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星のように離れて雨のように散った の商品レビュー

3.3

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    3

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2022/11/12

島本理生先生の本を読むのはこれで2作目。 タイトルにすごく惹かれました。 星のように離れて雨のように散る。 "自分"が離れて散るのか? 愛のことなのか? 主人公の春が、幼い頃にトラウマにあってけっこう淡白な感じであまり思っていることや感じていることを言葉に...

島本理生先生の本を読むのはこれで2作目。 タイトルにすごく惹かれました。 星のように離れて雨のように散る。 "自分"が離れて散るのか? 愛のことなのか? 主人公の春が、幼い頃にトラウマにあってけっこう淡白な感じであまり思っていることや感じていることを言葉にしない。彼氏の亜紀くんには、「ずっと春に好かれている実感が薄かった」と言われるくらい感情に蓋をしてしまってる。 何となく、春の自分の気持ちを言葉にしないところとかは分かるかもだけど、こんなに素敵な彼がいるのに〜と思ってしまう笑 恋愛とか結婚についての考え方は篠田くんの考え方に共感できるかも笑 でも、この作品は恋愛だけでなくて宗教についても触れる。特に『銀河鉄道の夜』を登場人物たちが掘り下げていくところを読むのは楽しめました。宮沢賢治のトリビアに強くなれそう笑 宮沢賢治と妹のトシとの間で交わされた意見ってどんななのかを想像する春は素敵だなと思った。 最後の島本先生のあとがきを読んで分かったことですが、ここ数年、自身の書いた小説に昔のように愛着が持てなくなったらしい。でもこの作品を書いていって、なにについての物語を書いているのかが分かった時に小説に対する愛着とはなんだったのか思い出したようですね。 「そこに救済を必要としている登場人物がいるから書く」「そして救済とは、理解のことなのだ」と。

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2022/10/22

2.9 作者の自伝的な内容?自分を他者との関係の中で、見つめ直す物語。他者依存的な生き方はしたくないな。

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2022/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

〝道しるべになる言葉がきっと見つかる、迷いを抱えた人すべてに贈る、 「私」をめぐる旅の物語〟 と帯にある。 苦手だった島本さんが、よだかの片思いで気になる作者さんになり、恐る恐る手に取り読み始める。 途中、よだかの片思いを読んだJKとこの本について語る。きっと、過去に島本さん岩手出身の方とか、宮沢賢治さん好きな方とか、銀河鉄道の夜が好きな人とかと大きい恋愛したよねーと勝手に妄想して盛り上がる。 今回もいい感じ。 人を好きになる、自分と向き合う、それぞれに奥深く読んでいて主人公と同じで苦しい気持ちになるけれど、でも最後まで読んで良かった。 P27 一日に百回、愛シテル、と繰り返す男を果たしてほんものだと受け入れるでしょうか。言葉は少ない方がいいですし、愛は語らない方が何百倍も尤もらしい。でもそれは同時にただ一つの、ほんとう、を手放すやり方です。 P45 「なんかさ、契約と責任で縛れば心を固定できるって変じゃないかな、と思うんだよ。」 P87 「ほんとう、のことは、時々、怖いんです」中略 「何歳になっても、そんなもんだよ。」 p92 「他人の言葉で落ち込んだりしないの?」 「うん、しない。そういうときは、俺じゃなくて世界が悪いと思うから。」 篠田すげーーーー。 P94 「他人と自分の問題を混同して責任とか感じない方がいいよ。」 P115 異性としてだけ求められたら失望するのに、異性としての価値も見出してもらいと不安になる p159 「嫌いな自分にフタをして、好きな相手の言葉や価値観だけで自分の中をいっぱいにしたら、そのときは甘い気持ちでいられるかもしれないけど、でも、相手のほうは逆にどんどん原さんが見えなくなるよ。原さん自身だって。」 P211 「人の大体の行動って、無意識の陽でも必然性があったりするし。 P225 最初の夏、あなたは私を見つけて、強く求めた。 だから今度は、私があなたを一つづつ見つける夏だ。

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2022/09/29

まずタイトルがすごく好き。 恋愛特有の盲目的なところや、冷静になっているときの様子が 自分も知っているなと感じながら読んでいた。 何かしら知っている得体のしれないものや想いや感情などを、とても的確な言葉で表されている。そんな作者だといつも思う。

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2022/09/09

タイトルが気になって読んだけど、私にはあまり合わず、残念。これまでも島本理生さんの登場人物とは、いまいち共感できていない感じ。もっと読めばわかるかな? コロナ禍なのに飲食のシーンが多くて、バイト先でもすぐマスク外しちゃうしで、少し落ち着かない気分。この作品って、コロナ禍である意味...

タイトルが気になって読んだけど、私にはあまり合わず、残念。これまでも島本理生さんの登場人物とは、いまいち共感できていない感じ。もっと読めばわかるかな? コロナ禍なのに飲食のシーンが多くて、バイト先でもすぐマスク外しちゃうしで、少し落ち着かない気分。この作品って、コロナ禍である意味あるのかな? 銀河鉄道の夜や宮沢賢治については、あまり知らないけど、改稿についてとか、ちょっと興味深かった。

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2022/08/23

2020年コロナ禍で迎えた夏、文学部の大学院生の春は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を修士論文で書いている。子どもの頃失踪した父親や恋人の亜紀、自分を解き放てない事に悩む春。悩みながらのコロナの夏を描く。 なんだか、とっても大変な人だけど、気になって読み進められる。小説としては興味深...

2020年コロナ禍で迎えた夏、文学部の大学院生の春は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を修士論文で書いている。子どもの頃失踪した父親や恋人の亜紀、自分を解き放てない事に悩む春。悩みながらのコロナの夏を描く。 なんだか、とっても大変な人だけど、気になって読み進められる。小説としては興味深いけど、身近にこんな人がいたら、私には無理! そもそも、宮沢賢治を研究しているということで、私には無理! こんな小説を書くとは、みたいな小説書いちゃう理生さん、すごいなぁ。

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2022/06/17

主人公全てが、なんだか淡白で、個性が感じ取れない物語だと感じました。それぞれの過去から、ずっと引きずってるものに、おずおずと、手を伸ばしたり引っ込めたりして、行ったり来たりしてる感じです。それを、繊細な表現と呼ぶのでしょうね。 登場人物にあまり魅力を感じなくて、、、読み終わった後...

主人公全てが、なんだか淡白で、個性が感じ取れない物語だと感じました。それぞれの過去から、ずっと引きずってるものに、おずおずと、手を伸ばしたり引っ込めたりして、行ったり来たりしてる感じです。それを、繊細な表現と呼ぶのでしょうね。 登場人物にあまり魅力を感じなくて、、、読み終わった後も、感情の余韻もなしです。

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2022/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

難しいなー。こんなに深く考えて、人と付き合うものなのか…こんなに人と深いことを話すべきなのか…私自身が浅いのか…読んでいてずっと重いというかざらざら感が… 『銀河鉄道の夜』を読んだら理解できるのかなと思ったけれど、そこまでして理解する必要ないかな…なんて思ってしまうのは、やっぱり浅いな… こんな状況ならば、わたしは亜紀君とは別れるな。 あと、最後にいきなり出てきた亜紀君の過去、これでこの話自体が違うものに感じられる。

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2022/06/06

新型コロナの影響をもろに受けた2020年の夏を、大学院生・春の目線で描いた作品。 何作読んでも、この作者の作品は捉えどころがないと言うか、いい意味色がないと言うか、いつも違う雰囲気をまとっているように思う。 今作の主人公・春はコロナで授業のなくなった夏を過ごしていた。 手元には書...

新型コロナの影響をもろに受けた2020年の夏を、大学院生・春の目線で描いた作品。 何作読んでも、この作者の作品は捉えどころがないと言うか、いい意味色がないと言うか、いつも違う雰囲気をまとっているように思う。 今作の主人公・春はコロナで授業のなくなった夏を過ごしていた。 手元には書きかけの小説、未完の「銀河鉄道の夜」 心の中には失踪してしまった父への離れがたい思いを抱えたまま。 そんな春を優しく見守る恋人の亜紀。 旅先で亜紀が発した「愛している」の言葉を発端に、春の心が揺れ動く様を繊細に描いている。 春の同じゼミの篠田や、売野、アルバイト先の小説家・吉沢などの対話から、徐々に春は自分の過去に改めて向かい合う勇気を持つようになる。 「家族関係が複雑だと、人に甘えるのが下手になる」とか、やたら春は自分を不幸がる。そこが個人的には好きになれなかった。 自己肯定感が低い割には、誰に対しても上から目線なのも、何だか嫌で、「私、父に失踪された可哀想な子」を演じているのも嫌で、評価は低め。 春を取り巻く人たちが、とても優しくて、恋人の亜紀以外は春の悪いところもちゃんと口に出して言ってくれて、春はとても恵まれていると思う。 タイトルが凄く好きで、それに惹かれて読んだけど、内容は思っていたものと全然違って、でも、誰もが何かを見失っていた2020年の夏を主人公の春を通して読んだことで、自分もまた「虚無」を感じていた夏を客観的に思い出すことが出来た気がする。

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2022/05/16

わたし普通かと思ったらちょっと違ってた、って自分を捉えている主人公がこの人の作品には多くて、(ちなみに自意識過剰気味だとわたしは捉えている)かつ、トラウマとかなんかしら過去に傷なりなんなり持ってる人が多いので、物語の色が何かいつも似ている。 そしてそれを求めてなんだかんだこの人の...

わたし普通かと思ったらちょっと違ってた、って自分を捉えている主人公がこの人の作品には多くて、(ちなみに自意識過剰気味だとわたしは捉えている)かつ、トラウマとかなんかしら過去に傷なりなんなり持ってる人が多いので、物語の色が何かいつも似ている。 そしてそれを求めてなんだかんだこの人の作品手に取るから、そういう意味では今回も期待を裏切らなかったな、と思う。 2022.5.16 75

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