配り歩いたりする。確かにそんなお節介おばさんはいるものだ。わかるなぁと読んでいると、紗奈も含め部屋の子供たちが次々と容態が急変し、懸命の治療にも関わらず二人が亡くなってしまう。 原因は点滴液にインスリンが混入されたこと。まず容疑者として浮上したのが野々花であり、逮捕された6日目に自供してしまう。しかしその後否認に転じ、国選弁護人としてこの方面では大物である貴島弁護士が担当するが、貴島はガンを患っており、弁護団には若い弁護士桝田と同期の伊豆原が加わることとなる。弁護団は野々花の無罪を勝ち取るため、詳しい調査を始めるのだが・・・。さらにそれぞれの弁護士にはこの事件に対する複雑な思いも隠されていた。 証拠の少ない犯罪で、特に伊豆原が姉妹のケアや地道な調査を通じて、徐々に事件の核心に近づいたり遠のいたりという流れにはらはらさせられる。特に99%の有罪率を誇る、警察・検察の容疑者を追い詰める手口が怖い。 以前から司法の取り調べには犯人ありきの猛烈なものがあり、検察が証拠を捏造するなどで、これまでにも多くの冤罪事件が発生していることから、取り調べの可視化が義務付けられ、また拘置所の出入り時間は刑事部門とは別部署が行い、改変できないようにするなど様々な対応がなされた。しかしそれでもなお、録画機器が不調だとか、容疑者を落ち着かせるための雑談とか称して、自供しないと娘たちが大変なことになるとか、このままだと死刑になるとか、録画されると困る会話は録画義務がある取り調べとは別の時間で徹底的に数時間にわたり続けられる。また裁判官にしてもよくいるタイプとして、公判をスケジュール通りスムーズに進めることを重視し、検察の提示したストーリーを疑念なく受け入れるものも多い。さらに自白の重要性。自白調書の任意性は余程の事がない限り認められてしまうので、自供の重大さを認識する必要がある。 以上のように冤罪を覆すことは困難極まりなく、日本の今の司法制度では、誰でも冤罪当事者となる恐れがあると感じた。
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霧をはらう‥‥これはとても大切なことなんだな、と思いました。でも、とてもとても難しい。 この物語は裁判のお話だけれど、そんな大きなことでなくても、他人を自分の都合の良いフィルターを通して見てしまう、人とはそういうものだと思います。 ましてや事件の容疑者ともなれば、どうしても先入観...
霧をはらう‥‥これはとても大切なことなんだな、と思いました。でも、とてもとても難しい。 この物語は裁判のお話だけれど、そんな大きなことでなくても、他人を自分の都合の良いフィルターを通して見てしまう、人とはそういうものだと思います。 ましてや事件の容疑者ともなれば、どうしても先入観を持ってその人を見てしまうでしょう。 そして味方がいない時に追い詰められたら人はどんなに弱くなってしまうのか、それが痛いほど伝わってくるお話でした。 あぁ、どこまでも人は自分本位な生き物なんだなぁと思わせられました。
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自供以外は状況証拠の裁判を通して、人の弱さや強さ、善意や悪意、家族の再生や成長が描かれて、一気に読んだ。 裁判の話だと思っていたら、最後に謎解きがあって、最後まで面白かった。
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