霧をはらう の商品レビュー
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2022.8.19読了。 小児科病棟で起きた点滴異物混入事件。 4人の女児が被害に遭い、2人は死亡、1人は後遺症が残り、もう1人の被害が軽かった女児の母親に容疑がかかり逮捕される。 面倒見のよい弁護士、伊豆原が無罪を勝ち取る為、地道な弁護活動を元に真実を解き明かす。 *** 「霧をはらう」というタイトルは、先入観という"霧"をを取り払い、冤罪から真実を見つけ出すということ。 母親の野々花の行動は気に障るが、些細なことの積み重ねで「あの人ならやりかねない」と思われてしまうのは今の世の中ほんと人付き合いなんてしないほうがいいなと思ってしまう。 途中展開が遅く中弛みしたが、裁判が始まってからのシーンは続きが気になり一気に読めた。 弁護士が冤罪とわかっていながら進めようとしていたなんて、結末には驚いた。
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面白かった。 裁判物は堅苦しくなりがちだけど 被告人の娘視点や弁護士側の視点 両方の気持ちがよく分かり もどかしさを感じるのも楽しかった。 被告人になってしまった母親の感じ。 自分にも当てはまりそうで 他人事ではない。
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弁護士の依って立つ「信念」を描く、作者渾身の法廷ミステリー。主人公は人権派弁護士の伊豆原柊平。 ◇ 病院で起きた点滴死傷事件。入院中の4人の幼い子どもたちにインスリンが混入され、2人が死亡した。 警察が殺人事件として捜査した結果、生き残った女児の母親が犯人...
弁護士の依って立つ「信念」を描く、作者渾身の法廷ミステリー。主人公は人権派弁護士の伊豆原柊平。 ◇ 病院で起きた点滴死傷事件。入院中の4人の幼い子どもたちにインスリンが混入され、2人が死亡した。 警察が殺人事件として捜査した結果、生き残った女児の母親が犯人として逮捕された。 だが弁護を引き受けた伊豆原柊平は、警察のストーリーに沿った取り調べによるものではないかと疑問を持ち……。 * * * * * 『火の粉』のような読んでいて胃が痛くなるイヤミス仕立ての描写がなく、マイルドな展開のおもしろさでした。 刑事事件裁判に臨む弁護士ものには必ず出てくるクソ検事とカス刑事。 おしなべて、クソ検事は権威主義的で肥大化したプライドを持ち嫌みったらしいし、カス刑事は正義に則らず嗜虐的で警察側の立てたストーリーに沿った取り調べに終始する。 本作でも登場することはするですが、2人とも粘着度が控え目で憎まれ役としては物足りませんでした。どちらかと言えばまだ、由惟の勤務先の前島専務の方が仇役向きだと思います。 また、目先の欲に負けてしまい弁護方針を変えようとした桝田にしても淡白な感じが強く、足の引っ張り役としては少し頼りない。もっと全力で伊豆原への妨害工作をしても不思議はないところです。 そして無罪判決。伊豆原の全面勝訴なのだけれど、苦戦をひっくり返す劇的な証拠や証言が欲しかったです。( このあたりは柚月裕子さんの法廷ものの方がぐっと読ませるように思います。) それでも雫井さんは好きな作家だし、伊豆原夫妻にも主役としての魅力を感じるので、今後に期待します。できればシリーズ化して欲しいと思いました。
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霧をはらう 雫井脩介さん。 まとわりついている霧を払って、 その人を、1人の人間として見てもらうようにする。 それが弁護士の仕事。 おもしろかった。 どんな判決が出されるか? 最後まで、ハラハラドキドキ。 味方はいるんだね。 おもしろかった。
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雫井脩介さんの小説大好きです。ストーリーがどこでひっくり返ってもおかしくないので、常にヒヤヒヤしながら一気読みしてしまいます。 伊豆原先生の次の依頼、どう弁護するのか気になる
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ひとつの事件を解決していく話で、その事件だけで本1冊分も語ることがあるのか、、と思っていましたが、冤罪を晴らすのは本当に不可能に近いことなのだと感じました。言葉の大切さ、信念を貫くこと、、弁護士によって判決が変わってくる。丁寧に描かれていたので、登場人物に親近感湧く思いでした。良...
ひとつの事件を解決していく話で、その事件だけで本1冊分も語ることがあるのか、、と思っていましたが、冤罪を晴らすのは本当に不可能に近いことなのだと感じました。言葉の大切さ、信念を貫くこと、、弁護士によって判決が変わってくる。丁寧に描かれていたので、登場人物に親近感湧く思いでした。良い終わりかたでスッキリしました!
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個人的に読み応えがありました。 野々花が母と被ることもあり、由惟の気持ち等、色々もどかしい気持ちが共感できることもありサクサクと読めました。 また「被告」に対しての扱いに俯瞰でみるよう自分を戒める内容でした。 そしていつ自分が「被告」になってもおかしくない世の中でもあるんだなぁ、と。 あのとき伊豆原が桝田と出会ってなかったら本当に怖い話です。
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どんな境遇でも明るく無邪気な紗奈に憧れの感情が湧いたり、意地悪な由唯の同僚たちに腹が立ったり、紗奈の母に読む手紙に切なくあったかい気持ちになったり、様々な感情が湧く作品だった。紗奈と由唯の言動を比べるとやっぱり、素直な子の方が得だし生きやすそうだと感じた。また野々花のように、悪気はなくても誤解されやすく嫌われがちになってしまう人っているよなって思った。そして野々花に対して被害者の母の言った、不気味だったという発言が印象的だった。たしかに、自分の思考の範疇を超えて、お節介だったり図々しかったり何を考えているか理解できないと怖いという感情になると思う。今回は裁判官の視点での小説だったから、検察本当にやなやつだった。ハッピーエンドでよかったし、最後の結末はおおってなった。面白かった。
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弁護士の仕事は霧をはらって真実を見せること。 状況証拠だけで点滴に異物を混入したと起訴された少し変わった性格の母親。自分も被害にあった妹と母を恨んでいる姉。病院で起こる殺人事件の手軽さに怖くなった。裁判を戦う中で姉妹は弁護士の支えもあって成長していく。最後の真相に少し呆れる思いが...
弁護士の仕事は霧をはらって真実を見せること。 状況証拠だけで点滴に異物を混入したと起訴された少し変わった性格の母親。自分も被害にあった妹と母を恨んでいる姉。病院で起こる殺人事件の手軽さに怖くなった。裁判を戦う中で姉妹は弁護士の支えもあって成長していく。最後の真相に少し呆れる思いがしたが守るべき者を間違ってはいけないと改めて思った。
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面白かった! 最後の判決理由のところの描写が少なく感じたけど、裁判がどうなるのかのハラハラ感と同時に、由唯の心情の変化が見どころかなという感じ!
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